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泉屋博古館分館で、2009年に「板谷波山をめぐる近代陶磁」展を見てからしばらく時間が経った。そのブログ記事はこちらである。
今回はは板谷波山没後50周年の回顧展。有名な出光佐三コレクションから185件もの展示品が出ているということで見逃すわけにはいかない。 板谷波山は、東京美術学校彫刻科で正規の美術教育を受けた陶芸家で、陶芸家の社会的地位を高め、日本近代陶芸の発達を促した先覚者である。波山の作品には青磁、白磁、彩磁などがあるが、いずれも造形や色彩に完璧を期した格調の高いものである。 波山の独自の創案によるものに葆光釉(ほこうゆう)という釉がある。これは、器の表面にさまざまな色の顔料で絵付けをした後、全体を艶消しの不透明釉で覆うもので、従来の色絵磁器とは異なるソフトで微妙な色調となっている。 泉屋博古館分館の展覧会では葆光彩磁として重要文化財の《珍果文花瓶》が出展されていた。また、彫刻の技を生かした「薄肉彫」で文様を精緻に浮彫し、その上に色を与え、きらめく釉薬をかけた「彩磁」も記憶に残っている。 今回の展覧会は、下記のような章立てである。 序章 〈波山〉誕生-生命主義の時代と夢みる力以下は、この章立てに沿ったメモである。 ・葆光彩磁葡萄文香爐 ↑左下 第1章 波山の〈眼〉と〈手〉-陶芸を彫る、陶芸を染める ・彩磁玉葱形花瓶 ↑左中 ・葆光彩磁瑞花鳳凰紋様花瓶 ↑右上 第2章 波山の夢みたものI-色彩と白、そして光 波山は、色調の微妙な差を表現するために、以下のような名称を使っていたので、会場ではその差を認識すべく、目を凝らして見てきた。 ・紫金磁、辰砂磁第3章 波山の夢みたものII-鉱物・天体・植物・動物 ・窯変磁花瓶↓: 金色の点は星を表し、天体をイメージしている。天文学の知識が広まったこの時代、宮沢賢治の詩や童話にみられる星や結晶への憧憬と関係があるとの説明だった。 ・白磁鳩杖頭: 80才を迎えた郷里・下館の老人に「道に迷わずにお年寄りが家に帰れるように」と願って杖の頭に鳩を留めて贈った。その数は319本に及ぶ。この寄贈は本人が80才になるまで続いた。 ・観音聖像: 日中戦争による下館出身の戦没者の遺族に観音聖像を贈ったとのこと。 第4章 あふれる、夢の痕跡-図案と写生: 上手い。美術学校で正式の教育を受けていることがよく分かる。 波山は文化勲章は受賞したが、人間国宝は辞退したという。単なる工芸家でなく芸術家であるとの矜持がなさしめたのであろう。 終章 至福の陶芸 ・天目茶碗 銘 命乞い↓: 傷がついていたために割ろうとした波山に頼んで出光佐三が貰い受けたもの。佐三が付けた銘は云い得て妙である。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2014-02-17 20:20
| 国内アート
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