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山口晃画伯の名前を知って、その絵を見だしてから相当な時間が経過している。2006年のミズマアートギャラリーでの「ラグランジュポイント展」で家内ともども直接にお目にかかったこともあったし、2007年に上野の森美術館で開かれた「アートで候、会田誠 山口晃展」はもとより、講演会にも何度かお邪魔している。 ところが、最近の氏の活躍ぶりは、大山崎山荘や銀座での個展、新聞小説の挿絵担当、美術史や作品集の出版、頻回のTV出演など、まさに目をみはるばかりであり、自分の守備範囲を超えてきてきつつある。 これらのすべてをフォローしている山口フリークの方々も少なくないとは思うが、私にとっては今回はしばらくぶりの山口晃展となっているので、いささかのブランクを埋めるつもりで真面目に作品たちと対峙してきた。 展覧会場には、最初に「大画面細密圖」が並んでいた。 このことは画伯自身も気にしておられたようで、「会場に椅子を沢山用意しました」といった貼紙があったが、一歩進んで、絵解きの有料イヤフォーンガイドを貸し出すとか、ポイントの部分の拡大パネルを設置するなどの考えもあるのではなかろうか。 《厩図2004》↓は再見だが、馬Xバイクの「超時代キメラ」5頭が並んでいるところは何度見ても面白い。絵の技術も卓抜だが、なにせユーモアが絶妙である。そして、単純明快なのが何よりも良い。 《五武人圖》という作品の髑髏面にも見入った。以前に見た《四天王圖》の流れの作品だが、まったく色彩のない白描的な絵なので、ちょっとした説明があればvisitor friendlyだなと思った。 《茶室メカニカル》と題する素描には、細い点まで鉛筆で詳しく描きこまれていて感心した。茶道を教えている家内に見せたい玄人好みの作品だった。 《80代の親鸞》は水彩であるが、一見油彩と見える堂々たる出来栄えである。今回も出ていた《源頼朝像》の2点に勝るとも劣らない。本当に、この方は絵の上手い方である。世が世ならば、画家の最高位である「法印」まで登りつめて、裕福な生活を送られたに違いない。 後の部屋にも「細密圖」が展示されていたが、いくつかのデパートの絵はすべて再見であり、ちょっとマンネリ化した展示のように感じられた。 《胎内めぐり圖》も再見であるが、もう一度enjoyした。清水寺の胎内めぐりという奇抜な発想の作品だからである。 「随求堂」付近の「入口」から、幾重にも曲がった廊下伝いに、周囲の臓器を拝観しながら見物客が下りて行く。 スカツリーから新宿までの広域画で、そこここに場所の名前が入っていたので分かりやすかった。「大画面細密圖」の鑑賞を助ける有効な手段となることは間違いない。名所絵の中に短冊を描いて、そこに名前を入れるという手法は古くからあるが、ここでもその方法は生きていた。 途中、「付(つけた)り」の部屋に、「澱(おり)エンナーレ2013」の展示があり、氏のアイデアがそこここに詰め込まれていた。 2007年の同企画と比べると、今回は動画が多かった。やや不消化の感じを持ったのは、当方のreceptor が老化し始めているからかもしれない。人生何事もマラソンレースである。先行する若いランナーの背中が見える距離でついていかねばならない。このことは、現代美術の鑑賞にもあてはまることなのだろう。 4シリーズの挿絵原画が展示されていた。世が世ならば、宮廷画家として幅をきかせるはずの実力画家も、身すぎ世すぎのために挿絵などを描かざるをえない今日この頃である。 そういえば、東京ステーションギャラリーで開催中の木村荘八展には、画伯が描いた永井荷風の「濹東綺譚」の挿絵がいくつも出ていた。その際には、近所の図書館で挿絵入りの「濹東綺譚」を借りてきて、ブログに挿絵解説の記事(こちら)を載せた。 それはともかく、今回展示されていた挿絵が載っている本は、①澁澤龍彦著「菊燈台」、②五木寛之著「親鸞」、③ドナルド・キーン著「私と20世紀のクロニクル」↓、④五木寛之著「親鸞激動編」の4冊である。 そこで、本日、仕事帰りに、新宿の紀伊国屋に寄って、ドナルド・キーン著「私と20世紀のクロニクル」↓を買ってきた。 その他の挿絵本5点↓の中では、「良い子は読んではいけない」とされている一番左の本はパスし、「親鸞」と「親鸞激動編」の特装版はそのうちに入手したいと思っている。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2013-05-07 23:18
| 現代アート(国内)
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