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齋田記念館を再訪した。前回(5月)の訪問記事はこちらだが、もう半年たってしまっている。
![]() それによると、この企画展のタイトルは、「秋荘案詩(しゅうそうあんし)」で、副題は「初公開!齋田コレクションの絵画partⅣ 付:谷文晁模写『佐竹本三十六歌仙絵巻』下巻」。内容は 「堅山南風・山口華楊・山口蓬春・川端龍子等の秋を描いた作品と、ご好評につき、谷文晁模写『佐竹本三十六歌仙絵巻』下巻を併せて展観」となっている。 開催期間は12月5日(水)まで。あと1週間もない。あわてて茶道をやっている家内同道でお邪魔することにした。 上述の案内の最後の文章は、「語らざれば憂い無きに似たり。その憂いを、秋の庵で一篇の詞に案じてみませんか? 」という洒落た言葉で結ばれている。 ネットで検索すると、大燈国師の「千峯雨霽露光冷(せんぽう あめはれて ろこうすさまじ)」に応じた白隠禅師の「君看双眼色(きみみよ そうがんのいろ) 不語似無憂(かたらざれば うれいなきににたり)」の詩であることが分かった。 大燈国師の「雨上がりの見渡す限りの峰々には、露が日光に輝いている」の「雨」=「涙」、「露光」=「目の輝き」の暗喩である。 これに対する白隠のレスポンスは、「何も言わなければその人の眸は憂いなど知らないようだ」という簡単なものだが、これは逆説的表現でこの禅問答の真意は「光り輝く瞳は憂いの涙を流した証拠」というものである。 最近の状況に合わせて例えれば、大津波で大切な家族を失いながらも、その悲しみを乗り越えて未来を目指している人間の光り輝く瞳である。われわれはその深い意味を理解しなければいけないということである。 どういった状況でも、季節はめぐり再び秋がやってくる。今回の展覧会にはそういった秋をテーマにした日本画が並んでいた。 この展覧会のメインテーマとなった堅山南風の《秋荘案詩》には、こういったどことなく淋しい秋の詩を作ろうとしている文人の姿が描かれている。植えられている棕櫚は南国情緒であるが、竹垣や松は日本情緒。場所はどこでも良いのだろう。南風の頭に浮かんだシュールな情景なのだから。 山口華楊の《鶺鴒(せきれい)》は美しい一羽の鳥。茶掛けに良さそう。そういえば、最近TVで翡翠(かわせみ)がきれいになった都内の川辺に戻ってきたというニュースを見たが、「せきれい」はどうなっているのだろう。 次いで、山口蓬春の《秋晴れ》。鵯(ひよどり)と柿の実が二つ描かれている。一つは普通のオレンジ色だが、もう一つは赤色。後者は熟柿となっているのである。 続いて、川端龍子の《美果好菜》。これは鉢に載っている赤蕪・仏手柑・くわい・苺を鮮やかな色で描いたもの。その下に影のようなものがあったが、最初はなんだか分からなかった。後で、旧知のK学芸員からこれは金の裏彩色であるということを教えてもらい、合点!した。 龍子は裏彩色を得意としていたとのこと。 次は、下村為山の双幅の屏風《柿》。たわわになった柿の実で枝がしなっている。正岡子規と親しい俳人でもあったようで、「霧晴れて 大なる富士や まのあたり」という句が書きこまれていた。 この句は、前述の大燈国師「千峯雨霽露光冷」と通うものがある。 この柿の実は縦長で、頭の部分の形から、わたしの田舎で「円座柿」と呼んでいたもののようである。子供の頃は枝が折れるから止めろとの親の意見に逆らって、木に登ってカラスと競争しながら、円座柿の実を食べていた。この画家の出身地の四国では、こういった縦長の柿をなんと呼ぶのだろうか。 次は、青木大乗の《静物》。これは呉須赤絵の大きな鉢に、林檎・葡萄・桃が載っている。これらの色彩は、緑の龍が描かれた赤絵の色に負けていない。 この絵の前には、中国の呉須赤絵大皿が飾ってあった。これには緑の鳳竜も描かれており、絵の中の赤絵鉢と相似形のような大皿だった。 以上の山口蓬春・川端龍子・下村為山・青木大乗の4人は、いずれも以前は洋画を学んでいた経歴があるという。これもK学芸員からの受け売りである。 次は、疋田春湖の二曲一双の屏風《海浜山景》。手前は紅葉の山、遠景に海が望める。古典的な手法の日本画。 中村進一の《茄子図》も出ていた。この日本画家は田中青坪や奥村土牛の弟子とのこと。 展示室入口の設えには、竹内栖鳳の《冬ごもり》が掛けられていた。これは旧「津曲コレクション」とのこと。切った炭が二つ描かれているだけのシンプルな構図。これは炭手前の丸ギッチョと点炭。 展示室の反対側のケースには、お待ちかねの谷文晁模写「佐竹本三十六歌仙絵巻」下巻が広げられている。 今回見られたのは、①貫之、②伊勢、③赤人、④遍照、⑤友則、⑥小町、⑨朝忠、⑧高光、⑦忠岑、⑩頼基の10点。上記の順番は本来の順だが、錯簡があるため丸数字の順で接いであった。 お気に入りはもちろん女性歌人。絶世の美女とされた小野小町は顔貌が見えないように後向きに描かれ、容姿については鑑賞者の想像にゆだねる形となっている。唐衣に裳の正装である。 ![]() 伊勢↓は、唐衣を略して裳だけを付けた略装となっている。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 展示室中央の展示ケースには、色彩鮮やかな《小大君》、《斎宮》、《貫之》の軸が出ていた。この3点セットは昭和期の伊藤嘉晃による復刻掛軸だが、一見の価値がある。 この展示ケースには、歌仙絵などの版本3点も展示されていた。 展示室の左側には、前期にも出ていた軸装の佐竹本複製《源公忠》や《製茶絵画》があった。後者は、茶道をやっている家内がゆっくりと見ていた。 私はその間に、「齋田文化振興財団紀要2006年」を見ていた。これによって、オランダ商館長ブロムホフが茶道に関心があり、オランダに沢山の茶道具を持ち帰ったことを知った。論文はライデン大学教授・マティ・フォラー(Matthi Forrer): 出島のオランダ人蒐集家と彼らの茶の嗜好(Dutch Collectors on Deshima and Their Taste for Tea) 。オランダ商館長ブロムホフについては、今週「たばこと塩の博物館」で2点の夫妻の絵を見たばかり(記事はこちら)。物事はどこで関連してくるか分からない。 K学芸員からは、現在、五島美術館で開かれている「時代の美」展に、上畳本三十六歌仙絵《紀貫之像》(↓右下)が出ているという話を伺い、チラシを頂いた。 ![]() 今回はその続編である。興味のある方は、お見逃しなきように。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-11-30 14:13
| 江戸絵画(浮世絵以外)
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