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茶道をやっている家内同道で出かけたが、良く知っている用語と初めての用語があるのは当然として、子供でも知っている用語がいくつか出てきていて、この企画の難しさが露呈されていた。それにしても、二人とも、いくつか勉強するところがあったことも確かである。 ・あかえ/赤絵: 赤を主調とし、緑・紫・青などの顔料で上絵付けをした陶磁器。日本の「色絵」、中国の「五彩」と同義語。 ・あしでえ/葦手絵: 樹木・草花・岩などの一部に文字を装飾的に組み込んだ絵。料紙の下絵や蒔絵などに使用。田中親美模《平家納経》の鮮やかな色彩は、何回見ても惚れ惚れする。室町時代の《舟月蒔絵二重手箱》(↑↑)も良かった。 い ・いろえ/色絵: 陶磁器の装飾技法の一つ。五彩,赤絵,錦手,染錦手,十錦手などを総括していう。仁清の《色絵鶏香》(↑↑)は綺麗だった。 ・いんざい/印材: 印判を作る素材。木・石・角・牙・金属・ゴム・プラスチックなど。展示されていた沢山の印材のうちの「お気に入り」は、ラピスラズリ、翡翠、水晶、瑪瑙。 う ・うきえ/浮絵: 西洋画の透視遠近法を導入し画中空間の遠近感を誇張して表した浮世絵。出ていた《浮絵室内遊楽図》はとても良かった。 ・うろこもん/鱗文: 二等辺三角形や正三角形を上下左右につないである文様。仁清の《色絵鱗文茶碗》の赤と金の帯状の鱗文や《胴箔地黒鱗模様鬘帯・腰帯》をジックリと観賞(↑↑)。 ・うんげんざいしき/繧繝彩色: 同一系統の色彩の濃淡の変化を,ぼかしの方法によらず,段階式に濃淡をつけながら塗る彩色技法。鎌倉時代の《 吉祥天立像装飾断片》。 ・うんりゅう/雲龍: 南宋の3本爪《雲龍文堆黒合子》、明の5本爪《染付雲龍文菊花形水指》。狩野探幽の興正寺にある《雲龍図》は迫力があった。「附」として出ていた「探幽書状」は「黄金弐枚」の領収書だった。現在の円に換算すればいくらになるのだろうか。ポストカードを買ってきた↓。 ・えてほん/絵手本: 文字通り、絵の描き方を習うのに用いる手本。初編から八編の《北斎漫画》が出ていた。 ・えまき/絵巻: 出ていた《真如堂尊像模刻霊感記絵巻》の繊細な線と金彩は素晴らしかった。 お ・おおつえ/大津絵: 江戸時代に大津の追分あたりで売られた民衆絵画。河鍋暁斎の《浮世絵大津之連中図屏風》は大津絵と浮世絵のコンビネーションの肉筆画。 ・おにわやき/御庭焼: 江戸時代、趣味のある藩主が城内や邸内に窯を設けて茶器などを焼かせたもの。出ていたのは、紀州偕楽園御庭焼の《赤楽亀絵茶碗》。 ・おりべやき/織部焼: 桃山時代の《織部砂金袋香合》。 か ・かくしぎ/郭子儀・かけじく/掛軸: 円山応挙《郭子儀祝賀図》が出ていたが(↑)、この唐の武将は富貴長寿。8人の息子、孫は数十人にも達し、全員の顔と名前とを憶え切れず、挨拶にきたときには、ただ『よしよし』と頷くだけだった。この画はその状景だが、辞典の項目としては疑問符がつく。 ・かたつき/肩衝: 肩の部分が角ばった茶入れあるいは茶釜。同行した家内にとっては常識。重文の南宋《北野肩衝茶入》が出ていたので『良し』としてもらおう。 ・かたみがわり/片身替り: 右半身と左半身、および袖の左右の模様や色合いなどの変わっている衣服。漆器や陶磁器にも使われる用語である。実際、出ていたのは江戸時代の《菊萩蒔絵中棗》。 ・かっちゅう/甲冑: これが辞典の項目になるとは、日本の教育もどうかしてしまったのではないかと心配になる。《歌絵金物褄取威大鎧》は昭和の復元物なので美しい。 き ・きらずり/雲母摺: 浮世絵人物画の背地に雲母の粉末を用いた摺刷法として有名だが、出ていたのは《光悦謡本》の表紙(↑↑)。単眼鏡で覗くとキラキラ光っていた。 ・きりかね/截金: 仏画や仏像の装飾に使う技法。細長く切った金や銀の箔を用いて、衣などに繊細華麗な文様を描き出す。鎌倉時代の《愛染明王香合仏》の頭髪と蓮台が輝いていることを単眼鏡で確認した。 ・きりかね/切金: 金銀の薄板を小さく切って、蒔絵の中にはめ込む技法。 江戸時代の《雲月蒔絵沈箱》に使われていた。 く ・ぐり/屈輪: 堆朱や寺院建築などに用いられる蕨形の曲線の連続文様。家内にはなじみの言葉だったが、私は元の《屈輪文堆黒盤》と江戸時代の《屈輪文堆黒合子》で蕨形を確認した次第。 け ・げちょう/牙彫: 象牙を用いた彫刻。細密な彫刻が可能なため小品が多いということなのだが、出ていた竹内実雅《牙彫田舎家人物置物》は結構大きいので驚いた。(↑↑)は、安藤緑山の《染象牙果菜置物》と《染象牙貝尽くし置物》。 こ ・ごしょぐるま/御所車: 牛車の文様。展示物の江戸時代《御所車蒔絵硯箱》はとても分かりやすかった。 ・こしらえ/拵: 刀剣の外装。江戸時代の派手なものが二点出ていた。 ・こそめつけ/古染付: 明末に、景徳鎮窯の民窯で焼成された粗製の染付磁器。明の《古染付山水文芋頭水指》が展示。 さ ・さいかんさんゆう/歳寒三友: 東洋画の画題の一つで、松・竹・梅を合わせたものであるが、出ていた明の《祥瑞松竹梅花鳥文胴締水指》(↑↑)では、デザインがゴチャゴチャしていて、下部の捻文は分かったが、肝心の上部で認識できたのは笹竹だけ。 ・さやがた/紗綾形: 梵語の「卍」を斜めに崩して四方に連続文様にしたもので、「卍繋ぎ」または「雷文繋ぎ」「とも呼ばれている。これは、明の《祥瑞洲浜茶碗》で勉強した。 し ・しし/獅子: なぜこれが辞典の項目になるのか。なるとすれば、学校教育の問題。出ていたのは江戸時代の《獅子牡丹蒔絵硯箱》。 ・しっぽうもん/七宝文: 円を4分の1ずつ重ねた連続文。輪違文ともいう。永樂和全の《布目色絵団扇形食籠》は良い例だった(↑)。 ・しょうき/鍾馗: これも辞典の項目となる時代になってしまっている。円山応挙の《鍾馗図》はさすがに巧い。 す ・すやりがすみ/すやり霞: 大和絵、特に絵巻物で、横に長く棚引く霞。よく見るものだが、こういう名前で呼ばれていることをはじめて知った。お恥ずかしい。亀岡規礼の《酒呑童子絵巻》(↑)は一見の価値あり。 せ ・せいがいは/青海波: 同心の半円形を互い違いに重ねて波の模様を表現した文様。おなじみのもの。分かりやすい《紅地青海波波丸模様厚板》(↑↑)が出ていた。 ・せいがいはぬり/青海波塗: 柴田是真の《青海波塗皿》。 ・せんさい/剪綵: 色糸や絹糸で作った造花など。下絵を切り抜き、残った線に部分に金泥を塗り、切り抜いた部分には裂地を貼って作る。三井寿天子の《花籠図剪綵衝立》をジックリと眺めて理解した。勉強になった。 そ ・そとぐま/外隈: 外側をぼかすことによってモチーフを浮きたたせる画法。円山応挙の《富士図》は白い雪の富士が浮き出ている。 た ・たがそで/誰が袖: 豪華な婦人の衣装を衣桁にかけた図。古今集の「色よりも香こそあはれと思ほゆれ 誰が袖ふれし宿の梅ぞも」の歌から。江戸時代《誰が袖図屏風》の絵葉書↓。 ・ちょうしつ/彫漆: 漆器の加飾技法の一つ。漆の色や文様の違いによって、堆朱・堆黒・堆黄・屈輪・彫彩漆(紅花緑葉)などと呼ばれる。南宋~元の《花文堆朱輪花杯台》(↑)と南宋の《唐花唐草堆黒合子》。 つ ・つば/鐔: 《梅花透鐔》、《月に雁透鐔》、《鳳凰図鐔》。 て ・てかがみ/手鑑: 名筆の鑑賞や筆者の鑑定のために,経巻や和歌、漢詩書、消息などの巻子本や冊子本からその一部を切り取って蒐集し、帖に編集したもの。重文の《古筆手鑑》。 と ・とうてつもん/饕餮文: 中国古代の青銅器に付いている怪獣文。明の《古銅龍耳花入》(↑↑)。 ・とうりゅうもん/登龍門: 滝登りする鯉が目指す竜門、立身出世の伝説。江戸時代の《瑞芝焼登龍門図花生》 な ・なしじ/梨子地: 蒔絵の地蒔きの一。漆を塗った上に梨子地粉を蒔き、乾燥後、黄色味の強い透明な梨子地漆を塗って、漆を透かして梨子地粉が見えるように研いだもの。表面が梨の肌のように見えることを単眼鏡で確認。江戸時代の《桜雉子蒔絵文台・硯箱》。 ・ななこ/魚々子: 金属面に切先の刃が輪状になった鏨で細粒の円形を密に陰刻して表す技法。そのあとが魚の卵に似ている。《銀製雲鶴文印籠》。観察には単眼鏡が有効。 に ・にじゅうしこう/二十四孝: 中国,五帝の一人の舜から宋の黄庭堅までの24人の孝子たち。孟宗竹の孟宗など。小さい《二十四孝蒔絵組盃(雛道具)》の中に描かれた孟宗、大舜、漢武帝を単眼鏡で確認。 ぬ ・ぬいはく/繍箔: 刺繍と摺箔(金箔・銀箔)を両用した装飾技法で、小袖や能衣装に使われるが、出ていたのは桃山時代の茶箱蓋裏の《段替幾何学草花模様繡箔》 ね ねつけ/根付: 江戸時代に煙草入れ、矢立て、印籠、小型革製鞄などを紐で帯から吊るし持ち歩くときに用いた留め具またはストラップ。これも現代の子供には説明する必要があるのだろう。《子犬根付》・《枇杷に鼠根付・猿に蟹根付》。 の ・のげ・すなご/野毛・砂子: 野毛とは金箔・銀箔を細長く切ったもの。砂子は金銀の箔を細かい粉にしたもので、切箔の一種。蒔絵・色紙・襖紙などの装飾に用いる。《古筆手鑑「筆林」》(↑↑)。 は はつぼく/溌墨: 画面に墨をそそいで一気に着衣の人物像や山・石・樹木などの形を描くと同時に、その濃淡で立体感を表す水墨画の技法。橋本雅邦の《唐山水》は見事。 ひ ・ひだすき/火襷: 陶器の焼成の際、無釉の器面にわらなどが触れて発色した不規則な緋色の線条。展示されていた桃山時代の豪快な《備前火襷水指》は絶品。 ふ ・ふきぬきやたい/吹抜屋台: 屋内の人物を中心とした情景を,より自由に展開させるために,建物の屋根や天井を省き,斜め上からのぞき込むように描く構図法。(↑↑) へ ・へんこ/扁壺: 胴が扁平な壺形の容器。朝鮮時代の《粉引扁壺》(↑↑)が出ていた。多分、酒を入れたものだろう。 ほ ・ほうおう/鳳凰: 永樂保全《金襴手鳳凰文宝珠香合》。 ・ほうらいさん/蓬莱山: 理想郷。《蓬莱文飾羽子板》。 ま ・まきえ/蒔絵: 漆器の表面に漆で絵や文様・文字などを描き、乾かぬうちに金や銀などの金属粉を「蒔く」ことで器面に定着させる技法。《桜花・桐花車紋蒔絵硯箱》。 み ・みところもの/三所物: 刀剣外装金具のうち,小柄、笄、目貫の3種をいい,同一の文様で揃えるのを通例とした。後藤即乗の《弓箙図三所物》の笄と目貫の魚々子を単眼鏡で観賞。 む ・むしくい/虫喰: 陶磁器の縁に表れた釉の小さな剥落のあと。明の《古染付壽字菱口耳付花入》。 ・むぎわらで/麦藁手: 筋状の縦縞模様。江戸時代・永樂保全の《色絵麦藁筋猪口》と《染付麦藁筋茶碗》二点。 め ・めいぶつぎれ/名物裂: 鎌倉時代より江戸時代にかけて、主に中国から日本に伝わってきた最高級の織物。江戸時代の《名物裂帳》。 ・めっき/滅金: 鍍金のこと。金・銀・青金(金と銀の合金)で鍍金した正光作の《銅製雉子置物》は良かった。 も ・もっこつほう/没骨法: 輪郭を描かず、初めから画面に形と色を同時にあらわすという東洋画の技法。円山応挙の《水仙図》。 や ・やきしめ/焼締め: 陶器の素地を焼いて固めること。そのあとで釉をかけ、低火度で焼き上げる。出ていたのは、桃山時代の《伊賀耳付水指 銘閑居》。 ゆ ・ゆきわ/雪輪: 六角形の雪の結晶を円形に表した文様・紋所。江戸時代の《紅繻子地雪輪模様帛紗》。 よ ・ようらく/瓔珞: 装身具または仏堂・仏壇の荘厳具のひとつ。菩薩以下の仏像に首飾り、胸飾りとしてもちいられているが、寺院や仏壇など天蓋などの荘厳具として用いられることもある。出ていたのは、《法華経入厨子》。 ら ・らくやき/楽焼: 出展されていたのは、 桃山時代の長次郎作の重文・黒楽《銘俊寛》(↑)、江戸時代の赤楽《銘鵺》、青楽《花文脚付皿》、白楽《葵紋茶碗》。 ・らでん/螺鈿: 貝殻の内側の虹色光沢を持った真珠層の部分を切り出した板状の素材を、漆地や木地の彫刻された表面にはめ込む技法。明の《楼閣人物螺鈿重箱》と三井高福下絵の《鵜飼蒔絵櫛》。 ・らんていきょくすい/蘭亭曲水: 水の流れのある庭園などの流れのふちに坐っている者が、盃が前を通り過ぎるまでに詩歌を読み、その詩歌を披露する行事を曲水の宴という。永和9年(353)3月3日に蘭亭で曲水の宴が張られた。王羲之《蘭亭序-開皇本》。 り ・りゅうえいごもつ/柳営御物: 徳川将軍家の名物茶道具。南宋の《唐物肩衝茶入 銘遅桜》、明の《楼閣人物堆黒食籠》。 る ・るすもんよう/留守文様: 王芸意匠などで、登場人物をまったく描かずに、描いた背景や持物などから人物を想像させる手法。古典文学・古事逸話・和歌・謡曲などにちなんだ主題を表す。出ていたのは、江戸時代の《菊水蒔絵高坏》。菊と水だけを描いて「菊慈童」を想像させていた。 れ ・れんめんたい/連綿体: 行草書の作品において、連続する字を一筆で書き連ねること。平安時代の《升色紙》。 ろ ・ろうせん/蝋箋: 薄く胡粉引きした染紙に、裏から木版を当てて、上から丸い猪の牙などでこすって空摺りしたもの。模様が蝋を引いて出したような光沢となる。出展されていた鎌倉~南北朝時代の虎関師錬筆《虎関師錬墨跡(花屋号)》では、確かにそのようになっていた。勉強した。 ・ろくそず/六祖図: 中国禅宗の第6番目の祖、慧能(えのう)。南宋の梁楷筆《六祖破経図》(↑)。 わ ・わん/椀・碗: 日本では、木製のものは椀、陶磁器製のものは碗と呼ぶ。伝盛阿弥《黒塗一文字椀》、明の《色絵金襴手茶碗 淀屋金襴》。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-07-06 15:27
| 国内アート
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