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これは「その1」の記事(こちら)の続きである。
ここでは展覧会の第2章「グロテスク絵画に向けて」の記事を書くが、会場のキャプションの説明は必ずしも十分とはいえないので、美術館のホールで上映されているビデオを見てからエレベーターで会場に行かれることをお勧めする。ビデオでは、アンソールが写実絵画から幻想絵画に移っていった経緯が丁寧に説明されていた。 チャプタータイトルの「グロテスク絵画」とは、エルンストやマグリットなどのシュールレアリスム絵画とは一線をかくしたアンソールの画の表現。 展覧会では、アンソールのグロテスク絵画の要素分析を、以下の9セクションに分けて行っていた。 2-1: 光の感受性 このセクションには、アンソールの墨によるレンブラントの模写が2点出ていた。↓はその一つ、《驚いた表情の自画像》。 ![]() ここに出ていたルーベンスの銅版画4点は見事。アンソールのコンテ《ドラクロア:雌ライオンの模写》・《おばの肖像》はまあまあのものだが、ルーベンスを学んでいる点が努力賞。 2-3: ジャポニズム アンソールは非現実的で奇怪な生物をモチーフとしているが、シノワズリ・ジャポニスムの影響を受けている。出展されていたのは、アンソールが描いた日本の木版画《武者》の模写1点のみ。北斎漫画も模写しているとのことだが、今回は出展されていなかった。 2-4; 創造手段としてのあやかし アンソールの《怪物のいるフリーズ》 2-5: アンソール芸術における“死の舞踏”とその他の骸骨 アンソールは、14-15世紀に流行した「死の舞踏」を参考にしている。直接的には、「アルコール中毒だった父親の死が関係している」というのが、ホールのビデオの説明。 アンソールの《首吊りの死体を奪い合う骸骨たち》↓は有名作品だが、その解釈はなかなか難しいようである。 ![]() ・中山公男・高階秀爾著の「象徴派の絵画」(朝日新聞社 1992年刊、p150)の説明によると、舞台中央の首吊り男は首に「シヴェ(兎肉のシチュー)」と書いた札をぶら下げており、この死体をめぐって3人の女が争っていて、中央にはすでに敗北した女の骸骨が倒れているが、こういった箒による争いはオステンデのカーニバルの催しの一つだったという。 ・1983年のチューリッヒ美術館の「アンソール展カタログ」に載っているヘールト・スキフの解釈では、服装から見て3人の女は首吊り男の妻(貴婦人)・妾(召使)・愛人(下層の若い娘)であり、ローマの詩人ペトロニウスの「エフェソスの後家」をテーマとしているとのことである。左の貴婦人が口にくわえている紐は死体にまつわりついており、男が長年、この妻の操り人形で、彼女のシチューだったことを意味しているというのである。 ・TV東京の美の巨人たち・1枚の画「アンソール・首吊りの死体を奪い合う骸骨たち」(2005年放映)によると、首吊り死体は、フランス語のシチュー。骸骨や仮面たちは、これを喰うために争っているということである。この死体はアンソール自身。アンソールには、自分を非難し続ける評論家や画家仲間が、まるで自分を喰い散らかそうとする骸骨と仮面たちに見えたのだったとのこと。 アンソールの《画を描く骸骨》は↓、写真をもとにした自画像である。 ![]() イタリア仮面劇(コメディア・デラルテ)の影響があり、モンティセリの《森の洞窟》↓、アンソールの《愛の園》↓↓、《仮面劇‘かすみの効果’》、《甲殻類を眺める仮面(四旬節の食事)》が出ていた。 ![]() ![]() このようにアンソールの描く仮面は、顔を隠しながらも人間の本性を暴いている。アンソールは仮面を用いて、人間の弱さや愚かさを表現したのであり、骸骨も彼にとっては冷酷な人間の本性を表現する仮面の一つだった。 2-7: カリカチュア、悪魔、仮面 初期フランドル絵画の影響が認められるということで、ピーテル・ブリューゲル(子)の《フランドルの諺》が6点出ていた。↓の「空の大卵にまたがる大酒飲み」は、過度の飲酒ですべてのものを失うという意味で、空の卵は仕事も失うという意味らしい。 ![]() ![]() ![]() アンソールの《悲しみに人》は↓、キリストの顔。ものすごい迫力である。 ![]() ![]() ![]() アンソールの《墓石の傍で向き合う死と医者》や《ワーテルローの機甲部隊》は面白かった。 【附】 楽譜 最後にアンソールの楽譜《愛の調べ》と《オステント・ロータリークラブのマーチ》が出ており、音声ガイドでこれらの音楽が聴けるということだった。気持ちの悪い音楽でなければよいのだが・・・。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-09-09 17:50
| 国外アート
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