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これは「明治神宮美術散歩」の第3弾ともいうべき記事である。ちなみに、第1弾「明治神宮・聖徳記念絵画館」の記事はこちら、第2弾「明治神宮文化館」の記事はこちらである。
今朝は日曜美術館に続いて、WEB展覧会座談会「2013展覧会を語る」にオンラインで参加した。旧知のアートブロガーの「Takさん」や「はろるどさん」らの司会で、昨年・今年の展覧会が話題だったが、あらかじめ準備してあった集計資料はもとより、リアルタイムのアンケート集計やチャットはとても面白かった。↓はその時のPC画面。 【追記】 翌朝(2013.1.14)の新聞の「首相動静」欄では、8:30 NHK千代田放送会館、9:01 報道番組出演、9:51 富ヶ谷の自宅、11:09 代々木神園町の明治神宮参拝、11:47 報道各社インタビューとなっていた。 私は「明治天皇紀 附図」81葉が明治神宮宝物殿ですべて見られるということで出かけたのである。2日前に行った明治神宮文化館との共通のチケットで、土・日・祭日だけここに入館できることもその理由だった。 観客は結構多かった。「節電」ということで、館内は暖かくない。 ・跡見泰《華族女学校行啓》#43: 立派な額縁。構図は壁画とほぼ同じ。 ・荒井寛方《富岡製糸場行啓》#28: 額縁は金色だがそれほど豪華なではない。構図は壁画とほぼ同じ。 ・広島晃甫《各国公使召見》#11: これも額縁は金色だがそれほど豪華なではない。構図は壁画とほぼ同じ。 続いては期待の「明治天皇紀 附図」 昭和8年、明治天皇の事蹟を網羅した「明治天皇紀」と「絵画一帙」が昭和天皇に奉呈された。 その後、前者は「明治天皇紀」全12冊として刊行されていたが、後者は明治天皇百年祭にあたり、昨年「明治天皇紀 附図」として刊行された。 しかし、なにせ本体価格80,000円という高価なものである。 この「明治天皇紀 附図」全81葉を描いたのは、既に壁画の考証図を描いていた二世五姓田芳柳。この附図すなわち「絵画一帙」を完成させたのは昭和8年だから、壁画完成の昭和11年よりも早い。 絵自体はそれほど大きくない水彩画だが、非常に緻密に描かれている。 数日前に見たばかりでまだ覚えている壁画の構図と頭の中で比較しながら、附図を見て行った。 以下に、附図が壁画と「異なる構図」のものを挙げた。その他に、壁画とは見る方角が異なるものが少なくなかったが、これらはこの「異なる構図」群には含めなかった。 #2.御深曾木: 壁画に比べ、より遠くから描かれている。 #13.江戸開城談判: 障子の陰から薩摩藩士が覗いている。 #40.初雁ノ御歌: 壁画が美人画なのにこちらは建物の絵。 #41.グラント将軍ト御対話: 壁画に比べ、遠景から描かれた浜離宮の中の人物像が小さい。 #55.教育勅語下賜: 壁画は山県首相と芳川文相が表御座所の南廊下を退出する場面であるが、附図は内廷の室内で風邪気味の天皇が寝床の上で坐り、首相、文相他1名が床で頭を下げている。 #56.帝国議会開院式臨御: 附図には壁画に描きこまれている衆議院議長が省かれている。 #63.台湾征討化附近戦: 壁画では台北城に部隊が入城する《台湾鎮定》であるが、附図では遠景に煙が上がる戦争画である。 #65.振天府: 附図↓は振天府の単純な外景で、戦利品を振天府に搬入する風景や奉納された陳列品を描いた象徴画ともいえる下図や壁画↓↓とは全く別の画である。 川村清雄が「壁画」↑↑の構想を確定したのは大正14年と判明しているが、川村は「考証図」↑では不満足だったのだろう。他方、二世五姓田芳柳が昭和8年に提出した「附図」↑↑↑について川村清雄はどのように思ったのだろうか。あるいは知らなかったのだろうか(川村は昭和9年に死亡)。 また、この画の奉納者である徳川宗家16代当主・明治神宮奉賛会会長の徳川家達(文久3年- 昭和15年)は、本件に関わっていたのであろうか。 #69.日露戦役旅順開城水師営会見(壁画は屋内図の附図は屋内図。 #71.日露役日本海海戦: 壁画では戦艦・三笠上の東郷参謀長たちの姿は小さいが、附図では艦上の人物が大きく描かれている。 #75.樺太国境画定: 壁画は標石の位置を確認する軍人が描かれているが、附図の標石はすでに柵で囲まれている。 #77.日韓合邦: 壁画は南大門外の平和な絵であるが、附図には室内で会議を行っている3人の人物が描かれている。 #80.大葬伏見桃山: 葬列の様子が両者まったく異なる。 #81.伏見桃山陵: これは壁画にはない絵。 宝物殿には、馬堀法眼喜孝「歴代天皇御肖像」124面(神武天皇~昭和天皇)がズラリと並んでいて壮観だった。子供のころには、「神武・綏靖・安寧・懿徳/ 孝昭・孝安・孝霊・孝元/ 開化・崇神・垂仁・景行/ 成務・仲哀・応神・仁徳/ ・・・」と暗記していたが、それも今は昔の物語。 描かれた肖像は、第十代までは非常に似た容貌であり、第二十八代までは生没年の記載がなかった。 また歴代の肖像画を通覧して、女性天皇が8名・10代と多数おられたことに今さらのように気付いた。 〇第33代・推古天皇立派な英国製の「六頭曳儀装車」↓が出ていた。これは明治22年2月11日の憲法発布記念日の観兵式に使われたもので、壁画↓↓や附図にも描かれていたものである。 同じ御三家でも水戸徳川家は従三位の「中納言」。中納言の唐名は「黄門侍郎」略して「黄門」だから、水戸藩主・権中納言である徳川光圀は「水戸黄門」と呼ばれており、仮に殿中で抜刀すれば、従五位上の浅野内匠頭と同じ運命を辿ることになる。 ところで、今日飲んだ大納言汁粉は北海道産の小豆を使っていた。最近では、煮ても腹割れのしない大粒の小豆をすべて大納言小豆と呼んでいるらしい。 とても佳い美術三昧の日曜日だった。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2013-01-13 21:36
| 国内アート
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