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バロックの巨匠カラバッジオは、巧みなキアスクーロ表現と破天荒な生涯で有名である。その作品の数は限られており、フェルメール同様、世界を旅してカラバッジオ巡礼を試みる美術愛好家も少なくない。
2011年12月23日からBUNKAMURAで開かれる「フェルメールからのラブレター展」で、フェルメールの《手紙を書く女と召使い》が出展されるが、これは1690年頃の作品で、現在 アイルランド国立美術館に収蔵されているものである。 時を同じくして、昨日2011年12月9日にBS朝日で放送されたBBS「よみがえった名画の謎~天才画家カラバッジオが描くキリスト」に登場したカラバッジオの《キリストの捕縛》も現在はアイルランド国立美術館に所蔵されているものである。 フェルメール巡礼にせよ、カラバッジオ巡礼にせよ、ダブリンは遠くて、なかなか行きにくい場所である。そのようなダブリンに存在している名画2点の話題が揃って登場してきているのだから日本もまだまだ捨てたものではない。 さて、カラバッジオがローマ時代に描いた《キリストの捕縛》は、200年間、行方不明となっていたのであるが、この作品が1990年にダブリンで発見され、幻の名画として一躍有名になった。今回のTV番組はその発見の物語を解説したもので、きわめて興味深いものだった。 ![]() この作品はカラヴァッジョが描いた宗教画のなかでも、もっとも優れた作品といわれている。主題は「ユダの接吻」である。ユダがローマ兵に「自分が接吻する者こそ、キリスト!」と告げ、ユダの接吻を機にローマ兵がキリストを逮捕する瞬間である。キリストの左には福音者の聖ヨハネ、右にはユダ、ローマ兵が続き、一番右の頭が露わになっている人物はカラヴァッジョ自身である。暗い背景の中、いくつかの光源によって登場人物の表情がきわだたされている。 この画の注文主は、イタリア貴族チリアコ・マッティCiriaco Matteiであるが、1614年の彼の死後、息子のジョヴァンニ・マッティが相続し、1623年のジョヴァンニの遺言では甥のパオロ・マッティに遺贈されている。以前にはこの画は有名だったらしく、沢山の複製画が作られている。 パオロには息子がいなかったため、6枚の画がマッティ家から売りにだされた。しかし、その目録では、この画はオランダ人画家ホントホルストの《キリストの捕縛》になってしまっていた。 1802年に、イタリア旅行に出かけたスコットランド貴族のニスベットWilliam Hamilton Nisbetがマッティ家からこの画をホントホルストの作品として購入し、1920年代までニスベット家の邸宅の食堂に飾られていた。 1921年に、コンスタンスMary Georgina Constance Nisbet Hamilton Ogilvyが亡くなり、ニスベット家直系が絶えた際、スコットランド国立美術館に寄付される可能性もあったのだが、結局この美術館は引き取らなかった。残念なことをしたものだ。 結局、この画はホントホルストの作品としてオークションにかけられ、画廊経営者ジョン・ケンプ・リチャードソンが落札した。 一方、1920年、アイルランドの警官リリア・ウィルソンが恨みを買って殺されるという事件が起こった。妻の小児科医マリーが、夫の追悼のため教会にステンドグラスを寄贈しようとしたが、当時有名なステンドグラス職人がたまたまスコットランドに出かけていたので、マリーはスコットランドに行き、そこでこの《キリストの捕縛》に遭遇した。マリーはこれを購入して、ダブリンに持ち帰り、1930年に、イエズス会修道院に寄贈した。 その後、この画はずっとイエズス会の修道院の宿舎の食堂に飾られていた。この頃にはこの作品はホントホルスト自身の作品ではなく、その複製と認識されていた。 1990年、たまたまこの画の修復依頼を受けたアイルランド国立美術館の絵画修復士セルジオ・ベネデッティSergio Benedettiは、その直感で、本当の作者がカラバッジオであると考えた。 この作品がカラバッジオの真作であることを証明するため、ロンドンのナショナルギャラリーに持ち込まれた。そこで最新の技術を駆使し、カラバッジオの特徴と照合するために絵の具や筆使いを科学的に徹底して調べあげた。その結果は、これはカラバッジオの真作であることが確認された。 その後、この画はアイルランド国立美術館に無料で貸し出され、展示されている。一度実物を拝見したいものである。 参考 ・よみがえった名画の謎~天才画家カラバッジオが描くキリスト ・Caravaggio's Taking of Christ by FrancescaCappelletti ・Mythomorph: Beyond the Lost Caravaggio 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2011-12-10 13:11
| バロック
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