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猛暑の東京・練馬。駅から近い美術館でなければ、途中で熱中症になってしまう。西武・中村橋から5分の練馬区立美術館の周囲の気温は36.8℃。展覧会の看板からも強い日差しが反射してくる。
彼は、マドリード・リアリズムの画家「グスタボ・イソエ」として知られるようになり、国内外で高い評価を受けるようになった。 彼のリアリズム表現は、対象を細部まで見つめて写実的に描くだけでなく、その対象が内蔵する本質的ものまで捉えようとする精神的な営みのようである。 日本でも野田弘志の知己をえて、2005年野田の後任として広島市立大学芸術学部の教授となったが、2007年に53歳で急逝した。 展示品は油彩のみならず、水彩も素晴らしい。模写や写生も楽しめる。幸江夫人が書かれたと思われるキャプションを読むと、描かれた時のいきさつが良く分かった。夫人はマドリードの日本大使館に勤務しておられた由。 お気に入りは、下記のように多数。 ・新聞紙の上の裸婦 1993-94:↑中左。この新聞紙も描いたのか。 ・鮭(高橋由一へのオマージュ)1994:↑中中。上手いとしか言いようがないが、高橋由一の《鮭図》中右↑と比べてみると、面白いことに気付く。礒江の鮭は左右が逆で、鮭が紐で板に縛り付けられている。まるでキリストの磔刑図のような気がした。 ・静物(柘榴と葡萄とスプーン)1994:↑下左。静物がスルバランの瓶のように聖なるものに感じられる。 ☆ ☆ ☆ ・薔薇と緑青2002:↓上左。同名の作品が並んでいたが、時間がかかったらしく皿の緑青が濃くなっていた。花はドライフラワーだからOKなのだが。 ・カリフラワーとカーテンのある静物 1988:"Bodegon" やSanchez という書き込みがある。 ・サンチェス・コタンの静物(盆の上のあざみとラディッシュ)2000-01:↓上中。いつか「スペイン・リアリズムの美」展で見た食用アザミの画↓↓を想い出した。 ・静物(鶉)1996:↓上右。キャプションには、「描きだしたときにはグロテスクに思えたが、出来上がってみると良かった」との夫人の感想。 ・Vanitas(虚栄)と私 2000-01:発病前の作品。 ・バニータスⅡ(闘病)2006-07:↓下左。最終作。亡くなったのは日本国内で、死因は呼吸不全とのこと。 ・アーリーレッド2004:↓下右。赤玉ねぎ。 ・自画像(習作)1976: デューラーの模写をやっている頃の作品。岸田劉生の人物画を想起させる。 ・人物 1982 ・窓辺の出来事 1987 ・カップとロザリオ 1997 ・棚の上のパンと瓶のある静物 1991 ・棚の中のカリフラワーと瓶のある静物 1992 ・鳥の巣 1996 ・蘭と時計箱 2000年代 ・収穫 1998: 葡萄と玉蜀黍 ・ORCHIDEE 2000: 蘭の花も上手い。 ・横たわる女(未完)2003: 別室に習作とともに展示されていた。 ・ウェイデン《聖母子》の模写 1979:派手な色彩の画だが、このような北方ルネサンスの精密描写の模写からスタートしていたことに驚く。 全体としてみると、厨房画、花卉図、ヴァニタス画などは伝統的なスペインリアリズム絵画の枠内に留まっているともいえるが、《深い眠り》や《新聞紙の上の裸婦》といった白黒写真のような女性像に磯江の独自性が強く表れていた。 印象深い回顧展だった。お勧めします。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2011-07-15 18:27
| 現代アート(国外)
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