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モネ展の流れで、この「ムンク版画展」を見た。
2013年はムンクの生誕150周年に当たり、オスロ国立美術館と市立ムンク美術館と共同で、世界中から代表作271点を集めた空前の規模の大回顧展が開かれた。 国立西洋美術館で開かれているこの小企画展も「生誕150周年」と銘打っている。ムンクは版画を約850点も制作しているというから、彼の版画は無視できない存在である。 彼の初期の版画作品の多くは、彼自身の油彩画の主題に基づいたものであり、今回もいくつか展示されていたが、それらについては第2報にゆずり、この第1報では初見の 版画集《アルファとオメガ》 について述べることにする。画像は版画素描展示室でフラッシュなしで撮影した写真から作成したものである。 ムンクは1908年秋に神経衰弱のためコペンハーゲンの療養所に入院した。医師の勧めに従って、ムンクは一連のデッサンと文によって一つの物語の制作に取り組んだ。1909年、その成果はリトグラフ版画集《アルファとオメガ》として出版された。 そのストーリーはアダムとイヴの物語に基づくもので、最初の人間である男女が出会って愛し合うが、誘惑・失望・怒りによって二人の関係が変質し、破滅に至るというものである。 主人公はアダムに相当するアルファとイヴに相当するオメガ。α(アルファ)は伝統的ギリシャ文字配列では最初にあたる字で、Ω(オメガ)は伝統的ギリシャ文字配列の最後の字である。 (1)表題紙・目次・サテュロスの頭・アマリリス 1993年に出光美術館で開かれた「ムンク展 愛と死」の図録中に掲載されている、「"フリーズ・オブ・ライフ"―版画作品を通して」と題するヘルド・ヴォル氏(オスロ市立ムンク美術館版画・素描部門キュレーター)の論考は次の文章で締めくくられている。 1908~09年のコペンハーゲン滞在中に制作したリトグラフの連作『アルファとオメガ』は、ほとんど「フリーズ・オブ・ライフ」の戯画(カリカチュア)ともみなすべき作品だが、ムンク自身はこれを重要な作品と考えていた。このシリーズに対する後世の評価はどうやら芳しくないようだが、ここに登場する一連のモチーフは、ムンクがそれまでに「愛」「生」「死」の主題による想像力豊かな作品群において表現しようとしてきたものの集大成に他ならないのである。版画集「アルファとオメガ」の重要性は、今回の「ムンク版画展」の展示を通して、少なくともわが国では正当に再評価されると思う。 美術散歩 管理人 とら ©Tora 2013 【註】 ・ムンク版画展:第2報 1890-1900年代 ・ムンク版画展:第3報 1910-30年代
by cardiacsurgery
| 2013-12-23 10:14
| 国外アート
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