記事ランキング
ブログパーツ
最新のトラックバック
外部リンク
以前の記事
2021年 01月 2020年 11月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 more... カテゴリ
全体
国外アート 西洋中世美術 ルネサンス バロック 印象派 印象派後期 現代アート(国外) 東洋アート 仏像 国内アート 江戸絵画(浮世絵以外) 浮世絵 近代日本美術 戦争画 現代アート(国内) アート一般 書籍 音楽 映画・写真 講演会 北海道の鈴 東北の鈴 関東の鈴 中部の鈴 関西の鈴 中四国の鈴 九州の鈴 ヨーロッパのベル アジアのベル アメリカのベル オーストラリアのベル 未分類 フォロー中のブログ
検索
その他のジャンル
ファン
ブログジャンル
画像一覧
|
現在、ボストンから東博に来ている曽我蕭白の《雲龍図》はインパクトが強い作品なので、TVでも何回か紹介されているし、自分でも2度見に行ってきた(第1回、第2回)。
最近、またまた良いTV番組があったので、忘れないうちにメモを残しておく。 1.墨の濃さが異常に強く、漆黒ともいうべき濃さであることについて: 日本画家・中野嘉之画伯 ・すって使う「松煙墨」よりもはるかに濃い。提灯などの文字に使う「削り墨」である。 ・蕭白は、この龍の目の周囲にこの削り墨を幾重にも塗って、メダマを浮き上がらせている。背景にも、この濃い黒を使っている。 ・龍の顔の向きや空気の流れなど、構図が似ている! ・京都の画家であった蕭白が見ている可能性が大。蕭白の《雲龍図》はこの画に触発されたのだろう。 3.「狩野光信《蟠龍図天井画》@相国寺」との比較: 狩野博之同志社大学教授+ARATA(井浦新)さん ・大きさは3mと大きく、蕭白の画と同サイズ。迫力があるが、蕭白と構図は違い、威圧感のある霊獣として描いている。蕭白の龍のナサケナイ滑稽な顔とはまったく違う。蕭白の龍は、巨大でありながら、人間を圧倒しない。蕭白には、権威を笠にきた高僧の使いを追い返してしまうという気概があったが、蕭白の雲龍図はそのような彼の気概を写している。 4.現代の《雲龍図》制作: DOPPELのお二人 ・本気でフザケテイルという態度と自分のセンスを大切にするという蕭白へのオマージュとして制作。 5.グラフィックアーチストの感想とCM制作: タカタノリユキさん ・現実とは全く違うインパクトを感じる。ぶっ飛んでいる。非日常の世界に連れて行ってくれる。 ・アウトラインで形を明確にしてキャラクターを作っている。 ・雲龍図のマンガ的要素をモチーフとしたCMを作ってみた。 6.蕭白《雲龍図》を、当時のロウソクの灯りで見ると・・・: ・眼の周囲が落ち込み、メダマが出てくる。鼻や胴体も同じ。すなわち、立体感が出てくる。 ・異空間へ誘う幻想的効果によって、龍が別世界に連れて行ってくれる。 7.蕭白の描法について: 日本画家・中野嘉之画伯 ・排筆(はいひつ、18本の毛筆を連ねたもの)を使ったかすれた線によってスピード感を出している。爪の後方および前方に描かれている大気は、その濃淡によって切り裂かれている。 8.蕭白の他の「龍図」について: 狩野博之同志社大学教授+ARATA(井浦新)さん ・滋賀県のお寺にあるものを含めて3点の《龍図》の掛軸の紹介。細かいウロコ、細い線、丸い眼、下がった眉、威厳のない顔の龍たちだった。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-05-26 11:43
| 江戸絵画(浮世絵以外)
|
ファン申請 |
||