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今回の展覧会は、日本で初めて開かれるカイユボット回顧展なので、昨日、期待して見に行ってきた。 あのシカゴの大画面を見ることは不可能だろうと思っていたのだが、そのエスキースが出展されていたので、驚いてその前でフリーズしてしまった。 カイユボットは、美術史上は印象派の応援団長のような存在としてはつとに有名であるが、没後100年となる1894年に、パリのプティ・パレとシカゴ美術館で開かれた回顧展によって、彼の画家としての評価が高まった。いうなれば再発見されたのである。 会場の中央には、この画の中に描かれた「エラール社のグランドピアノ」1877年製が設置され、《ピアノを弾く男》と同時に観賞することができるようになっていた。 今回の展覧会は、以下の5章だてである。 Ⅰ.自画像自画像としては、若い頃(↓左)、油の乗った頃、齢を重ねた頃(↓右)の3枚が出ていた。 次の「室内、肖像画」のセクションでは、テーマや技法的にアカデミズムの影響が強いものが多かった。 印象に残ったのは、上述の《ピアノを弾く男》の他に、多視点で食卓が描かれている《昼食》(第二回印象派展)↓の逆光で暗い画、黒い服装の《マルシャル・カイユボット夫人の肖像》(第三回印象派展)↓↓、二枚の《室内》などであるが、いずれもアカデミズムの影響が強く、外光派の対極のような画だった。 その次は「近代都市パリの風景」。 ここでは、産業革命や都市改造の影響によってカイユボットの画題は一変し、技法的にも外光を重視した明るい作品に変身している。 次は「イエール、ノルマンディ、プティ・ジュヌベリエ」のセクション。 いずれもパリから少し離れた別荘地で、金持ちのカイユボットは、弟・マルシャルとともにボートなどの趣味に明け暮れていたようである。カイユボットの画や弟の写真も趣味に過ぎなかったのだろう。 しかし、カイユボットはモネやピサロの印象派絵画や後期印象派の作品の影響を受けて、次第にその画は明るくかつ上質なものになっていく。 最後のセクションは「静物画」。↓のアカデミックな感じの画はあまり好きになれないが、菊を描いたジャポニズム的装飾絵画はなかなか良かった。 三か所にタッチパネルが設置されており、①画のディテール、②描かれた場面の地図と現状写真、③関連画家との関係が分かるようになっていたのはヒットだった。 若くして急死したカイユボットの死因は何だったのだろうか。 Caillebotte died suddenly in his garden at Petit Gennevilliers in 1894. Autopsy results said that the cause of death was a pulmonary congestion. Caillebotte was buried in the famous Père Lachaise Cemetery in Paris.解剖の病理所見は「肺鬱血」となっているが、これは心停止の「結果」であって「原因」ではない。心室細動のような不整脈死も想像されるが、この突然死の死因は「不詳」としておくのが正しいのだろう。 予想以上に楽しめる展覧会だった。期日は12月29日まで。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2013-10-14 11:37
| 印象派
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