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今日の日曜美術館の放送は、今回の「北京故宮博物院200選展」の続報といっても良い。ちょうど連休だから、さぞ混雑するだろう。
この番組のゲストは、このブログの前々報・前報でも述べた浅田次郎氏。まさに適材適所の人選である。 以下に、この番組の内容を紹介させていただく。 北京故宮博物院の中から門外不出の名品およそ200点が、日本で初公開。特に名品中の名品といわれるのが12世紀初頭に描かれた「清明上河図」。春の清明節の一日、北宋の都「開封」の賑わいと、庶民の日常の様子を克明に描いた絵巻。これほど当時の人々の姿をいきいきと描いた絵は、世界でも類を見ない傑作である。 ここでこの絵巻の細部にわたる紹介がなされたので、その順序に従って画像をアップしていく。 1.清明節の花の運搬 浅田氏のこの神品に対する感想は、「1.案外小さかった。2.微細な線に驚いた。3.面白くて、楽しくて、寝付かれなかった。4.橋の上の人間のそれぞれのドラマを感じた。5.本店と支店の描き分けがおもしろかった。6.突然終わっているが、初めが緩やかに始まっていることを考えると、これには続きがあったと思われる」といったものだった。 徽宗の時代は、中国史上最も華やかな芸術の黄金時代だった。宮廷内に画院がつくられ、中国最高の汝窯青磁を生み出した。NHKのこの青磁の写真は、図録と異なり、正確な色調が再現されていた。まさに雨後天晴色である。 その後も、芸術を愛する皇帝たちが、故宮の名品を集め、また名品の誕生に力を注いだ。13世紀に景徳鎮で生まれたコバルトを使った「青花磁器」。その華やかな装飾は、西アジアにまで広がる大帝国を創り上げ、東西文化の融合を成し遂げた元の皇帝フビライ・ハンの功績によって生まれたものだった。銅の紅を組み合わせた「釉裏紅磁器」もこの時代に開発されたもので、青磁と釉裏紅を組み合わせたものもある。これらによって、「絵柄が自由に表現できる」という磁器の革命がおこったのである。 浅田氏によると、「宋から清までの間の支配6民族のうち、漢民族は2つだけで、異民族が4つを占めていた。異民族の持っていた文化コンプレックスが漢民族以上のものを作り出す原動力となっており、外来者はそれまでの文化を客観的に見て、新しいものを作り出していった。また定住していなかった異民族の行動や発想に自由度が高かった」とのことである。 また、故宮コレクションの礎を築いたのは、18世紀清の時代の皇帝・乾隆帝。少数民族が、多民族国家中国を支配するために、歴史的な芸術作品の収集に情熱を燃やした。さまざまな古典を集めるだけでなく、宮殿内に工房「造弁処」まで作り、さまざまな工芸品を生み出した。象牙で編み上げた作品、宝石をちりばめた盆栽、ヨーロッパの技術を取り入れた琺瑯などがこれにあたる。 さらに、養心殿のこと、《是一是二》図のこと、コレクションリスト《石渠宝汲》のこと、王献之の書を見るための小部屋のこと、趙孟頫の《水村図巻》が気に入っていたことなどの紹介もあった。 浅田氏によると、「乾隆帝は、自分で十全老人といっていまうほどのパーフェクトな人であった。中国生まれではありながら、出自の満州族に欠けていた中国美術に対する憧れを持ち続けているという微妙な時代の人間だった。中国の美術の良さを十分に理解していながら、自分だけのものとはしなかった」とのことである。 いずれにせよ、これら3人の皇帝が情熱を注ぎ、生み出した悠久の美が今回の展覧会の魅力である。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2012-01-08 13:53
| 東洋アート
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