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071
夕されば 門田の稲葉 訪れて 蘆のまろ屋に 秋風ぞ吹く ・大納言経信曰く:夕方になると、芦葺き山荘の門前の稲にさわさわと音をたてて、秋風が訪れてくる。 ・棹を担いでいる男曰く: アッ、あそこに雁の群れが! ・左手に撞木をもった坊さん、右手で笠を持ち上げつつ曰く: 本当だ。雁が家並みの方に下りてくる。落雁だね。風にたなびく稲の穂波も秋らしいよ。 音に聞く 高師の浜の あだ波は かけじや袖の ぬれもこそすれ ・袖を引かれた女性曰く: 冗談じゃないわよ。あんなスケベそうなオジサン、すぐ飽きて捨てるんでしょう。後で泣いて、涙で袖を濡らしたくないね。 ・草履を揃える人夫曰く: チップをはずんでくれれば、何でもするぜ。 ・北斎の反応: とらさん、ご質問多謝。しかし、これは当工房の「企業秘密」なので、答えを控えさせていただきます。 073 高砂の をのへの桜 さきにけり 外山のかすみ たたずもあらなむ ・前中納言匡房曰く: 遠くの山頂の桜も咲いたなぁ。この美しい桜が見えなくならないように、霞が立たないいことを願うよ。 074 憂かりける 人を初瀬の 山おろし はげしかれとは 祈らぬものを 075 契りおきし させもが露を いのちにて あはれ今年の 秋もいぬめり ・親父、小声で曰く: 今年も講師になれなかったから、あんまり偉くないらしいよ。 ・光覚の隣の男、なぐさめて曰く: 来年こそは、太政大臣のお力で何とかなりますよ。 ・光覚のつぶやき: だめな親をあてにした俺が悪いのよ。 ・北斎のつぶやき: 分かってるなら、訊くなよ。 076 わたの原 こぎいでてみれば 久方の 雲いにまがふ 沖つ白波 ・船の漕ぎ手B曰く: 北斎さん、こんなデカイ浪描かないくれよ。そちらは、Great Wave で世界的に有名になったのだから、もういい加減にしてほしいな。 ・とらの質問: ところで北斎さん、今年の大河ドラマ「平清盛」はちょうど保元の乱のところが放映中なんだ。この歌の題詠を命じた崇徳天皇と作者の藤原忠通は保元の乱で戦うってことは、とっくにご存知でしょうが、大浪に呑まれそうになっているのが崇徳天皇の見立で、遠くの船から眺めているのが後白河天皇を奉じた藤原忠通ということはないのだろうね。 ・北斎答えて曰く: とらさん、深読みするねぇ。これは、ご想像にお任せしたほうがよさそうだな。 077 瀬を早み 岩にせかるる 滝川の われても末に あはむとぞ思ふ ・橋の上で老いた農婦に出会った上流階級の女性曰く: この女とは以前に逢った気がするが・・・。なるほど、これは北斎の悪戯だな。農婦が昔の私の愛しい女性の見立て、上流階級の女性が私の見立てというわけか。昔の私には女々しいところがあったというわけなのだろうか。 ・北斎儀、謹んで申す: 崇徳院さま、お気づきになりましたか。鳥羽上皇には勝手にやられ、後白河天皇にも負けて配流に憂目にあうなど、男性としては本当にお気の毒な人生でした。次の世には女性としてお生まれになられれば、ずっと幸せな人生を送ることができるかもしれないと存じ、かような絵を描いてしまいました。もちろん、前世での愛しいお方はこのような年老いた農婦になっておられるかもしれませんが。 ・崇徳院曰く: 北斎め、不埒だぞ。時空を超えて、お前を罰しに行きたいが、そうもいかないので、切歯扼腕しておる。本当に「男はつらいね」。 ・とら、崇徳院に向かって奏上: まことにもって御意。「ふうてんの寅」も同意でござる。 078 淡路島 かよふ千鳥の なく声に 幾夜ねざめぬ 須磨の関守 (註)「製塩の工程」はこちらを参照しました。揚げ浜塩田での作業工程は以下のように複雑です。 ▲海水汲み、▲荒潮桶で海水を塩田へ運ぶ、▲汲み上げた海水を引桶(ひこけ)に入れる、▲打桶(うちょけ)で海水を霧状に撒く、▲鹹砂(かんしゃ)寄せ、▲細把え(こまざらえ)を使って鹹砂を浮かす、▲鹹砂を沼井中心に柄振(えぶり)を使って蒐集、▲端間桶(はざまおけ)へ込みで鹹砂を入れる、▲実桶(みおけ)に鹹水を汲み入れる、▲鹹水を釜屋へ運んで、濾過・脱色する、▲鹹水を煮詰めて塩を取り上げる。 079 秋風に たなびく雲の たえ間より もれいづる月の 影のさやけさ ・松明を持った少年曰く: わたしには、少なくとも松明は必要ですよ。 080 長からむ 心もしらず 黒髪の 乱れてけさは ものをこそ思へ ・北斎曰く: 江戸時代の男もこの手にやられるのよ。 ・とら曰く: 平成の男も同じでしょう。 ©美術散歩 管理人 とら リンク [001-010], [011-020], [021-030], [031-040], [041-050], [051-060], [061-070], [071-080], [081-090], [091-100]
by cardiacsurgery
| 2012-05-16 13:36
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