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これは「その1」からの続き。
第3章は「挿絵-共鳴する画文」 ここには有名な邦枝完二作・小村雪岱画の「おせん」が登場する。 ![]() この記事では、出展されていた6枚の挿絵下図を、文中の適当と思われる場所に挿入することとする。 邦枝完二著【おせん】 虫: 1.浮世絵師・春信の彫工「松五郎」に先導された日本橋の紙問屋・橘屋の若旦那「徳太郎」が笠森稲荷境内の水茶屋娘「おせん」の家に忍び込み、蚊の餌食になりながら待機中。 2.二人は、庭に出てきた「おせん」の盥での行水姿を覗き見。 3.「おせん」の母・お岸が娘に好きな男がいないのかと訊くと、おせんは男は嫌いだと答える。 4.松五郎は、「おせん」の行水姿を見た時に、徳太郎が慌てて垣根に首を突っ込み、「おせん」の裸をちらっとしか見られなかったことをからかう。 5.春信の弟子・春重が松五郎と出会い、春重も庭に潜んでいて、徳太郎の醜態を見たことを告げる。さらに、春重は写生帖に描いた十数枚の「おせん」の裸像を見せた。 6.春重は、もっと良いものを持っているが、金を出せば見せてやると松五郎にいう。 7.金を渡した松五郎に春重が糠袋から取り出して見せたものは、100箇以上の「おせん」が切った爪。(第7回挿絵下図↓:「おせん」が爪を切っている) ![]() 8.長屋に住む独身の春重の家では、壁には「おせん」の裸像が張りめぐらされ、「おせん」の爪を煮たてた薬缶から良い「匂い」がたちこめてくる。 9.隣の左官屋夫婦は、春重の家から漂ってくるいやな「臭い」に辟易している。 10.その春重の家に、松五郎がやってきた。 11.松五郎はその臭いに往生するが、春重はその匂いを絶賛する。 12.おまけに春重は女の黒髪の束を取り出し、それに顔をうずめて、その匂いを楽しんでいる。 13.松五郎は、この話を同じく春信の摺師をしている八五郎に伝える。 14.その八五郎が、春信の文を「おせん」に届ける途中、春重に出合い、松五郎から「おせん」の爪を煮ていることを聞いていると話した。 紅: 15.朝早く、笠森稲荷の水茶屋へ徳太郎がやってくるが、肝心の「おせん」がいない。 16.その時分、「おせん」は駕篭で神田白壁町の鈴木春信の家へ向かっていた。 17.途中の不忍池の蓮の花を見るために、「おせん」は駕篭の片側の垂を上げさせた。(第17回挿絵下図↓:駕篭の垂を上げさせて蓮の花を愛でている「おせん」) ![]() 18.春信は、「おせん」、「八五郎」、「堺屋の太夫」の三人が来るのを待っていた。最初に到着した八五郎は、「おせん」がこちらに向かっていることを伝えた。 19.そこに「おせん」が到着。枝折戸で待っていた門弟の藤吉が案内し、「おせん」と春信が話を始めた。 20.春信は、「おせん」に対し、女形役者の堺屋松江が次の狂言は「おせん」を入れた芝居にしたいという望みがあるので、自分がここで二人を引き合わせることにしたと伝えた。ところが「おせん」は会いたくないという。すでに堺屋の太夫は到着し、別室で待っている。 21.その訳を問い詰める春信に対し、「おせん」は、浜村屋の太夫・菊之丞が死ぬほど好きなのだと告白した。それを聞いた春信は納得して、松江に帰ってもらうことにした。 22.そこで、春信は待たせていた松江に、「おせん」が急病になったとの口実を設けて帰えらせた。 雨: 23、人形師・亀岡由斎が、「菊之丞」の魂を込めようと制作している生人形の足の甲に蝋が垂れているのを見つけ、「坊主」という少年の弟子に小言を言う。 24.そこへこの人形の注文主である「おせん」が、雨の中を頭巾姿で、秘かに由斎を訪ねてくる。しかし、由斎はまだ完成していないから、絶対に見せられないと断る。 25.「菊之丞」すなわち昔の吉次と「おせん」は王子での幼なじみ。「おせん」は、由斎に自分の心を打ち明けて、八百屋お七の舞台姿の「菊之丞」の生人形を作ってもらうように頼んでいたのだった。 26.橘屋の若旦那・徳太郎が、連れの小僧・市松のおかげで、頭巾姿の「おせん」を見つけ、「おせん」に話しかけた。おせん」も旧知の客なので、一応相手になった。 27.徳太郎のちょっと付き合ってくれとの強引な頼みを「おせん」が断っているところに、傘もささずに、頭から桐油を被った彫師の松五郎が現れ、徳太郎の手をつかんだ。 28.「おせん」を首尾よく逃がした松五郎は、徳太郎をからかい、怒った徳太郎は小僧・市松にあたり散らした。偶然にも、市松の父親が現れて謝ったが、怒りは収まらなかった。(第28回挿絵下図↓:「おせん」を探す徳太郎。右側に「おせん」の黒い頭巾がチラリと見えるようだ) ![]() 29.帰ってきた徳太郎は、番頭に市松に暇を出せと怒鳴っている。そこへ松五郎が現れて、良い話を持ってきたとなだめる。 30.松五郎は「おせん」には男がいるというと、徳太郎は相手の名前を詮議するが、松五郎は知らない。これで、また揉めるが、松五郎が持ってきた良い話も聞きたい徳太郎は、松五郎を帰らせない。 帯: 31.妻・「おこの」が、「おせん」の帯を持って、鈴木春信宅へ出かけてしまったことを知った菊之丞は慌てる。その帯がなければ、菊之丞の芝居がワヤになってしまうと云い、男衆の新吉に「おこの」の後を追わせる。 32.「おこの」は夫・菊之丞が春信から借りてきた「おせん」の帯を枕元に置いて寝るほど大切にしていることに腹を立てて、駕篭で春信に返しに来たのだった。 33.松太郎と仕事の話をしていた春信は「おこの」に会ったが、くだんの帯を差し出されて驚いた。そして、その帯は確かに「おせん」に頼まれたものだが、「おせん」に渡す前に、菊之丞の芝居に必要だということで貸したのだと説明したが、「おこと」はどうしてもその帯を置いていくと云う。そこで、松太郎がしゃしゃり出て、「おせん」は男嫌いで通っており、お宅の旦那が口説いても絶対になびく女ではない。痴話喧嘩のトバッチリがここまで飛んでくるのは春信師匠も迷惑だよ」と睨みつけた。 34.男衆の新吉と帰り途の「おこの」が偶然出会って揉めているところに、またしても松太郎が登場。 35.「おのこ」が置いて行った帯を眺めていた春信は、思い立って羽織を着て急いで出かけ、春信の妹・梶女は門弟の藤吉に春信の後を追わせた。 36.春信が着いたのは、菊之丞の家。「おこの」が菊之丞の妻であることを確かめた後、帯を「おせん」に渡すつもりだと告げた。 月: 37.江戸名物の飴売土兵の周りに人が集まっている。 38.「おせん」が帰ってくると、皆がそちらへ行ってしまい、残ったのは春重のみ。 39.早く帰りたがる「おせん」を皆が引きとめている。早く帰してやれという春重の声に助けられて、「おせん」は姿を隠す。 40.帰ってきた「おせん」は、自室から母親を閉めだしたうえ、じっと鏡の中を見つめた。底光りのする鏡の中にうつっている自分の顔が次第に消え、三日月形の眉も細くなっていった。(第41回挿絵下図↓:おせんが鏡をのぞきこんでいる) ![]() 41.暗い部屋の中から「おせん」が胸に抱いて担ぎ出したのは、三日前の夜、由斎のもとから駕篭で届けられた瀬川菊之丞の八百屋お七の舞台姿そのままの生人形。「おせん」は、窓の障子を開け、この生人形に話しかけ、自分の恋心を打ち明ける。母親から呼ばれて食事に立つ「おせん」は窓の障子に手を掛けた時、窓の下で聞きなれた声がした。 42.それは三年前に家出したままになっていた兄の千吉。いきなり窓から「おせん」の部屋に入ってきて、金が必要だから、「おせん」に惚れている徳太郎に「気のあるふうをしてくれと頼んだ。 43.「おせん」が兄の頼みを断り、やむなく立ち去ろうとするその時に、母親・お岸のすすり泣く音が聞こえてきた。 文: 44.徳太郎が頼んだ千吉の返事を聞くために、千吉の住いに向かう途中、千吉で出会う。訊く徳太郎に対する千吉の返事は、約束をたがえることはないというもの。徳太郎が「おせん」からの文を見せてくれと云うと、千吉はこんな道端では見せられないという。 45.このため、徳太郎と千吉の二人は、駕篭を呼んで不忍池畔の春草亭に。徳太郎が文を見せろというと、千吉は二十五両欲しいという。徳太郎が了解し、千吉が出した文には、「ありがたく存じ候 かしこ せん より 若旦那さま」と書かれているだけだった。 46.朝っぱらからの柳湯では、千吉が妹「おせん」を餌にして、徳太郎から二十五両をいかさまでせしめたという話でもちきり。それを小耳にはさんだ春重が仔細を傘屋の金蔵に訊く。 47.金蔵がためらっていると、左官の長吉が春重に「それを聞いてどうするのだ」と問いただす。春重の答は、「おしん」の爪を徳太郎に一両で売りたいとのこと。 48.両国橋で、千吉は、八丁堀の与力の御用を聞いている鬼七から、菊之丞が「おせん」のところに毎晩通っているとの噂の真偽を確かめられた。 49.千吉は、そういうことはないと答えたが、もしそうだったらどうなるのかと聞き返した。鬼七の答は、南町奉行の妹・お蓮が菊之丞の大変に贔屓いているので、もしそういうことがあれば、菊之丞は役者をやめなくてはいけなくなるのだと教えてくれた。 50.「おせん」は春信の許を訪れ、千吉が自分の文を徳太郎に二十五両で売ってしまったこと、そのため今後徳太郎から難題を吹きかけられるかのしれないと話して、相談に乗ってもらおうとしていた。そこへ、菊之丞が急病になったとの知らせ。「おせん」は胸がドキッとして、すぐには口がきけなかった。(第51回挿絵下図↓:おろおろする「おせん」を描いたものだろうか) ![]() 51.仮名床の亭主・伝吉は、市村座の木戸番・長兵衛から、菊之丞が舞台で踊っていたまま倒れたとの知らせを聞いた。菊之丞は舞台衣装のまま楽屋に寝かされ、家に帰れないでいるとのことである。 52.伝吉は、駕篭で「おせん」にこのことを急報に行った。 53.その頃、春信の所でこのことを聞いていた「おせん」は自宅に帰ってきていた。母親が止めるのにかまわず、「おせん」は人形の衣装と襦袢を脱がせ、自分の身に着けた。ちょうど到着した伝吉の駕篭を使って、葺屋町に向かった。 54.菊之丞は不随の身体のまま、分からぬように医者駕篭で自宅へ向かったが、それと気づかれ、駕篭の周りには人だかりができてしまった。 55.医師の玄庵が内儀の「おむら」に回復しないことを告げている時に、「おせん」が到着した。「おむら」が断ってくれと命じるが、菊之丞は通してくれと云う。 56.そこで、七年ぶりに出会った二人の世界となる。「おせん」が、「吉ちゃん。たとえ一夜の枕は交わさずさずとも、あたしゃおまえの女房だぞえ」というが、菊之丞からの答はなく、そのまま息を引き取った。(第58回挿絵下図↓:菊之丞の死を看取る「おせん」) ![]() 57.この知らせを聞いた南町奉行の妹・お蓮は半狂乱となって、菊之丞の許に駈けつける。 58.菊之丞の家は混雑していたが、菊之丞の枕許には、「おむら」たちの了解を得て「おせん」がただ一人坐っていた。「おせん」は菊之丞に向かって「子供の時にお互いにしたようにお化粧をします」と云い、今となっては形見となってしまった紅筆を使って菊之丞の顔に死化粧を施した。そこに「おむら」に案内されて、お焼香に現れたのは「お蓮」だった。(おわり) 笠間稲荷社前の茶屋「鍵屋」の看板娘である「笠森お仙」が、有名な浮世絵師・鈴木春信のお気に入りモデルだったことは実話である。既出のチケットと春信の《お仙》の浮世絵を並べて見ると、↓のようである。 ![]() 鏑木清方は、「《おせん》の挿絵を見ていると、小村さんが春信に倣って描いているいることを忘れて、明和安政の昔のままにつづいて鈴木春信が筆をとっているとしか思われない。うそではなく私などしばしばその錯覚に陥ることがあった」と書いている(画集「小村雪岱」序文、1942年)。 しかし、両者の相違点を見つけることも難しいことではない。春信美人はふっくらとした丸顔で、背は高くない。幼さの残る可愛い美人である。これに対して、雪岱美人は面長でほっそりとした頬をしている。きりっとしてやや冷たい顔立ちである。春信美人が縄文系美人すれば、雪岱美人は弥生系美人ということもできよう。 雪岱の伴侶・八重夫人は神楽坂で芸者に出ていた人だとのこと。雪岱はこういった花柳界の女性たちの姿を借りて、粋・仇っぽさ・色っぽさといったものをクールに表現してしていたのではあるまいか。 美人談義はここまでにして、次の挿絵に進む。登場するのは、「挿絵下図」ではなく、「挿絵原図」である。 邦枝完二著【お傳地獄】 ![]() ・上州の高橋お伝の夫・浪之助は悪性の皮膚病持ち。お伝が金策を頼んだ庄屋の息子・大八は金を持って来たが、お伝の身体が目当てだった。お伝ともつれあった大八は谷底へ落ちていく。 ・その金を持って東京に出たお伝は、夫を名医の許につれていくが、不治の病と宣告された。お伝は横浜に移り仕事をしていたが、ついに身体を売って浪之助を養うこととなった。(盃を持ってくつろぐお伝↓ お伝地獄 名作挿絵全集 第1巻) ![]() ・或る夜、土地の夜鷹たちのリンチにあっているお伝のところに市十郎が現れて、夜鷹・お初を川に投げ込んでお伝を救った。これが縁となってお伝と市十郎は関係を持つようになった。(川に投げ込まれたお初↓ お伝地獄 名作挿絵全集 第1巻) ![]() 「鐡橋の夜鷹、イギリス巻のお初は、二百両の裾分をからんで来た。それを美人局の逆を行って、五十圓渡す約をしたが、それをも十圓しか出さなかった。お傳とお初は鐡の橋に上で大喧嘩を始めた。取組む合う二人の傍へ稲妻のように近寄ってきた市十郎は、矢庭にイギリス巻の襟髪を取るや否やざんぶと許り、川の中へ叩きこんだ」 ・この逢引から帰るお伝を引きとめたのは、谷底で奇蹟的に助かり車夫に身を替えた大八。困ったお伝は色仕掛けで大八をだまし逢引き場所を材木河岸に選んだ。いそいそとやって来た大八は、お伝の隠し持った出刄で刺され河に投げこまれた。(お伝に刺殺された大八↓ お伝地獄 名作挿絵全集 第1巻) ![]() ・市十郎との情事に気がついた浪之助はお伝と無理心中を計ったが、逆に殺されてしまった。 次ぎの挿絵下図は、子母澤寛著【突っかけ侍】 ![]() ![]() 「特集ー装幀の妙」という章が別にあり、多数の書籍が出ていた。その中では、三田村鳶魚著「大衆文学評判記」だけが再見。 「資料 / その他」の中に、素晴らしい作品が並んでいた。やはり「横綱は後!」なのだろう。 ・わかもと本舗うちは(初雪)・(夕涼み)・(そよ風)・(蛍狩り)・(浜辺) ・《雪の朝》: 再見 ・《青柳》:再見 ・《おせん》没後の木版:再見 ![]() ・《深見草》:再見 ・《筑波》:再見 ・《夜雨》↓ ・《蛍》↓↓ ![]() 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-11-08 17:34
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