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ずいぶん前のことになるが、アメリカ東海岸で暮らしていたことがある。その時に、ボストン美術館を訪れて、有名な日本美術コレクションを見た。地下室のような場所に、仏像が多数展示されていて一種異様な感じを受けたことを憶えている。
近年、ビゲロー・コレクションの肉筆浮世絵や錦絵版画の展覧会が何度も開かれ、名古屋のボストン美術館分館では西欧絵画が常時見られる。このように、日本とボストンの美術関係は、非常に緊密である。 今回は、ボストンから浮世絵以外の日本美術が大挙して里帰りしている。明治初年の日本美術品の海外流出の経緯については、当時の関係者を美化称揚する向きが多いが、図録中のコラム「大阪で買いまくったアメリカ人、世界に売りまくった日本人ーフェノロサ、ビゲローと古美術商・山中」に「知念理」氏が書かれているように、ものごとの両面を見る必要があると思う。 調べてみると、東博は1872年(明治5年)3月開設ということになっているが、これはその年に、日本最初の「博覧会」が湯島聖堂で開催され、その広告や入場券に「文部省博物館」と明記してあったので、その時をもって東博の開設としている。上野公園に博物館が建てられたのは、1881年(明治14年)である。 一方のボストン美術館は、1876年の独立記念日に開館している。 このようにほぼ同時期に開館した美術館同士の交流展であるから、まことに意義深い。ここでは、各方面における日米関係の成熟を素直に喜びたいと思う。 いつものように前置きが長くなってしまったが、140年の歴史に免じて、ご容赦願いたい。 平安時代の《吉備大臣入唐絵巻》は↓、 2000年の日本国宝展に一部だけ特別出品されていたが、全巻を通して見るのは今回が初めて。これはユーモアの極致。マンガの始祖である。 鎌倉時代の《平治物語絵巻 三条殿夜討巻》↓はドキュメンタリー。 「中世水墨画と初期狩野派」にも見るべきものが多かった。ここでのお気に入りをいくつか挙げる。 ・祥啓《山水図》 室町時代↓: 南宋の夏珪の広い空間構成の画に学んでいる。 ・長谷川等伯《龍虎図屏風》 江戸時代・慶長11年(1606)↓: 龍と虎の間の空間の表現は、見事としかいいようがない。龍は三本爪。 ・《龐居士・霊昭女図屏風(見立久米仙人)》↓: 霊昭女の脚に視線をそそぐ龐居士。籠造りどころではない。 ・《朝比奈首曳図屏風》↓: 青鬼と首曳をする朝比奈三郎。三郎の前の刀が美しい。 《雲龍図》は大作品で、修復が大変だったそうだが、龍の胴体の部分が欠落しているので、全貌を把握しにくい。《鷹図》の上の1点は、《雲龍図》と同じ寺院の襖だったらしいとのこと。全体像の解明が望まれる。 蕭白にこれだけの画風の変遷があったことを知ったのが収穫だった。来月、千葉市美術館で「蕭白ショック展」が開かれるので、 その時に彼の全貌が明らかにされることを期待したい。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-03-27 21:10
| 国内アート
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