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デルヴォー 2004年7月のNHK「日曜美術館」で、「デルヴォー展」の紹介があったので、すぐに新幹線に乗って新潟まで往復してきたことがあった(記事はこちら)。
以後、デルヴォーの画は沢山見ているものの、まとまったデルヴォー回顧展はあれ以来ある。 昨日は、絶好の秋晴れ。美術館前のデルヴォーの《夜明け》の看板もまぶしそう。 1897年出生。父は裕福な弁護士。10歳で、ジューヌ・ベルヌの「地底旅行」を読み、13歳で「オデュッセイア」を読み、27歳で美術アカデミー卒業後、アンソール、デ・キリコの影響を受け、31歳で詩人クロード・スパークと知り合った。32歳でタムと知り合い、結婚を望んだが親の反対であきらめた。40歳で、美術商で働いているシュザンヌと結婚。50歳で、タムと偶然に再会し、その後同棲、結婚。53歳で国立美術学校教授、75歳でㇾジョン・ドヌール勲章、96歳で死去。 会場には、初期の写実主義的あるいは印象派的な作品がいくつも出ていた。《森の小径》は典型的な印象派絵画↓。 デルヴォーがシュルレアリスムという自分自身の作風を確立していった過程を作品を通して見られるように展示がなされていた。 1944年の《訪問Ⅳ》↓からはマグリットの影響が見て取れる。2人の女性の陰影の方向が異なるのは、双方が不安定な関係であることを示唆しているような気がする。室内の女が妻のシュザンヌ、訪問者が忘れきれないタムというのは、考え過ぎだろうか。 それらが脳の深部(あるいは夢の中)で複雑に構成されて、彼のシュルレアリスム作品にまとめ上げられていくのである。 そして、それらの構成要素は、すべて彼の個人的な体験に基づいている。 今回の展覧会では、これらの要素は以下のように分別して展示されていた。 ①汽車・路面電車・駅、②建築、③骸骨、④女性、⑤生家、⑥物語。 「汽車・路面電車・駅」をテーマとしたものでは、《トンネル》が最高↓。この画では、鏡に女の子だけが映っているように描かれているが、この画の習作には女の子の周りの風景も描きこまれていた。 「女性」では、《ローの婦人》↓や《高貴なバラ》。 《エペソスの集いⅡ》↓は、古代ギリシャの植民地エペソスのアルテミス神殿が後景に、ブリュッセルのトラムや街灯が中景に、そしていろいろな姿態の4人の女性が近景に描かれている。近景と中景の間には枠だけの鏡がある。しかし、よく見ると枠のなかにうっすらとした男の姿が描かれているような気もする。そうなると、枠の中は素通しのガラスで、手前にいる男、おそらくはデルヴォーの姿が映っているということになる。デルヴォーが夢を見ているうちに、デルヴォーと女性たちの住む世界から、鏡の中を通って、子供の時にすり込まれた路面電車の走る風景になり、さらに、電車の窓越しに昔読んだ物語世界のまぼろしが見えてきたのかもしれない。展覧会のタイトル「夢にデルヴォー」にふさわしい画である。 常設展の「明治・大正・昭和の洋画」では、渡欧・渡米した日本人画家の作品を沢山見られた。高島野十郎《霧と煙のニューヨーク》、清水登之《チャイルド洋食店》・《ラッパ卒-トレド風景》・猪熊弦一郎《窓》が印象的だった。小特集「江戸時代の絵画」では、谷文晁《駱駝図》と長谷川等彝《洋犬図屏風》が面白かった。 良い日、良い画、良い「美術散歩」だった。もっとも、往復ともクルマなので「美術散歩」というのはちょっとおこがましいが・・・。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-10-06 13:49
| 現代アート(国外)
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