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2010年に三井記念美術館で開かれた「柴田是真の漆x絵」展ですっかりおなじみになった是真の作品を再び見る機会に恵まれた。今回は里帰り展ではなく、国内所蔵品展。
![]() ・静嘉堂の《青海塗柳流絵重箱》: 各段が色変わりなところがオシャレ。 ・東博の合子《烏鷺蒔絵菓子器》(↑チラシ右3段目C): 以前にも見たが、エッシャーのような黒いカラスと金色のサギの入れ子模様。 ・《業平絵硯箱》(↑チラシ右上B): 光琳作の模造だが、肩衣や扇の骨の錫粉蒔絵を錫板に変えてシャープにしてある。 ・《扇面蒔絵書棚》: 扇面を棚の角で屈曲させたデザインの優れもの。鹿苑寺所蔵品(明治14年制作)と新潟・北方文化博物館所蔵品(明治20年制作)が並んで展示されていた。後者は越後の豪農・押木源二朗が是真に「同じものを!」と注文して制作されたもので、大正の売立で同じ越後の豪農・伊藤家が購入。 ・三隅悠コレクションの《波千鳥蒔絵屯骨》: とんこつとは字義では「骨を捨てる器」だが、実際には余った食べ物を自宅に持ち帰るための容器。日常使われる英語では doggy bag のこと。このことを隣で見ていた年配の外人女性に話すと笑って同意してくれた。英語のキャプションも付いていたが、もちろんこのようなくだけた表現は書かれていなかった。 ・川崎市民ミュージアムの《瓦灯蒔絵竹籠》は不思議な組み合わせ。 ・《夕顔蒔絵板戸》(↑チラシ右2段目A、↓絵葉書2枚): これは見事。是真の技量は蔓に発揮されているという説明。美しい緑の瓢箪は琳派陶工・三浦乾也の制作、すなわちこれは二人の合作である。このデザインの別な絵葉書も買ってきた。 ![]() ・三隅悠コレクションの《月薄鈴虫蒔絵額》: 銀蒔絵の月が心に沁みる。 ・三隅悠コレクションの《雪中佐野蒔絵額》: おなじみのテーマで、盆栽も描かれている。 セクション「変塗と素描―技を尽くした印籠など」 ・個人蔵の《瀬戸写茶入》: なにげない褐色の茶入だが、竹製とのこと。持って初めてその軽さに驚く「だまし茶器」。 ・静嘉堂の《変塗絵替丼蓋》: 出前の配達の時に使われているような丼蓋だが、十客それぞれの模様が違う。洒落た「用の美」。寒くなっていくこの季節。家でもほしい。 ・印籠・根付・頓骨・絵笄・絵櫛: 驚くほど多数!!! セクション「漆絵」 ・漆絵画帖: 素晴らしい画帖が何帖も出ていた。岩絵具を用いる日本画がいまひとつ鮮明さを欠くのに対し、漆絵はコントラストの強い色彩で表現されている。↓はその一例の《熊図》紙本漆絵。 ![]() ![]() ![]() セクション「絵画」 ・芸大美の《写生帖》紙本着色: すごく絵の上手い人だということの証明。 ・静嘉堂の《瀑布図屏風》紙本着色(↓、部分図はチラシ↑の右下D): 豪快ですね。 ![]() ・個人蔵の《正月飾図》絹本着色: 伊勢海老が立派。描表装。 ・《雛図》絹本着色(↓): 描表装の白描も見事。 ![]() こんなに沢山の是真の作品を見てしまうと、是真はもう卒業かなという気もするが、漆絵や絵画には展示替えがある。 柴田是真のコレクションは海外に多いが、持主の高齢化に伴い競売にかけられるケースが増えてきているという(参考)。今回の展覧会にも、裕福そうな外国人の姿が大勢見られた。日本の現在の経済状況では、是真の作品の里帰りを望むどころではなく、これ以上の海外流出がないことを願うしかないのはまことに残念である。 【補遺1】 「経典を飾るー装飾経にこめた願い」@展示室5 ここは見逃せない。お気に入りは下記。 ・重美《華厳経巻第五十二(二月堂焼経)》奈良時代: 紺紙銀字、上下に焼損があるが、見苦しくない程度。 ・《広弘明集第十五(中尊寺経)》平安時代: 紺紙金銀字 ・《孔雀明王巻上(荒川経)》平安時代: 紺紙金字。鳥羽法皇を弔うため美福門院が高野山に納めた経。この永代供養のため荒川庄を寄進。 ・国宝《観普賢経》平安時代: 濃淡の褐色の色紙には金砂子が撒かれている。界は金泥。書は和様。 ・伝小野道風筆《観普賢経断簡(愛知切)》平安時代 ・伝光明皇后筆《法華経巻第二断簡(蝶鳥下絵経切)》平安時代 ・伝聖徳太子筆《法華経巻第二断簡(戸隠切)》平安時代: 雲英で一行八基の宝塔を描き、この上に一文字ずつ書いていく。したがって字は細長い。 ・重美《金光明経巻第四断簡(目無経)》鎌倉時代: 紙本白描墨書。途中で制作が中止されたため、人物の目や鼻が描かれていない。 【補遺2】「口切ー茶人の正月」@展示室6 新茶の葉をはじめて使う「口切」の茶会の道具。 ・《交趾大亀香合》 明時代: 深緑の色彩が何ともいえない。 ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-11-04 22:36
| 国内アート
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