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シダネルはかなり前から知っている画家である。その穏やかな点描風の画は、なんとなく和むものでありながら、実際には、ちらとは見つつ彼の画の前を通り過ぎていた。10年間も続いている自分のHP「美術散歩」で「シダネル」を検索しても、出てくるのは2件だけだった(こちらとこちら)。
今回、この画家の回顧展が国内を巡回している。この展覧会には副題が二つ付いている。一つは「薔薇と光の画家」、もう一つは「フランス ジェルブロワの風」である。 ![]() ということで、新宿に行ってきた。この画家の展覧会を見るのに新宿駅前の喧騒を行き帰りするのはふさわしくない感じがして、別ルートで往復した。 渋谷駅南口から、京王バスの新宿駅西口行きのバスを使うと、損保ジャパンビルの目の前で降りることができる。バスは、NHKの脇から北参道を通り、甲州街道を突き抜けて、新宿公園の先で右折して、ビル街に入っていく。電車と違い、バスの乗客はみな穏やか。 閑話休題、展覧会は次のように9章に細分されており、それに従って観ていくと、自然にシダネルの全貌がつかめるようになっていた。 1.自画像 2.エタブル 3.人物像 4.オワーズ県の小さな町々 5.取材旅行 6.ブルターニュ地方 7.ジェブロワ 8.食卓 9.ヴェルサイユ この展覧会では、地図で画家の足跡を詳細に辿れるようになっていて、シダネルが激しく動いたことは分かった。 大雑把にいうと、シダネルはインド洋のモーリシャス島生まれだが、10歳で北フランス・ダンケルクに戻っている。18歳で、パリに行き カバネルのアカデミズム絵画を学び、さらに国立美術学校にも通ったが、これらになじめず、1885年(23歳)には北フランスの漁村エタブルに移った。 ここでシダネルは自然主義や印象主義のように、自然の光を描くことを学んでいったようだ。↓は、1889年の作品だが、ミレーの絵を彷彿とさせる。 ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() マルセル・プルーストが「失われた時をもとめて」の中で、フェルメールの《デルフトの眺望》に言及していることは有名だが、Wikiによると、シダネルについては、皮肉を込めて次ぎのように紹介しているとのこと。 Marcel Proust's mention of Le Sidaner's work in his novel In Search of Lost Time confirms its later reputation. In Sodom and Gomorrah, the narrator mentions that an eminent barrister from Paris had devoted his income to collecting the paintings of the "highly distinguished" but "not great" Le Sidaner. 画家にとっては、偉大といわれなくても名声があれば、それで十分だという意見もあるだろう。いずれにしてもシダネルは、彼の画と同様に、平穏で幸福な人生を送ったものと思われる。この展覧会を観に来られた方々も、このような幸せを一瞬だけでも共有できたのではないかと思う。わたしもその一人でした。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-05-25 13:39
| 国外アート
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