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「廃墟の画家」と呼ばれる18世紀のフランス風景画家ユベール・ロベール Hubert Robert の作品は、今まで何度も見てきたが、いつもサラリと見る程度だった。
今回、ユベール・ロベールのサンギース(赤チョーク)素描を沢山所蔵するヴァランス美術館(Musée des beaux arts et d'archéologie de Valence)の増改築を機に、この展覧会が開かれた。油彩が比較的少ないのは物足りなかったが、この画家の全貌を知ることができたのは良かったと思う。 章別の解説パンフレットのみで、作品リストがなかったので、メモを頼りに記事を書くこととする。(註: その後、HPでリストを見つけたので、記事を修正した) 第1章 イタリアと画家たち ・ユベール・ロベールのこと: 1733年、パリ生れ。父ニコラ・ユベールはスタンヴィル侯爵の侍従。1754年、侯爵の息子のイタリア旅行に随行したロベールは、以後11年間にわたって画の研鑽にはげんだ。幸せ者ですね。 この画↓の原作者はエリザベート・ヴィジェ=ルブラン。マリー・アントワネットのお抱え女流画家。後に、フランス革命を逃れて亡命している。 ・18世紀になって、古代の遺物が画面を構成する重要な要素となってきた。その例は、セルヴァンドーニ《コロッセウムとガイウス・ケスティウスのピラミッドのあるローマのカプリッチョ》、国立西洋美術館蔵のパニーニ《古代建築と彫刻のカプリッチョ》。 第2章 古代ローマと教皇たちのローマ ・大きなピラネージの版画集「ローマの遺跡 第1巻」と「ローマの景観」が出ていた。前者には《ローマの地図》↓ ・時代別に並んでいる淡彩画↓やサンギース素描によって、ロベールがローマの名所旧跡を夢中でスケッチしていたことが分かる。中には、ロベール本人を思わせる写生する画家が描きこまれている素描↓↓もあった。 ・古代遺跡、教会建築の他に、古いヴィラの庭園、ローマから離れた場所のピトレスクな風景など多彩なモティーフの作品を残している。 ・《サンピエトロ大聖堂の柱廊の開口部の人々》ヴァランス美術館蔵↓。 ・《ティヴォリの滝》プティ・パレ パリ市立美術館蔵↓。 ・フラゴナールの《丘を下る羊の群れ》国立西洋美術館も出ていた。 第4章 フランスの情景 ・1765年、フランスへ帰国。翌年王立絵画彫刻アカデミーへの入会許可。フランス貴族社会の中枢で活躍。 ・1780年代、ルーヴル宮内にアトリエ。王室絵画コレクションの管理。 ・旧体制期のフランス風景を描いた。《サン=ドニ教会の内部》ヴァランス美術館蔵↓。 ・《古代遺物の発見者たち》ヴァランス美術館蔵↓には、古代との出会い、地下へ下ろした梯子、アーチ、奥から差し込む光などが見られる。これらはイタリア時代の素描に描かれているもので、古代が日常生活内に溶け込んでいたイタリアの思い出の中の古代遺物を組み合わせたもの、すなわち「奇想の風景」である。 ・この章には、ロベールの他の作品としては、《スフィンクス橋の眺め》東京富士美術館蔵と《教会の中の埋葬の場面》ヴァランス美術館蔵、《凱旋橋》ヴァランス美術館蔵↓が出ていた。 ・その他の画家の作品としては、ヴェルネの《夏の夕べ、イタリア風景》国立西洋美術館蔵、リチャード・ウィルソンの《ティヴォリの風景》国立西洋美術館蔵が出ていた。 ・《メレヴィルの城館と庭園》イル・ド・フランス美術館蔵も出ていた。 第6章 庭園からアルカディアへ ・イタリア時代のモティーフは庭園デザインにも役立った。 ロベールが獄中で描いた皿絵《牢獄風景(サン・ラザール牢獄の囚人たちの散歩)》国立西洋美術館蔵も出ていたが、「盛者必衰の理」を表しているようだった。死刑を宣告されていたロベールが死を免れたのは、他の囚人が間違って彼の代わりにギロチンに送られたからだった。まさに危機一髪。 ロベールは、1794年7月のロベスピエールの失脚・処刑後に釈放され、1795年には、ルーブル美術館の前身である「美術館ギャラリー」の管理者の職に就いているのだから、まことにしぶとい男である。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-03-14 11:36
| 国外アート
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