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これは連休前の金曜日のこと。天気が良いので、大倉集古館まで足を延ばして、前期の展示を見た。
後期を見るため、11月19日に再訪。追加記事は赤字とする。 ・《清明上河図》摸本: 北宋時代の張擇端筆の《清明上河図》北京・故宮博物院蔵は、2012年に行列して東博で見たし(ブログ)、台湾の故宮博物院でも《清明上河図》摸本の常設展示を見た(ブログ)。「この摸本は、世界中の美術館に一点ずつ所蔵されている」というジョークがあるように、多数の模本(少なくとも50点)が残っている。日本でも、宮内庁、東京国立博物館、林原美術館、奈良県立美術館、仙台市博物館、茨城県の筑波神社、岡山市妙覚寺などに存在しているようである。 この模本は、大別すると3系統に別れる。 1. 張択端の真作の系統今回展示されていたのは、①大倉集古館蔵の明代摸本↓、②個人蔵の清代摸本、③特種東海製紙株式会社蔵の清代摸本の三点であるが、会場の説明ではいずれも蘇州の風景を描いた「蘇州片」であるとされていた。その中、①と②はこの摸本では一番多い仇英(款)のものであるが、③は張擇端(款)ということである。 大倉集古館蔵本については、Wikipediaによると、「日本風の表装から中国から直接大倉に入ってきたのではなく、かなり前の時期に輸入され、後に大倉の手に渡ったと推測される。仇英本系統で画格がやや劣ることから、仇英の祖本を更に模写したものと見られる」と記載されている。 「印」や「跋文」まで模造されていると説明されていたが、そうなると一部の「模作」は「偽作」というべきなのかもしれない。このような細密画を描くには大変な労苦を必要としている。画家が直接マーケットに売り出したのではなく、収集家が対価を支払ってこのような「模作」ないし「偽作」の制作を依頼したものが少なくないのだろう。 第二部 南宋の都、杭州~憧憬の西湖 版本で西湖の地図が何点か出ていた。↓はその中もっとも古い南宋の版本の地図。「西湖図」という題の方向が北である。白堤の作成には白居易、楚堤には蘇東坡が関与していることは有名である。 この画のスケッチ↓をしてきたので、以下の記述を理解していただくために、↑の地図に、「南屏山」・「南宋宮殿」・「蘇堤」・「孤山」・「白堤」の文字入れをしておいた。 ・狩野山楽(款)の《西湖図襖絵》↓・池大雅の《西湖遊覧図》↓↓: いずれにおいても、中景の「孤山」に連なる「白堤」と、遠景の「蘇堤」が平行に描かれている。 後期に出ていた狩野梅笑《西湖図》に至っては、一箇所に堤が描かれている他には西湖らしき風物は全く描かれていなかった。 ・盛懋(款)の《林和靖図》個人蔵・曾我蕭白の《林和靖図》千葉市美術館蔵: 西湖の「孤山」を庵をかまえて隠棲していた北宋の詩人・林和靖をテーマとした作品。 後者↓には、左の空に三日月、東屋には満開の梅の樹、右の橋には鶴、橋のたもとには小舟、岸には童子を連れた林和靖が描かれていた。この画は、林和靖の詩「山園小梅」の中の「疎影横斜水清浅 暗香浮動月黄昏」という有名な句を踏まえたもの。これは、2012年の「蕭白ショック@千葉市美術館」で見ている(参照)。 第三部 京都~花洛尽しの世界 ・狩野松栄《釈迦堂春景図》: 「狩野永徳展」以来の再会。 とても美しい扇面で、《京名所図帖》複製の1面「南蛮寺扇面」を、2007年に、国立民俗博物館で開かれた「西のみやこ、東のみやこ展」で見たことを思い出した。 お定まりの金地の屏風ながら、最低の描写力。しかも落款は「長谷川法橋巴龍筆」!!! 江戸時代の「素朴画」ないし「アウトサイダーアート」である。 突然、2007年に、森美術館で開かれた「日本が笑う」展で、この画の拡大図をタッチパネルを使いながら見たことを思い出した(参照: HP、リスト)。 2007年にタッチパネル方式で拡大画像をスクリーンで見たのは、次の5場面。前期には時間切れで十分に見られなかったが、後期には双眼鏡でジックリと見てきた。 1) 東寺 ・伊藤若冲《乗興舟》: 再見(参照)。 第四部 江戸~新たな東都、現代へ ・鍬形蕙斎《東都繁昌図巻》(部分)千葉市美術館蔵: 「飛鳥山花見」と「日本橋河岸」↓の場面が出ていたが、これにも場面替えがある。後期には「日本橋河岸」↓と「両国納涼記」の場面が出ていた。 ・葛飾北斎 《東都勝景一覧》浦上蒼穹堂蔵: 前期は「飛鳥山」。後期は「両国」。 ・歌川広重《飛鳥山・隅田川・佃島図》館蔵: 柔らかな天童広重と呼ばれる肉筆画。 ・宮川長亀《上野観桜図・隅田川納涼図》館蔵: 右に隅田川、左に上野。 ・山口晃《東京圖 六本木昼図》・《東京圖 広尾‐六本木図》森美術館蔵: 再見。画像はHPに載っている。 再見のものも多かったが、双眼鏡を使って細かく見ているうちに、2時間以上経って16:30になり、追い出されてしまった。そこで後期に再訪することとした。 図録についてはこちらとこちらを参照されたい。書店では¥3,990(税込)のところ、ミュージアムショップでは割引¥3,690(税込)だが、会場内に置いてあるのは、図録のケースだけ。そこで、後日、図書券の使える書店へ行って、この図録を購入した。ISBN 928-4-13-083063-8 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2013-11-05 10:32
| アート一般
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