セガンティーニ観賞記録

　現在損保ジャパン東郷青児美術館で久しぶりにセガンティーニの回顧展が開かれている（記事はこちら）。これにちなんで、セガンティーニの日本国内の所蔵作品をまとめ、さらに今までに見たセガンティーニの作品を並べてみた。

A. 国内所蔵作品
１．風笛を吹くブリアンツァの男たち（国立西洋美術館）
　1883-85年頃、107.2 x 192.2cm　旧松方コレクションで、来歴は、Felice Grondona, Milano; Kojiro Matsukata; Private collection, Kobeとなっている。歩行器には乳児。男たちの吹くバグパイプに耳を傾ける農婦たち。土間に雛を従えた雌鶏、右奥には牡牛。現在、西美の常設会場で展示中とのことである。

２．羊の剪毛（国立西洋美術館）
　1883-84年、117 x 216.5cm
　旧松方コレクションで、正確な来歴は、グロンドーナ・コレクション（ミラノ）；松方幸次郎；十五銀行；個人蔵（兵庫県）, 1934-2008年。今回の展覧会の東京展には出なかったが、展覧会図録に載っているので、他の会場には出品されたようだ。以前に、所蔵水彩・素描展－松方コレクションとその後＠国立西洋美術館で見た際に撮った写真は↓。
３．畑で眠る少女（国立西洋美術館寄託作品）
　以前に、所蔵水彩・素描展－松方コレクションとその後＠国立西洋美術館で見た際の記事に載せた画像は↓。４．アルプスの真昼（大原美術館）
　1892年、86x80cm　　大原美術館で見た最初のセガンティーニ作品で、モダン・パラダイス＠東京国立近代美術館でも見ている。今回の展覧会には同名のセガンティーニ美術館所蔵作品と並んで展示されており、壮観だった。この画についての記事はあちこちに書いている（①、②、③）

５．水飲み場の牛（サントリーミュージアム天保山）
　サントリーミュージアム天保山は昨年閉館してしまい、現在の所在は不明である。画像は旧知のKenさんのＨＰから借用したもので、自分の目では見ていないように思う。
　
　類似の構図のミラノ市立近代美術館所蔵作品がミラノ展（千葉）で、セガンティーニ美術館所蔵作品がスイス・スピリッツ－山に魅せられた画家たち＠BUNKAMURAならびに今回のセガンティーニ展で来日している。

６．婦人像（ふくやま美術館）
　1883－84年、120x87cm　日本の美術館の名品展＠東京都美術館（記事はこちら）で初めて見て驚いたが、今回の展覧会にも出ていた。


B. 国内展覧会で観賞した国外所蔵作品
１．アルプスの真昼（セガンティーニ美術館）
　1981年、77.6ｘ71.5cm　この画はスイス・スピリッツ－山に魅せられた画家たち＠BUNKAMURAで見た（記事は①、②）。羊飼いの女はアルプスのマリア像のように堂々としている。今回のセガンティーニ展にも出ていた。

２．ジョバンニ・ジャコメッティ・ジョヴァンニ・セガンティーニ《ふた組の母子》（ビュンドナー美術館）
　1899－1900年、69ｘ125㎝　スイス・スピリッツ－山に魅せられた画家たち＠BUNKAMURAで見ているが（記事は①、②）、今回のセガンティーニ展にも出ていた。

３．生の天使（ブタペスト美術館）
　1894－95年頃、59.5x48.5cm１9世紀ヨーロッパ・ハンガリー絵画展＠Bunkamuraで見た（記事はこちら）。これより大型の作品（1894年、276 x 212 cm）がミラノにある↓そうだが、そちらは未見。　今回の展覧会にも同名の作品が出ていたが、こちらは1892年の作品でセガンティーニ美術館蔵のパステル画（59ｘ43㎝）だった↓。４．ギャロップで走る馬（ミラノ市立近代美術館）
　1886－1887年、82ｘ97㎝　ミラノ展＠千葉市美術館で見た迫力ある作品（記事はこちら）

５．水を飲む雌牛（ミラノ市立近代美術館）
　1887年、88ｘ70㎝　ミラノ展＠千葉市美術館で見た（記事はこちら）。類似の構図の作品が、上述のように旧サントリーミュージアム天保山にあったし、今回の展覧会にはセガンティーニ美術館（1892年、74ｘ61㎝）のものが出ている↓。
Ｃ．外国美術館での観賞作品
１．故郷への帰還（ベルリン博物館島： 旧ナショナルギャラリー）
　中欧美術散歩の際に見た（記事と写真はこちら）。日の当たる廊下に何気なく展示されていたので驚いた。

２．悪しき母たち（国立オーストリア美術館）
　1894年、105 × 200 cm　こちらも中欧美術散歩の際にウィーンで見た。

美術散歩　管理人　とら