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「新印象派」のスーラ・シニャックに始まり、「ポスト印象派」のゴッホ・ゴーギャンを含み、「幾何学的抽象主義」のモンドリアンに至る流れを、「分割主義」の系譜としてとらえる考え方は、眼から鱗が落ちる感じの斬新なものだった。 Ⅰ.印象派の筆触: モネ・シスレー・ピサロの国内所蔵品が何点か出ていて、この展覧会のプレリュードとなっていた。それぞれ良い作品だった。 印象派においても「筆触分割」と「視覚混合」は、重要なコンセプトだったが、色彩の選択は恣意的になされていたのである。 Ⅱ.スーラとシニャックー分割主義の誕生と展開: ここはほとんどがクレラー=ミュラー美術館の作品。1991年に、オランダのこの美術館に行ったことがあるが(HP記事はこちら)、沢山のゴッホ作品に目を奪われ、スーラの作品としては《シャユ踊り》ぐらいしか覚えていない。 ところが今回の展覧会には、油彩画としてはスーラ3点、シニャック6点、ピサロ2点、クロス2点、リュス4点、ドニ3点がクレラー=ミュラー美術館から来ていて驚いた。 スーラの科学的色彩理論を厳密に適用した繊細な点描画やシニャックの色彩豊かでやや大胆な点描画はいつまでも眺めていたかった。 ちなみに、19世紀当時の光学理論・絵画理論のうち、重要なのは以下の三つである。 ①シュヴルールの「同時対照の法則」1839年刊行: 同時に並置された色彩は、両者が補色の場合にはそれぞれの彩かさがより強く感じられる。スーラは、ルードの著作に引用されていたブランの「色環図」に基ずいて色彩を選択していた。 特にお気に入りの作品をあげる。 Ⅲ.ゴッホと分割主義: クレラー=ミュラー美術館から有名作品が何点も来ていた。ゴッホの色彩分割は粗く不規則な筆致ではあるが、補色関係には心を配って「色環図」を参照していた。 ゴッホファンには垂涎ものなのは、《自画像》↓、《レストランの内部》↓↓、《石膏像のある静物》、《じゃがいものある静物》、《種まく人》(チラシ表↑)、《麦束のある月の出の風景》↓↓↓、《若い女の肖像》↓↓↓↓などの油彩画である。 ゴーギャン、ヴラマンク、ドランの作品は国内美術館の所蔵作品だからオマケ的である。 Ⅳ.ベルギーとオランダの分割主義: この部屋の充実には目を見張った。考えてみれば、エレーネ・クレラー=ミュラーがオランダ人なのだから、クレラー=ミュラー美術館にベルギーやオランダの新印象主義ないし分割主義作品の立派なコレクションがあることは決して不思議ではない。 20人会の中心人物だったレイセルベルヘの油彩画が6点も出ていて楽しめた。↓はその一つの《7月の朝(別名あり)》。 プリッカー、ファイルブリーフ、アールツ、スライデルス、ヘステルなど初めて聞く画家の分割主義作品も出ていた。 その中では、以下のヘステルの作品が印象的だった。《午後の太陽》、《陽光と灯火(ピアノの前の少女)》、《モントフォール近くの風景》、《逆光の中の裸婦》。 エレーネ・クレラー=ミュラーの相談相手だったブレマーも分割主義的作品を描いていた。出ていた2点は《ランタンのある静物》と《石炭入れのある食器洗い場の眺め》↓ クレラー=ミュラー美術館から来ていた《コンポジションNo.Ⅱ》↓、《色彩のコンポジション》、《グリッドのあるコンポジション5: 菱形、色彩のコンポジション》、《赤と黄と青のあるコンポジション》↓↓をじっと見ているうちに「分割主義」の概念が次第に明瞭になってきた。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2013-10-26 00:23
| 国外アート
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