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![]() エディプスコンプレックス という言葉があるが、理由はともかく、男の子は父親に対抗心を持つことが多い。私の祖父は巨人ファン、父は阪神ファンであり、私がはじめ巨人ファンだったのは、このようなコンプレックスの連鎖の結果だったのかもしれない。 ![]() 東京の「とら」が、西宮の「とら・虎・トラ」展の初日を見られたのは、仕事で神戸滞在中という幸運に恵まれたためである。 受付の前に記念写真コーナーがあったので、とりあえずアリバイ写真を撮ってもらった。 ![]() そういえば、「♪ 花も嵐も踏み越えて行くが男の生きる道 ♪」という霧島昇の唄・旅の夜風や「男はつらいよ 花も嵐も寅次郎」という山田洋二監督の映画もありましたね。 ロビーから見える雨に打たれる庭↓は風情満点。 ![]() ![]() BGMで、「栄冠は君に輝く」や「六甲おろし」が流れれば最高だったのだが、美術館にこれを要求するのは無理というものかもしれない。 第2展示室は、「近世の虎」。 部屋に入ると、いきなり正面に長沢蘆雪の虎図襖と龍図襖がドーンと並んでいて、圧倒される。無量寺では向かい合っている襖絵がこのように並置されるとすごい迫力である。 ↓の画像は、クリックで拡大するが、それをさらにクリックすると画面の幅一杯に拡大します。 ![]() ・久隈守景《四睡図》: 豊干とその虎、寒山拾得の全員がぐっすりと寝ているお決まりの画題だが、虎の寝姿が可愛い。 ![]() ・円山応挙《水飲虎図》: 新発見の画。神戸新聞↓↓にそのいきさつが載っていた。肩の辺りの盛り上がり方が上手く描けている↓。 ![]() ![]() ![]() ![]() 後期には、英一蝶の《豊干寒山拾得図》、白隠の《四睡図》、与謝蕪村や伊藤若冲の《虎図》、谷文晁の《龍虎図屏風》も出てくるようだが、図録で見るしかないのは残念至極。第一展示室の展示物を少し減らしてでも同時に展示してほしかった。遠くから観に来る者の身にもなってもらいたいものである。 第3展示室は、「長崎派の虎」。個性あふれる虎の画が18点も並んでいた。家内はこの中の宋紫石の《虎図》↓の虎がしょんぼりしていて可哀そうだといって、前述の人気投票にはこれを選んでいた。 ![]() ![]() 最近、府中市美術館でみた「かわいい江戸絵画」には円山応挙が描いた虎の皮の画が出ていた。応挙は自分自身見たことのない虎を描いていたのである。また、岸駒は虎の頭蓋骨や脚の骨(後者は、大江戸動物図鑑 @仙台博物館で実見)を入手しており、虎の頭蓋骨に虎の毛皮を被せて、虎の画を制作していたようである。 しかし岸竹堂は、1882年に京都でも興行を行ったイタリアのチャリネ曲馬団の虎を実見する機会を得ていた。その年以来、彼の虎の画は劇的に変わったのである。今回出ていた1870年頃に制作した《松渓虎之図》と1891年制作の《虎図》を並べて↓にアップする。その差は歴然としている。 ![]() 知る人ぞ知る虎のスペシャリスト大橋翠石の《蹲地待機之図》(↓)が出ていた。これは岩絵の具で描かれてはいるが、西洋画に近い濃密な背景表現を有する独自の「須磨様式」の日本画である。 ![]() 松本松年の衝立《猛虎図》↓左 は威風堂々、都路華香の《嘯虎図》↓右 の毛描きは絶妙。 ![]() いずれにせよ、遠くまで見に来た甲斐のある佳い展覧会だった。 美術散歩 管理人 とら 【追記】 「とら・虎・トラ総選挙」の第1回中間結果発表はこちら
by cardiacsurgery
| 2013-04-09 23:33
| 江戸絵画(浮世絵以外)
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