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大相撲初場所千秋楽の日に両国に行ってきた。今場所は優勝が早々と決まったので、前から考えていた江戸博行きとした。2時ごろに駅を降りるとなんとなく賑やかな雰囲気が伝わってくる。博物館までの道すがらお相撲さんとも行き会う。
大河ドラマ「平清盛」も2回目まで終り、この日の夜が第3回目というところ。新聞には、某県知事が「汚いドラマだ」といったとか、視聴率が低いとか、あまり評判は芳しくない。一方、NHKは日曜美術館で江戸博のこの展覧会をバックアップ。 ![]() 後で図録をみたら、板橋区立美術館の安村敏信館長がこの展覧会に関わっておられたらしく、上記のキャッチフレーズはまさしく安村流だったのだということが判明した。 閑話休題。以下、展示の流れに沿って感想を・・・。 第1章 平氏隆盛の足跡 まず、平清盛が白河法皇の落胤だったという証拠の文書、滋賀・胡宮神社蔵の《仏舎利相承系図》が出てきた。今回の大河ドラマは、この文書に準拠していたようだったが、系図くらい信用できないものはないことは大方の知るところ。 次は、保元・平治の乱の絵。 これらの複雑な登場人物を、折角復習していったのだが、豆粒大の人物の同定はきわめて困難。保元合戦図屏風(↓)はその一つ。 ![]() この中での今回のお気に入りは、MIHO MUSEUMの《六波羅合戦巻断簡》(↓) ![]() 《平家物語絵巻》では、土佐佐助筆・林原美術館蔵の第2巻と第6巻を見ることができた。なかなか美しい絵巻だった。これは36巻すべてが残っている貴重な絵巻とのことだが、帰って図録を見たところ、画像が載っているのは第3巻・第5巻・第11巻で、私が見たはずの第2巻・第6巻の画像は載っていない。 どうしたことかと図録を見ると、この展覧会は、東京の他に、神戸・広島・京都でも開催されるということが分かったが、図録の最後のリストを見ても、どれがどこで出展されるのか記されていない。 さらに云えば、図録の解説は「短小」で、例のキャッチコピーだけが幅をきかせている。板橋区立美術館のキャッチコピーは会場内に限られ、図録には書かれていないので、いつもリストにメモしてきていたのだが、今回の図録にはそれと対照的に「軽薄」な記載が幅を利かせており、内容の「重複」も目立っている。 「築島に三十人に人柱。その身代わりになった松王丸の物語」というキャッチコピーの付いたきれいな奈良絵の貼交屏風が2点出ていた。ストーリーは勉強になったが、肝心の奈良絵は会場でも図録でも小さくて残念。 第2章 清盛をめぐる人々 桃山-江戸時代の鳥羽法皇・美福門院像や、鎌倉時代の後白河法皇像や北面の武士でありながら出家して漂泊の人生をおくった西行法師像はじっと見てきた。ただ、平重盛、平敦盛、高倉天皇などの江戸時代の肖像画の信憑性はどのように担保されるのだろうかと疑問に思った。 お気に入りは、《西行物語絵巻(サントリー美術館)》↓や浮田一慧《雪中常磐図(三井記念美術館 ![]() 第3章 平氏の守り神-厳島神社 清盛が長寛 2 年 (1164) に一門の繁栄を願って奉納した、善美を尽した装飾経「平家納経」は4点出展されていた。その中の清盛自筆の《平清盛請願文》(↓下)の見返し絵の鹿(↓上)は、1602年に33巻のうち何巻かが当時の安芸守の福島正則の命によって補修されており、このとき俵屋宗達が表紙絵と見返し絵を描いたとされる3巻のうちの一つである。 ![]() その他の出展品は《法華経信解品第四》、《法華経法師功徳品第十九》、《法華経羅尼品第二十六》↓。 ![]() 田中親美の大正時代の摸本も出ていたが、その一部は大倉集古館でも見ている(記事はこちら)。 《金銀荘雲龍文銅製経箱(平家納経納置)》は見事。いつものように爪を数えてみると四爪(↓)。五爪の龍を天子の象徴とし、一般の使用を禁じたのは、元時代の1297年(大徳元年)以降であったのだし、さらに日宋貿易は主として民間ベースだったのだから、ここは中華思想や冊封制度とは関係がないのだろう。 ![]() ![]() 厳島神社の古神宝類では、《双鳳文螺鈿平塵飾太刀鞘》、《松喰鶴文様蒔絵小唐櫃》、《古檜扇》が見事だった。 平重衡所要と伝えられる《七弦琴》からは雅な音が聞こえてきそう。 第4章 平氏の時代と新たな文化 鎌倉時代の個人蔵《愛染明像》や平安時代の京博《十二天像のうち月天》、醍醐寺《閻魔天像》などの良い仏画が見られた。これらは、私が行った1月22日で展示終了となるのでラッキーだった。 清盛が宋との交易を進めたことで先進的文化がもたらされたことは、宋から重盛に贈られたという青磁碗《馬蝗絆》や、交易拠点であった博多・神戸・京都出土の貿易陶磁などで紹介されていた。 第5章 平家物語の世界 「平家物語」としては、大東急記念文庫蔵の延慶本が出ていた。平家琵琶《千鳥》も良かった。 平家物語を題材にとった木曽義仲、一の谷、屋島、壇ノ浦合戦などの絵画をいくつも見ることができた。 その中でのお気に入りは、《一ノ谷合戦図屏風》↓ ![]() ![]() 《那須与一射扇図屏風(個人蔵)》↓も良かった。 ![]() 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-01-25 17:31
| 国内アート
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