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マージャン これは新版画コレクターであり木版画研究家でもある土井利一氏の5回目のコレクション展である。
![]() 今回のテーマの一人の川瀬巴水は、渡邉庄三郎が版元となった新版画作家の一人であり、夜景や雪景などを描いた作品は、最近ではとみに有名になってきている。 今年が川瀬の生誕130年ということで、今年から来年にかけて千葉市美術館(2013.11.26-2014.1.19)や大田区立郷土博物館(2013.10.27-2014.3.2)でもその記念展が企画されている。 一方の土屋光逸は、土井貞一が版元となって制作した新版画作家で、川瀬巴水と類似の夜景作品などを制作しているが、現時点では川瀬ほとの注目を集めていない。 土井氏は早くからこの土屋光逸の注目されて、立命館大学のRoss Walker教授とともに、土屋光逸のカタログ・レゾネ↓を作成されているほどである。その成果はこちらのサイトで見ることができる(これは現在は後述のWalker教授のHPに間借りしている状態)。 ![]() 昨日はたまたまWalker教授も来られ、われわれとの会話を楽しむとともに、土井氏のギャラリー・トークにも参加された。↓には、熱弁をふるう土井氏と立って聞いているWalker教授の姿が写っている。 ![]() ![]() 和風の版次のウィンドウには、巴水《東京二十景 ⑨池上池の倉》。三番目のウィンドウからは、光逸の《東京風景》シリーズが始まり、②日比谷の月、③弁慶橋、⑰上野公園、四番目のウィンドウには、⑤浅草観音堂、⑥銀座の雨、⑦隅田川水神森、⑧柳橋、⑩四ッ谷荒木横町、⑪品川沖が並んでいた。 ここでは、ハイカラな《銀座の雨》についてコメントがあり、《隅田川水神森》の校合摺↓、《四ッ谷荒木横町ハガキ飯順序摺》↓↓についての説明もあった。 ![]() ![]() ↓左の「土井」という提灯の画は土井利一氏が最初に買われた再刻摺りのものである。その後、茅ヶ崎市美術館に光逸の娘さんが寄贈された資料から、「土井」ではなく「藤井」を書かれた初期刷りのものがあることを知って、↓右の作品を手に入れられたとのことである。なおここに並べられていた浮世絵絵葉書の時代考証について土井氏とWalker教授の間でディスカッションがあった。 次は巴水の《東京二十景》。最初のウィンドウには、②神田明神境内、③新大橋、④御茶ノ水、⑤浅草観音堂の雪晴、⑤大根河岸の朝、次のウィンドウには⑦上野清水寺とその別摺↓、⑧洗足池、⑩桜田門とその別摺↓↓、⑫矢口、⑪明石町の雨後。 ![]() ![]() ![]() 最後の二つのウィンドウは巴水の《東京二十景》の残り、⑯不忍池の雨、⑬荒川の月(赤羽)、⑭瀧之川、⑯大森海岸、⑲馬込の月、⑳平川門、⑮桔梗門という見慣れた作品が並んでいた。 中央のガラスケースの上には、土井氏の浮世絵コレクションファイルが置いてあり、自由に見ることが出来るようになっていた。↓は光逸の《甲州河口湖》。 ![]() ![]() かなりオタク的な記事になったが、私自身はコレクターではない。その理由をWalker教授に訊かれたが、適当にごまかしておいた。Walker教授はコレクターで、HPで個人収集品の販売もしておられるとのことである。 この展覧会は、巴水や光逸の名品をまじかに鑑賞するだけでなく、版画のコレクターや研究者の執念を感じることができる絶好の機会である。 千葉市美術館や大田区立郷土博物館の巴水展の予習としても最適であり、若手の美術ブロガーはもちろん大歓迎とのことである。 この展覧会は10月25日(金)まで。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2013-10-13 00:08
| 浮世絵
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