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会場には、先生に引率された小学生が沢山来ていた。先生も生徒も涼むにはちょうど良い場所なのだろうが、私には会場は寒すぎて、上着を着ながら震えていた。 以下の記事はリストの章立てに沿って書いたのだが、実際の展示の順序はリストとはすこしずれていた。 展示室1 浮世絵の妖怪 ・歌川国芳《百物語化物屋敷の図 林屋正蔵工夫の怪談》: 100の怪談が終わったあばら屋に化物4匹が出てきて、3人の男が腰を抜かしている↓。再見だが、今回は双眼鏡を持参したので、↓↓のようにそれぞれの表情まで楽しめた。 ・月岡芳年《和漢百物語 白藤源太》: 河童の相撲を観戦している相撲取り。力士の四股名は「白鳳」ならぬ「白藤」。 ・月岡芳年《新形三十六怪撰 おもゐつづら》: 再見。舌切り雀の欲張り婆さんがツヅラを開いた瞬間。 ・歌川広重《名所江戸百景 王子装束ゑの木大晦日の狐火》: お馴染みの浮世絵。今まで何回見たことか。 ・歌川芳員《化物づくし》: 沢山の化物をカードにできるよう一枚にまとめたもの。 展示室2 浮世絵の妖怪 ・喜多川歌麿《化け物の夢(夢にうなされる子どもと母)》: これは今回のお気に入り。布団の中で悪夢にうなされる子どもを起こそうとする母親。上に付けてある吹き出しには、「また晩にうなしてやろう」とか、「晩にはおふくろに怖い夢を見せてやろう」などと捨て台詞が記されている。 ・模型 外道を調伏する安倍晴明: 後で登場する狩野永納《不動利益縁起(泣不動縁起)》が本画はで、ここにはそのパネルが貼ってあった。 展示室4 鬼と妖怪 ○鬼神(荒ぶる神の擬人化) ・重文《北野天神縁起 弘安本 甲巻》鎌倉時代: 左大臣から中傷されて太宰府に左遷され、失意のうちに亡くなった菅原道真の怨霊が、雷神と化し、清涼殿を襲う様子が描かれている。赤い雷神は然るべき持物をチャンと持っている。下にはおそれおののく貴族たち。 ・亀岡規礼《酒呑童子絵巻 》: 再見。色彩がすばらしく美しい。酒呑童子の首が飛んで兜に噛みついているところや、血に染まった刀の描写には目を見張る。 以下、《黒髭》や《大飛出》の面が掲出されていて、丁寧なパネル説明もあったが、流し読みしてしまった。 ○天狗と山姥(異界の魔物) ・重文《是害房絵巻》南北朝時代 ・能面《大癋見》、《牙癋見》、《山姥》が出ていた。 ○怨霊と幽霊(人間の鬼神化、妖怪化) ・《道成寺絵巻物》江戸時代: 道成寺縁起絵巻は安珍・清姫の伝説の絵巻として知られるが、別に主人公の名前を賢学とする絵巻の系統がある。三井寺の僧・賢学は、遠州橋本の長者の娘を刺したが、娘は命を取りとめ、16歳の時に上洛して清水寺に詣で、ある僧(賢学)に懸想し契りを結んだ。賢学は煩悩を断つため姫に別れを告げ、熊野詣をし那智の滝で修行し、日高川に至った。娘は賢学の後を追い、蛇体に変身して日高川を渡り、賢学が隠れた鐘を破って淵に沈む。 ○動物の妖怪(動物の擬人化、妖怪化) ・河鍋暁斎《鬼・蛙戯画》明治時代: 2曲1隻の屏風。右は鬼の書画会の模様、左は鳥獣人物戯画を蛙で描いたもの。 ・《十二類合戦絵巻》江戸時代: 狸と十二支の動物たちの合戦。最後には、負けた狸が西山の麓に隠棲。勝負の世界は厳しい。 ・舞楽面《崑崙八仙》、狂言面《狐》、能面《小飛出》、《猩々》、《獅子口》が出ていた。 ○器物の妖怪(器物の擬人化、妖怪化) ・川辺御楯明《土蜘蛛草紙絵巻(模本)》 ・狩野永納《不動利益縁起(泣不動縁起)》: 病の師匠の身代わりとなった弟子を助け、そのご利益の証として仏画の姿に涙の跡があったという「泣不動」の説話を描いた絵巻物。 陰陽師・安倍晴明が、後ろに式神を従え、供物と御幣が並ぶ祭壇に向かって、祭文を読みながら、前に居並ぶ外道の疫病神や付喪神を調伏しようとしている場面が見られた。展示室3 妖怪フィギュアの《模型 外道を調伏する安倍晴明》のオリジナル。 ・《付喪神絵詞》江戸時代: 付喪神とは、「器物百年を経て化して精霊を得てより、人の心を誑かすもの」。角盥、杵など、何でも付喪神になる。 この絵巻のストーリーは、歳末の煤払いで捨てられた器物が「長年仕えてきたのに」と怒って妖怪化し、悪事にふけるが、最後には調伏され、剃髪して仏門に入り、成仏するというもの。 ・大鼓胴、小鼓胴、 能管、 琵琶、雛道具: 付喪神の候補として展示されていた。 ○百鬼夜行 ・伝土佐吉光《百鬼ノ図(百鬼夜行絵巻)》: 百鬼夜行のストーリーは平安時代の今昔物語かららしい。ここには、天狗、蛙、かたつむり、蜻蛉、角盥などが描かれており、最後は、龍が雲の中に消えていく。 ・狩野元仙方信《百鬼夜行絵巻》 展示室5 近世・近代の妖怪 ○博物学的視点と娯楽的視点 ・狩野晴川院養信《百鬼夜行図》 ・《化物尽絵巻》江戸時代: 博物誌的なもの。23種類の妖怪キャラクターが紹介されている。 ・龍亭遊梢《百鬼絵巻》 ・鈴木鄰松《狂画苑 下巻》 ・鳥山石燕《画図 百鬼夜行(風・陰)): 版本として出版された初めての妖怪全集。 ・鳥山石燕《百鬼拾遺(百鬼夜行拾遺)》 ・鳥山石燕《百器徒然袋(画図百器徒然袋)》 ・桃山人文・竹原春泉斎画 《桃山人夜話(絵本百物語)》 ・青洋・虎岳《狂歌百鬼夜興》 ・河鍋暁斎《暁斎百鬼画談》 ・秀斎《後鳥羽法皇の夢中にあらわれる妖怪の図》 ・歌川芳員《百種怪談妖物双六》 ・古賀侗庵編《水虎考略》 ・《稲亭物怪図記》江戸時代: 備後三次の武士稲生武太夫が16歳の時に実際に遭遇した物怪を、絵日記のように記録した実録。 ・《稲生物怪録 上・中・下巻》江戸時代: 上記と同じ時の怪異譚50件。色彩鮮やかで、地方の日常武家生活が細部にわたって描かれた優品である。 妖怪研究者・平田篤胤、井上円了、柳田国男、江馬務の事績のパネル展示。肖像画や写真も出ていた。 展示室7 現代の妖怪画 ○ゲゲゲの原画、水木しげるの世界: 妖怪原画集「妖鬼化(ムジャラ)」全12巻から、日本の妖怪と鬼太郎の原画25枚が展示されていた。 知らなかった名前の妖怪を大分勉強したので、メモを残しておく。 展示されていたものは、①浮世絵や版本に出てくる妖怪、②民話の妖怪、③ゲゲゲの鬼太郎の妖怪に分類される。 【浮世絵や版本に出てくる妖怪】 ・《がしゃどくろ》: 目玉がある巨大骸骨が、野原を逃げる少女を襲う作品。空には星が煌めいている。歌川国芳《相馬の古内裏》↓右を援用。 ・《倩兮女(けらけらおんな)》: 鳥山石燕の「今昔百鬼拾遺」に登場する唇に口紅をべっとり塗り、塀越しに踊るような仕草で笑う着物姿の巨大な中年女の妖怪。 ・《あかなめ》: 垢嘗(あかなめ)は、風呂桶や風呂にたまった垢を嘗め喰うとされる妖怪。鳥山石燕の「画図百鬼夜行」などに登場する妖怪。 ・《ぬらりひょん》: 勝手に家に入り込み、家の人間のようにふるまう妖怪。鳥山石燕の《画図 百鬼夜行》に登場。 ・《網切(あみきり)》: 鳥山石燕の「画図百鬼夜行」に登場する妖怪。 【民話の妖怪】 ・《琵琶牧々(びわぼくぼく)》: 鳥山石燕の「百器徒然袋」に登場する琵琶の妖怪。付喪神の一種。体形は人間のようだが、頭部は琵琶であり、盲目の琵琶法師のように目を閉じて杖をついている。 ・《小豆洗い》: 川で小豆を洗う音をたてるといわれる妖怪。 ・《二口女(ふたくちおんな)》: 後頭部にもう一つの口を持つという女性の妖怪。髪を触手のように使い、後頭部の口から食べ物を摂取する。日本の民話に度々登場する。 ・《飛頭蛮(ろくろくび)》: 中国の妖怪。通常は人間の姿と変わりないが、夜になると頭部だけが胴から離れて空中を飛び回るものとされる。 ・《お歯黒べったり》: 目も鼻も無い顔に、お歯黒を付けた大きな口だけがある女の妖怪。 ・《川太郎(かわたろう)》: 河童のこと。 ・《一本ダタラ》: 一本踏鞴(いっぽんだたら)とは、妖怪の一種で、熊野の山中などに棲む、一つ目で一本足の姿の妖怪。 ・《座敷童子(ざしきわらし)》: 主に岩手県に伝えられる精霊的な存在。一般的には、赤面垂髪の5、6歳くらいの小童。座敷または蔵に住む神で、家人に悪戯を働く、見た者には幸運が訪れる、家に富をもたらすなどの伝承がある。 【ゲゲゲの鬼太郎の妖怪】 ・《塗壁(ぬりかべ)》: 「ゲゲゲの鬼太郎」のキャラクター。 ・《児啼爺(こなきじじい)》: 同上。 ・《砂かけ婆(すなかけばばあ)》: 同上。 ・《花子さん》: 社会問題にまで発展した「都市伝説」に登場するキャラクター。 ・《口裂け女》: 同上。 ・《妖怪たちのお祭り》 ・《ゲゲゲの鬼太郎百鬼夜行図》: 「児啼爺」、「一反木綿」、「砂かけ婆」、「鬼太郎」たちが行列している。「塗壁」の後ろには《百鬼夜行絵巻》の妖怪たちの姿も見える。 ・《鳥取境港でくつろぐ鬼太郎ファミリー》 ・《鬼太郎と妖怪の森》 ・《鬼太郎の行水》 ・《鬼太郎のお化け学校〝お化け宇宙戦争〟》: 夜の都会の上空を、「一反木綿」に乗って飛び回る近未来的な鬼太郎。 ホールに妖怪展のチラシが沢山置いてあった↓。日本の妖怪たちは元気である。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2013-07-19 15:28
| 国内アート
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