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1Fといってもちょっとした階段を下りるので半地下と云ったほうが正確だろう。階段の途中で、いつものような忍者姿の山下教授とすれ違った。連休でも、美術評論家は忙しい。 入場無料の展覧会だから、高島屋の宣伝臭の強い展示だろうと思ったが、「たかしまや4展覧会をめぐるスタンプラリー」を始めているので、美術ブロガーとしてもサボっていられない。 その上、帰ってきてすぐに当日の感想をブログにアップするのだから、美術ブロガーとてそれほど楽なものでもない。 閑話休題。展覧会は「高島屋史料館」という看板の揮毫から始まる。これは平櫛田中が書いたもの。そういえば東京芸大の田中記念室の看板の文字も本人が書いていた(参照)。 角を曲がると大きな水墨画《波に千鳥(下絵)》が出てきた。これは竹内栖鳳が監督して、谷口香嶠が実際の制作を行ったものであるが、これに基づいて1900年のパリ万博に出展されたビロード友禅が制作されたのである。上空には半月、下には群れ飛ぶ千鳥が描かれている。その構図は、先月京博でみた狩野山雪の《雪汀水禽図屏風》左隻ときわめて類似している。 次の作者不明の刺子図《孔雀図(下絵)》の隣りには、これを基に制作された《壁掛け》1900年(三の丸尚蔵館)が等大のスライド映像としてスクリーンに提示されていた。この壁掛けは上品な色彩でとても良かったが、できれば実物を拝見したかった。 角を曲がると、富岡鉄斎の《贈君百扇》↓が出てきた。実際に扇を開いて観られるようになっているのは12扇だけであるが、傍にこれを収納する箱が展示されており、迫力満点だった。 また角を曲がると、豪快な大観の《蓬莱山》が現れた(↑↑↑チラシ表)。250号ということだが、部屋の天井が低いので、軸の上下は巻いたままだった。これは院展が大阪で開かれた時に会場を提供した高島屋に対して、大観が後日寄贈したものだとのこと。 さらに、山元春挙の横長の《富岳図》↓が出てきた。これは呉竹庵の調度品だったという。山元春挙は、昨日、世田谷美術館で見た《雪月花》では、《ロッキーの雪》を担当していた。 反対側の壁にもたくさんの画が掛かっていた。メモしたのは、平山郁夫の派手な《ペルスポリス炎上》と向井潤吉の穏やかな《民家》。向井は高島屋に勤務していたことがあったという。 高島屋では、1952年に、シンボルフラワーに「薔薇の花」制定して以来、販促のため、これを多数の有名画家に描かせたという。その数は120点もあるとのことだが、今回出ていたのは、小磯良平、郷倉和子、橋本明治、奥村元宋、堂本印象、梅原龍三郎、伊藤清永、そして絹谷幸二↓である。 最後は、大名家の能衣装コレクション↓。 とても良い展覧会だった。出口で大阪にある「高島屋史料館」の案内資料をいただき、ラリー用紙に2番目のスタンプを押して、会場を出た。 この展覧会は非常にまとまっており、ひょっとすると世田谷美術館の高島屋展を上回るレベルの展覧会だったといえるかもしれない。 無料の展覧会が有料の展覧会に勝るとは何とも皮肉な結果だが、これが展示品に対する愛情の差によるものだったとすれば、世田谷美術館を抱える世田谷区民としては少し残念である。 美術散歩 管理人 とら 【註】 高島屋ARTウォーキング ・第1会場(世田谷美術館): 暮らしと美術と高島屋 2013.5.2 ・第2会場(二子玉川高島屋): 高島屋資料館が語る日本美術の輝き 2013.5.3 ・第3会場(日本橋高島屋): 龍村平蔵『時』を織る。 2013.5.4 ・第4会場(横浜高島屋): 京都画壇と神坂雪佳 2013.5.6
by cardiacsurgery
| 2013-05-03 17:20
| 国内アート
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