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金沢文庫駅前の商店街の「地球食堂」でのアジの刺身定食は旨かった。「日曜美術館」を見た後、すぐに出かけたのである。
台風一過の日本晴れを利用して、「鎌倉再建と華厳興隆」というサブタイトルの付いた特別展「東大寺」を見るために、金沢文庫に遠征してきたのである。称名寺の池に映った山や青空や太鼓橋も美しい。 ![]() 帰途は、トンネルを抜け、称名寺境内入口の「ふみくら」でいつものシラス茶漬けを食べて早い夕食とし、帰宅して風呂へ入って熟睡した。 詳細を書くと、長文となること必至なので、今回はサラリとした記事にする。ちなみに東大寺には修学旅行以来何回も訪れており、自宅に残っていた1980年に東博開催の「大仏殿昭和大修理落慶記念・東大寺展」図録で予習していった。 東博では2010年にも「光明皇后1250年御遠忌記念 東大寺展」が開かれていたが、ネットで見ると前回とほとんど同様な展覧会だったのでパスしてしまっている。 これらに対して、今回の東大寺展は奈良の東大寺と鎌倉の関係に絞り込んだハイレベルの展覧会だということが分かったので、金沢文庫まで出かけた次第である。 第一部は「東大寺の鎌倉再建」 これは「東大寺再建にあたっての鎌倉幕府の寄与」という意味らしい。 平重衡の南都焼き討ちからの東大寺再建に関する展覧会が、どうして金沢文庫で開かれているのか? これは、称名寺の保存史料の中から、「弁暁」という僧が残した文書が多数出てきたからである。 この「弁暁」の名前は、快慶作《僧形八幡坐像》の像内銘文にも書かれていた(写真:参考出品)。 もちろん今回の展覧会のメダマは国宝《重源上人坐像》である。 ![]() なるほど、《無着・世親像》に通うものがあると納得した。 重源は東大寺再建の「大勧進」だったのだから、その坐像の作者は運慶以外にはありえないと考えたいところでもある。 美しい《東大寺大仏縁起》では、第6段の「大仏殿炎上」の迫力ある場面が出ていた。大仏とその左隣の増長天の顔も見えている。これは巻替えで、第7段「御衣木輸送」、第8段「大仏殿供養」という場面に変ってしまうので、「大仏殿炎上」の場面を実見したい方はお急ぎあれ! 国宝の《源頼朝書状》は重源宛の返書で、東大寺再建への協力を確約していた。書としても上手い。 ![]() 重文の伎楽面《治道》↓は運慶の父・康慶の作で迫力がある。すたれていた伎楽も東大寺再建を機会に復活したとのこと。 ![]() ![]() ![]() ![]() 第二部は「華厳の世界」 重文《弥勒菩薩坐像》は既述の《四天王》と《地蔵菩薩立像》の間に置かれており、これも背中からも見られるようになっていた。 ![]() 国宝《華厳五十五所絵巻》↓には、文殊菩薩の示唆によって53名の先輩「善知識」の教えを乞うため巡っている「善財童子」の姿が描かれている。この絵巻も巻替えされるので要注意。 ![]() ![]() ![]() ![]() ここには、「華厳宗」のみならず、「律宗」や「法華宗」の文書も多数出ており、その後の東大寺が「八宗兼学」をモットーとする教学の中枢、すなわち宗教大学として機能していたことをうかがわせたが、浅学菲才の身には十分に理解することは不可能だった。 パネルに大きく名前が出ていた東大寺の学問僧は、「宗性」、「凝念」、「湛睿」の3名。 「宗性」の文書としては重文3点、「凝念」の文書としては重文9点を含む12点、「湛睿」の文書は6点が並んでいた。研究者には垂涎のものなのだろうが、残念ながら「とら」には猫に小判。この学僧3名の名前だけを記憶に留めおくこととしたい。ちなみに、↓は凝念の自筆本の部分である。 ![]() 運慶作の重文《大威徳明王》にもここで再会できた。 予想に違わぬ玄人好みでハイレベルの展覧会だった。ボランティア氏の説明も見事だった。たっぷり1時間を要したが、大勢の聴衆が聞き入っていた、 最後の頃に事務員が上がってきて、次のギャラリートークのために切り上げるように頼んでいた。 同じボランティア氏が、休むことなく3時からのギャラリートークを開始しておられる姿を有難く拝見しながら金沢文庫を離れた。神奈川県は人使いが荒い。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2013-10-28 11:01
| 仏像
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