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またまた言い訳になるが、ここのところ多忙でブログを書く時間もなかった。今日になってやっと時間ができたので・・・。
NHK BSプレミアムの再放送「額縁をくぐって物語の中へ」に時々遭遇する。今週は「北斎と富士」のシリーズである。今日は、富嶽三十六景の《尾州不二見原》と《遠江山中》の物語。 A.《尾州不二見原》 Part 1: 有名な「桶屋の富士」 ・桶の下、向かって左寄りに描かれた棒を外すと、桶が動き出して職人が倒れそうになる(アニメ)。なるほど、この棒はストッパーだったのだ。 ・左に描かれた緑色の帯状のものは「箍(たが)」。すでに桶の外側に巻かれている。そういえば「箍が外れる」という言葉があったが、この漢字を読める平成人は少ないだろう。今や「桶」と「樽」の違い(こちらのコラム参照)さえ知らない人が多くなっているのだから無理もない。 ・「セン」というものが描かれている。木を削る刃物である。漢字では「銑」と書くらしいが、これは知らなくて当然だろう。番組でもこの漢字は出てこなかった。アニメではナビゲータがこの「セン」を振り回していた。〇〇〇に刃物とは言わないが・・・。安養寺屋さんのHPで借用した画像は↓。 ・「この画には鉋屑がないのはどうして?」という質問が追い打ちをかけてくる。ここでおもむろに次の版画が登場する。 B.《遠江山中》: ・「子供をおぶった母親の向こうでこちらに背を向けて坐っているこの子の兄さんは何をしているの?」 (答)たき火で木屑を燃やしている。そうです《尾州不二見原》の鉋屑もこうやって焚いて、きれいにしたのですね。 ・アニメでは、手前中央でお弁当を広げだしたが、もちろんこれは空想の世界。 ・富士山がA字形に組まれた支え棒の間に描かれている。この支え棒は鳥居の見立で、富嶽信仰を表しているとの説明。信ずる者は救われん! A.《尾州不二見原》 Part 2: 富士山と桶との関係 ・名古屋あたりのこの地は桶造りでとくに有名だったというわけではない。 ・ここは富嶽三十六景の中では一番富士山から離れた場所で、富士山は晴れた日でなければ見えないし、見えてもその姿は小さい。 ・この画には朝焼けが描かれている。太陽が昇る寸前の景色である。「丸い桶は太陽を象徴していると考えるのは深読みだろうか」という大胆な仮説まで登場した。 ・いずれにせよ、この画は北斎のフィクションらしい。1812年、北斎53歳の時に関西旅行した際に名古屋の門人牧墨僊の家に逗留しており、「北斎漫画」も1814年に名古屋の永楽屋からその初編が刊行された。「この画はそういった北斎の個人的な思い出に関連しているのだろう」というのがこの放送の〆であった。 なかなか面白かった。 美術散歩 管理人 とら 【参考】 今までの「額縁」の記事 ・2011.6.24 ドニ《セザンヌ礼賛》 ・2011.6.25 スーラ《ポーズする女たち》 ・2011.6.26 ヨハン・ゾファニー《ウフィツィ美術館のトリブーナ》
by cardiacsurgery
| 2012-02-15 21:33
| 浮世絵
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