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![]() 以前に手に入れていた英文図録「Chikanobu Modernity and Nostalgia in Japanese Prints」を予習して出かけた。しかしこの英文書の解説には今回の展覧会の説明と食い違っているところが少なくなかった。そこで、今回の展覧会のメモを基にして、楊州周延「東錦昼夜競」のDBを作ってみることにした。 ブログとしては、全50点のうちのNo.1-25を今回の「その1」、No.26-50を次回の「その2」とする2分割記事とする。 それぞれの絵は、題名・詞書・上図・本図からなっており、本図と上図は昼夜いずれかの情景とされている。詞書は本図の説明だけなので、上図の解釈には知識が必要。ちょっとした「クイズ」となっている。 No.1-5のアイコン画像は↓。 ![]() 【本図:昼】高殿に上った仁徳天皇は、人家のかまどから炊煙が立ち上っていないことに気づいて租税を免除。その3年後の歌「高き屋に 登りて見れば 煙立つ 民のかまどは 賑ひにけり」が詞書に書かれている。 【上図:夜】豊かに暮らす農民の屋内。米俵が積まれている。 2. 藤原朝臣成通 【本図:昼】藤原成通が、大樹の下で厳しい蹴鞠の練習をしているところ。鞠が上図にまで達している。 【上図:夜】練習千日目に、成通は鞠を神社に奉納。その夜、成通の許に顔は人、身体は猿の子供のような者が三人現れた。彼らが鞠の精で中央の猿人は鞠を抱えている。厳しい練習と鞠の精の加護で成通の鞠技は神域に達した。 3.小野小町 【本図:昼】雨乞い小町。遠くに雨の前兆の黒雲と稲妻が書き込まれている。 【上図:夜】卒塔婆小町。老いたる小町が月行く雁の群れを眺めている。 4.玉藻前(以前の記事) 【本図:夜】陰陽師・安倍康親によって正体を見破られた鳥羽上皇お気に入りの女官・玉藻前は、光を放って宮中から逃走。 【上図:昼】白面金毛九尾の狐の姿に戻った玉藻前は、那須野で射殺された。 5.小刑部姫 【本図:夜】姫路城に奉公していた宮本武蔵が、天守に住む妖怪を追い払った。刑部明神が姫の姿で現れ、武蔵に妖怪退治の礼として銘刀・郷義弘を授けた。 【上図:昼】巌流島での武蔵・小次郎の戦い。 No.6-10↓ ![]() 【本図:夜】障子には旅人を石で殺す鬼婆が機織りをしているシルエットとして写っている。その娘は旅の稚児(浅草観世音の化身)の身代りになろうとしている。 【上図:昼】観音菩薩の祠に参詣する村人たち。 7.祇王祇女 【本図:夜】清盛に追い出され剃髪して嵯峨に引きこもる白拍子・祇王とその妹・祇女。祇王が、泣きながら障子に書き残した一首は、「萌え出づるも 枯るるも同じ 野辺の草 (いづれか秋に あはで果つべき)」。あたりは暗い。 【上図:昼】清盛の次の愛妾である白拍子・仏御前が清盛に酌をしている。 8. 室の津遊女 【本図:昼】淡路島の室の津の遊女が小舟に乗って音曲で通りかかる船の客の注意を惹いている。キャプションでは、清盛がこの唄を褒めたとなっていた。 【上図:夜】源義平は平治の乱後、難波経房の郎党に生け捕られ、六条河原で難波経房で斬首されたが、その際、義平は経房に「雷になってお前を蹴り殺す」と告げた。8年後、難波経房が清盛のお伴をして摂津国布引の滝を見物に行った際、にわかに雷雨となり、雷に打たれて死んだ。 9. 八幡太郎義家 【本図:夜】盗賊たちは、室内に留まっている弓の達人・義家の声を聞いただけで逃げ出した。屋外で弓を射ているのは、安倍貞任。犬も吼えて応戦している。 【上図:昼】勿来の関で義家が詠んだ歌「吹く風を なこその関と 思へども 道もせに散る 山桜かな」の情景。 10.勾当の内侍 【本図:夜】吉野の南朝宮廷の琴の名手の美しい女官・勾当の内侍を覗いている新田義貞。満月の下、散りくる紅葉が美しい。太平記には、九州へ落ちた尊氏を追討せよとの命を受けた義貞が、勾当内侍との別れを惜しみ時機を逸したとのエピソードが記されている。 【上図:昼】藤島城で矢に当たって戦死する新田義貞。 No.11-15↓。 ![]() 【本図:昼】足柄山で猿と言葉を交わし、山姥に育てられた金太郎すなわち坂田金時。その後坂田金時は源頼光に仕え、その四天王の一人となる。 【上図:夜】頼光は障子に映る土蜘蛛の妖怪を退治。捕まえている一つ目小僧は憎めない。 12.大江山四天王(参考) 【本図:昼】大江山に向かう四天王一行が、川で血の付いた衣服を洗っている女たちを見つけた。 【上図:夜】酔った酒呑童子に斬りかかる四天王。 13.満仲龍女夢 【本図:夜】満仲の夢に現れた龍王の娘は悪いことはしないから退治しないでくれと頼む。 【上図:昼】50歳を過ぎた満仲は、源姓を賜った24歳の自分の像を自ら造り、ご神体として多田院に奉納。 14.鵜葺草葺不合尊(ひこほほでみのみこと) 【本図:夜】竜王の娘・豊玉姫は彦火火出見尊すなわち「山幸彦」との間に鵜葺草葺不合尊(うがやふきあえずのみこと)を産んだ。龍の姿に戻った豊玉姫は、赤子を抱いている。あたりは暗い。豊玉姫は彦火火出見尊に覗かれたことを恥ずかしく思って、赤子を置いて海に帰ってしまった。 【上図:昼】彦火火出見尊は、兄・火闌降命(ほのすそりのみこと)すなわち「海幸彦」と自分の弓矢と交換して得た釣り針を魚に取られてしまった。ここでは、「山幸彦」が釣り針を持って鰐に乗って帰ってきたところが描かれている。 15.白菊姫 【本図:夜】小夜の中山の盗賊を討伐するために、京都から上杉憲藤が、菊川の里へやって来た。長者の家に滞在し、娘の白菊姫と恋仲になった。盗賊を討ち取った憲藤は、観音菩薩像を形見として白菊姫に与えて、京都に帰った。その後、継母に簀巻きにされて桜が淵に投げ込まれた白菊姫は、観音像の入った袋を口にくわえて浮き上がってきた。辺りは暗くなっており、袋は光を放っている。 【上図:昼】白菊姫は京都で憲藤と再会して結婚し、幸せに暮らした。 No.16-20↓。 ![]() 【本図:昼】岡崎のお愛の方は、水泳中に寄ってきた男を突き飛ばして沈めたという。これを聞いた家康はお愛の方を自分の腰元に取り立てた。 【上図:夜】夜分に襲ってきた男を組み敷いている。 17.明智光秀 【本図:夜】本能寺の変の図。攻め込む明智光秀勢。薙刀を振り回しているのは信長の侍女・お能の方。これは信長の正室・能姫とは別人物のようだ。信長の姿は幔幕の奥に見える。 【上図:昼】信長の命を受けて鉄扇で光秀の額を叩く森蘭丸。光秀の桔梗紋が目立つ。反乱を決意した時の句「時は今 雨が下(した)しる 五月哉」が書きこまれている。「時」=明智本家「土岐」氏。「雨」=天(あめ)。すなわち「土岐氏が今こそ天下を取る五月なり」の意。 18.伏見地震 【本図:夜】蟄居中の加藤清正が、伏見地震の救護のため伏見城に駆けつけたところ。清正は北の政所に声を掛けている。五七桐紋のある幔幕の間から秀吉が覗いている。 【上図:昼】少年時代の清正らの戦争ごっこ。 19. 大久保彦左ヱ門 【本図:夜】家康下賜の松を貶めた隣家の女を狙撃する彦左衛門。月見も命がけ。 【上図:昼】登城の際の駕籠禁止令を諌めるために、盥に載って登城する彦左衛門。 20.更級姫 【本図:昼】更級姫は村上義清の娘で相木森之助の嫁の勇婦。相木に恨みをいだく巻島大九郎の手のものに襲われたが、一人を押さえ、もう一人を投げ飛ばした。 【上図:夜】更級姫と相木森之助の子が後年の尼子家の忠臣・山中鹿之助だという。この図は、鹿之助が尼子氏再興にあたり「願わくは我に七難八苦を与えたまえ」と三日月に祈る鹿之助の姿。 No.21-25↓。 ![]() 【本図:昼】歌人の誉れ高い和泉式部が北野天満宮で時鳥が描かれた額を見て、「鳴け聞こう 聞きに北野のほととぎす いま一声の聞かまほしさに」と詠むと絵の中の鳥が一声囀ったと場面。連れは娘の小式部。 【上図:夜】恋多き和泉式部のもとに通う男性。氏名は特定不能。 22.佐藤忠信 【本図:夜】京都・四条通りの小車は義経の臣・佐藤忠信とねんごろになっていたが、秘かに鎌倉に内通していた。佐藤忠信は碁盤に寄り掛かってうたたねしているところを小車が確認しているところが描かれている。忠信は多勢の鎌倉勢に襲われて自死した。 【上図:昼】吉野山で義経の身代りとなって僧兵と戦う佐藤忠信。僧兵は忠信をここに描かれている五重塔に追い込むが忠信はこの塔を蹴破って逃れた。 23.在原業平 【本図:夜】高子姫とともに武蔵野に逃げる在原業平。夕暮れになり、追手の者たちに周りの萱に火を付けられそうになって進退窮まった。そこで詠じた一首「武蔵野は 今日はな焼そ 若草のつまもこもれり われもこもれり」。もちろん二人は捕われた。 【上図:昼】富士を仰ぎ見る在原業平主従。 24.秀忠公 【本図:夜】家康がまじめすぎる秀忠の教育のため、阿茶の局に頼んで、真夜中に、飾り立てた美人の侍女・お花に菓子を秀忠の許に届けさせた。実直な秀忠は、正装でこれを迎え、菓子だけ受け取って、お花を帰してしまった。枝折戸の外では、阿茶の局が成り行きを見つめている。 【上図:昼】駿河湾の地引網漁。 25.伊達御殿 【本図:夜】立っているのは伊達家の幼君・亀千代を守る乳母の浅岡。原田甲斐が送り込んだ暗殺者は、忠臣・松前鉄之助に捕えられた。 【上図:昼】伊達騒動解決のため酒井忠清邸で評定を受けていた忠臣・伊達安芸宗重は、同じく召喚され、不利な立場に立たされた原田甲斐に突然斬りつけられた。不意をつかれた宗重は負傷しながらも刀を抜いて応戦するが、深手を負ってその場で絶命した。 美術散歩 管理人 とら 【追記1】 この記事の続編すなわち「その2」はこちらです。 【追記2】 楊州周延「東錦昼夜競」と月岡芳年「月百姿」の比較を、本報の「その3」(こちら)としてアップした。
by cardiacsurgery
| 2012-12-07 23:11
| 浮世絵
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