大浮世絵展 ＠江戸東京博物館

　これは、本日1月3日のこと。例年は箱根駅伝を見てから東博の「博物館に初もうで 」に行くことにしていたが、今年は江戸博の「えどはくでお正月」と「大浮世絵展」とが同時開催ということででちょっと迷っていた。ちなみに、箱根駅伝のTV中継画像には、昨年12月に行った「岡田美術館」の看板も映っている↓。　箱根駅伝を見ている最中にテロップが入り、有楽町駅附近の火災のため、山手線も止まっているとのニュースが入ったので、江戸博に行くことに決定した。　地下鉄で錦糸町に行き、総武線に乗り換えて両国に着いた。天気は上乗で、駅前にある大浮世展の看板も陽射しで暖かそう。しかしこの看板には「場内混雑」という張り紙がしてあった。　この「大浮世絵展」は国際浮世絵学会創立50周年記念、江戸博開館20周年記念ということで、浮世絵の教科書展のようなもの。確かに混んでいるので、第二列で最前列の観客の頭越しに眺めていった。

　章立ては、オーソドックスな時代順。

１章　浮世絵前夜
２章　浮世絵のあけぼの
３章　錦絵の誕生
４章　浮世絵の黄金期
５章　浮世絵のさらなる展開
６章　新たなステージへ

　保存状態の良い外国からの浮世絵や版本も多いが、8回の展示換えがあるので、1回に見られる数はおのずと限られている。

　お気に入りは、琴棋書画のテーマを散らした初見の国宝《彦根屏風》↓、大勢の着飾った遊女・童女・禿と多数の南蛮渡り調度品を描きこんだ再見の国宝《松浦屏風》↓↓、星・桜・焔・女の描写が印象的な初見の葛飾応為《夜桜図》↓↓↓　外国からの出品では、空摺が見事な鈴木春信の《雪中相合傘》大英博物館蔵↓、保存状態の良い勝川春章の《中村富十郎の饅頭売 日向屋実は 日向姥ケ嶽の雌狐と 九世市村羽左衛門の酒売り伊勢屋実は源九郎狐》 シカゴ美術館蔵↓↓と背景を墨で摺って暗さを表現している鳥居清長の《大川端夕涼》 大英博物館蔵↓↓↓　続いて常設展会場へ。今日、1月3日は入場無料。まずは、6Fの展示物を見て回る。周延の《千代田城之御表》が出ていたので、写真を撮った↓。　次に、5Fへ降りて、恒例の「夢からくり」↓をちょっと覗いてから、特集展示「東海道五十三次」↓↓で広重保永堂版全点をゆっくりと見た。広重のマーク「ヒロ」を探すだけでも結構に楽しい。　ここには、栴檀は双葉より芳しい広重10歳（安藤徳太郎）の作品《三保松原図》↓と62歳の遺言状↓↓が出ていたので写真を撮ってきた。遺言状には「死んでゆく地ごくの沙汰ハともかくも　あとのしまつが金次第なれ」と書かれていた。　旧知の美術ブロガーがおられたとしても、混雑のため邂逅不能の状態だった。

　帰りは、山手線は動いていたが、遅延しているとのことなので、同じく錦糸町・地下鉄経由とした。　

美術散歩　管理人　とら