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東洋文庫は長年、専門家だけの聖地であった。この文庫のことは、高校時代、漢文の清田清先生から聞いていて、一度は訪ねてみたいと思っていた。ところが、どういう風の吹き回しか、2011年11月に東洋文庫ミュージアムが一般公開されることになった。寒い時期の開館記念展はパスして、暖かくなってきた今日、この東洋文庫ミュージアムを覗いてみた。
ミュージアムの入口ではA4のカラー地図をもらう。これはなかなかの出来である。チケットをもらえなかったので、聞いてみると、入場券のレシートで代用しているとのこと。小中学生は美術館のチケットを大切にしているので、淋しがるだろう。チケットの通し番号をモギッテおくのは、納税のためと聞いていたのだが、最近は問題がなくなったのだろうか。 閑話休題、「オリエントホール」に入る。ここにはアジアの海賊関係の書籍が並んでいる。展示品のリストは受付ではいただけなかったが、HPに載っているので帰ってきて参照した。 チラシには海賊という字が大きく書かれているので、さぞ沢山の展示品があるかと期待していたのだが、それほどでもなかった。このホールで「東の海の海賊たち」に直接関連しているものは、以下の7点ぐらい。 《東の海の海賊たち》、《マラヤの海賊》、《東インド諸島での海賊行為》、《中国の海賊に捕われたフランス女性》、《トンキンの海賊に捕われて》、《南中国沿岸の海賊たち》、《中国海賊と過ごした日々》↓(この写真は女性海賊。著者は一緒に過ごしたとのことだが、ひょっとするとヤラセかも・・・) ネットで探してみたら、「俺たちゃ海賊」というサイトを発見した。タイトルはユニークだが、中身はひどく濃いようだ。 並んで出ていた↓のユルキャラにま思わず笑ってしまった。これは中国・夏王朝の伯益の「山海経」(せんがいきょう)に出てくる伝説上の人物「形天」。 この絵には「形天 無首 操干戚 而 舞、以乳目為 以臍為口」という文が付いている。ネットで調べると、「形天は帝と争った。帝はその首を切り、彼を常羊の山に葬った。すると乳が眼となり、臍が口となって、干戚(盾と斧)を操って舞った」との説明がついていた。 自分で20ケぐらいの画像を選ぶと、ソフトでそれを並べ、国立情報研究所のサーバーにアップロードされ、それを受付でダウンロードしてオリジナル絵葉書としてプリントアウトしてくれる仕掛けらしい。 私「とら」の作品《No 1》は、↓である。右下には日付けと作者「とら」の名前も印刷されていたが、読みにくいので、私が画像処理で左下に付け加えたように、もう少し大きな文字にし、タイトルも入れた方が良いと思う。 《中国海賊の歴史》、《香港の海賊》、《海賊艦隊撃破》↓、 教育的なパネルがいくつもあったが、その中では「おてんばコルネリア」が面白かった。「おてんば」の語源はオランダ語(ontembaar)。この言葉は、長崎のオランダ人が、日本人女性の御しがたい性格を表したものらしい。 コルネリアは、平戸のオランダ商館長を父に、日本人を母に生れ、幼くしてバタヴィア(現、ジャカルタ)へ追われた混血娘。17世紀最強の商業国オランダのアジア植民地社会における隷属的な地位にあらがった「おてんば」女性である。 平戸の松浦史料博物館(記事はこちらとこちら)のことを思い出すとともに、「長崎物語」の唄がよみがえってきた。 ♪♪ 赤い花なら曼珠沙華、阿蘭陀屋敷に雨が降る。なぜに泣いてるジャガタラお春、未練な出船の、ああ鐘が鳴る、ララ鐘が鳴る ♪♪ 孫を連れてきたら、この唄を歌わなければならない。 ちなみに、「ジャガタラお春」とは、鎖国によってジャガタラ(ジャカルタ)へ追放された長崎生まれの混血女性。父はイタリア人航海士ニコラス・マリン母は日本人のマリア(洗礼名)。 このセクションには次のようなものも出ていた。 《アジア図》↓。東インド会社のブラウの作。地図両端には民族衣装に包まれたアジア人、上部には東インド会社が進出した主要都市が描かれている。ただし地図上、まだ北海道は存在していない。 デジタルブックの《リンスホーテン航海記》と《シーボルトNIPPON》は拡大表示だけで面白くない。 次は「回顧の道」。廊下が「クレバスエフェクト」のあるガラスで、落ちそうな感じがするので、壁面の作品はおちおち見ていられない。 《国宝 文選集注》は大したものらしいが、孫を連れてくるとすれば、それまでに勉強が必要。「もんぜんしっちゅう」という読み方からして難しい。展示替の予定は、Ⅰ期《 文選集注 巻五十九の二》 平安中期書写(3月7日~ 4月2日)、Ⅱ期《 文選集注 巻六十八》 平安中期書写(4月4日~ 4月30日)。 調べてみると、「文選」とは南北朝時代の梁の昭明太子(501-531)が編纂した詩文集で、過去1000年間の100人以上の文人の詩文約800首が含まれている。文選の日本伝来は7世紀頃で、平安朝にはさかんに読まれたとのこと。 英雄、栄華、炎上、解散、禍福、家門、岩石、器械、奇怪、行事、凶器、金銀、経営、傾城、軽重、形骸、権威、賢人、光陰、後悔、功臣、故郷、国家、国王、国土、国威、虎口、骨髄、骨肉、紅粉、鶏鳴、夫婦、父子、天罰、天子、天地、元気、学校、娯楽、万国、主人、貴賎、感激、疲弊という熟語はすべて「文選」から出ているというから驚く。 「文選集注」は、もともと国内に120巻あったといわれるが、現在はその多くが失われ、東洋文庫、金沢文庫、東博などに全20巻が残っているだけとのことである。 浮世絵は大好き。サクラにはまだ早いが、摺りの良いものが2点出ていた。東洋文庫の浮世絵の保存状態が良いのは、今まで公開されてこなかったため。今回の公開にあたって、「① 1つの浮世絵は、3年間に28日間のみ展示、②連作ものについては、必要に応じ実物と精密複製を併用して展示」という原則を定めたとのことである。ボストンのスポルディングコレクションのように原則非公開でないだけ良かったと思うことにしよう。 《 御殿山花見駕籠》↓: 三枚続のうち、右のみ本物、中・左は複製。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-03-16 20:33
| 東洋アート
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