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![]() 今回ほぼ同時期に六本木でラファエル前派Pre-Raphaelite Brotherhood(PRB)展が開かれており、どちらを先に行くか少し迷ったが、ラファエル前派はちょっと食傷気味でもあったので、先に丸の内に行くことにした。 といっても、以前にV&Aの展覧会は2度見ていて図録も残っている。1993年の「ヴィクトリア朝の栄光 @大丸ミュージアム」と1995年の「イギリス絵画の350年 @大丸ミュージアム」である。しかし、前者は装飾美術、後者は絵画に特化にしたものだったので、その両者を併せ展示している今回の展覧会に期待していた。 展覧会に出かける前に、唯美主義について米国Wikipediaで予習した結果は下記のようである。長文だが、折角翻訳したのでここにそのメモを残しておく。御用とお急ぎの方は、以下の青字の部分はとばして下さい。 唯美主義(唯美主義運動)とは、文学・美術・音楽などの芸術において、社会的政治的な価値よりも美的な価値を強調することを重視する芸術運動である。これは、特に19世紀に隆盛であり、当時は象徴主義や退廃主義と関連していた。三菱一号館美術館は小部屋が多いためか、この展覧会は3章立てだが、実に多数のセクションに分かれた展示となっていた。 第1章 芸術のための芸術 「序」には、鉄製ひまわりと孔雀の大皿の2点だけ。前者が男性の象徴で、後者が女性の象徴である。 「美術職人集団」には、モリスのおなじみの壁紙《ひなぎく》は良いとして、バーン=ジョーンズのギリシャ神話の基づく浅浮彫《ヘスペリデスの園》やロセッティの《ボルジア家の人々》が出ていた。上述の唯美主義の定義では、このような物語性のある作品は除かれるのではなかったのかなと首をかしげる。あるいは、アンチテーゼとしてこのような作品を展示していたのかもしれない。 「新たな美の探求」では、ワッツの《孔雀の羽を手にする習作》↓、ロセッティの《愛の杯》、孔雀の羽が描かれたレイトンの《パヴォニア》↓↓など物語性が希薄な唯美主義作品が登場する。マーガレット・キャメロンの写真《お呼び下さい、わたしはついて参ります、どうか死なせてくださいませ メアリー・ヒリアーの肖像》もなかなかの唯美作品である。 ![]() ![]() ![]() 「遠い過去、遥かなる場所Ⅱ 古代文化という理想」には、私の好きなアルマ=タデマの古代ローマを舞台とした絵画《目に見えている結果》↓が出ていたが、これは「知らぬは男ばかりなり」という一般的な状景を描いたもので、具体的な物語を題材としたものでないとすれば、広義の唯美作品の範疇に入るだろう。 ![]() ![]() ここにホイッスラーの油彩《ノクターン:黒と金-輪転花火》↓が出ていて仰天した。これは花火を印象派風に描いたものであるが、ラスキンがこの画を酷評し、名高い「ホイッスラー vs ラスキン名誉棄損裁判」の発端となった作品のひとつである。 ![]() ![]() 「唯美主義とグローヴナーギャラリー」では、唯美主義絵画の展示が行われ、広く知られることになった。このセクションに展示されていたのは、ワッツの《愛と死》・《プシュケ》とムーアの《花》↓。いずれも見事な作品である。 ![]() ![]() ![]() ![]() 「オスカー・ワイルド、唯美主義運動と諷刺」では、唯美主義のアーチストが諷刺の対象となった例がたくさん展示されていたが、あまり面白くないので飛ばした。 「美しい書物(ブック・ビューティフル)」のセクションに出ていたクレインの児童書は良いとしても、ビアズリーの《イエローブック》は嫌いである。一方、オスカー・ワイルドの《幸福の王子》は悪くはなかった。 「唯美主義におけるデカダンス」に出ていた退廃的なビアズリーの作品は見たくなかった。 「輝かしい落日‐唯美主義後期の絵画とニュー・スカルプチャー」には、官能性豊かなブロンズ彫刻が出ていた。 この展覧会の最後は、ワッツの《内奥の世界の住人》↓とムーアの《真夏》↓↓という象徴性の強い作品で締めくくられていた。 ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2014-02-01 15:30
| 国外アート
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