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辻惟雄氏のいう「奇想の画家たち」のトップに来るのは、臨済宗中興の祖の白隠慧鶴(1685~1768)である。大雅は白隠のもとに参禅し、蕭白は白隠の表現を取り入れ、芦雪は白隠の弟子から学んでいる。 永青文庫の設立者である細川家16代の護立は病弱であったが、白隠が禅の健康法を説いた「夜船閑話」を読み、健康を取り戻した後に、白隠の書画を収集するようになり、現在、永青文庫にはおよそ300点の白隠が伝わっている。しかし実際には白隠が書いた書画の数は1万点以上で、かなりの数が海外にも流出してしまっているらしい。 番組は、芳澤勝弘花園大学教授、山下裕二明治学院大学教授、臨済宗僧侶で作家の玄侑宗久氏のパネル・ディスカッションが中心で、アメリカ人コレクターや美術史家、細川護煕氏、村上隆氏などへのインタビューなども交えたものだった。 しかし、白隠の作品の研究は欧米の方が進んでおり、欧米の愛好家は、書画だけでなく、白隠が追求した禅の精神そのものに感銘を受けているようである。「禅問答」として知られる難解な公案は、日本人にとっても容易には接近しがたい禅の教義だが、言葉や宗教も異なる海外の人々が白隠の書画を通じて、その世界観を貪欲に探求しようとしている。ジョン・レノンが白隠の禅画を所蔵しており、アメリカの作家サリンジャーも影響を受けていたとのことである。 この番組の中で、昨年10月1日~今年の1月9日まで、ニューヨークのジャパンソサエティで開催された白隠の展覧会のことが紹介された。 ・The Sound of One Hand: Paintings and Calligraphy by Zen Master Hakuin ・October 1, 2010- January 9, 2011 ・Japan Society, 33 East 47th Street, New York, NY 10017 在米日本人のブログを読むと、展示は69点。会場には有名な作曲家のジョン・ケージの言葉もあり、大勢のアメリカ人が見に来ていて、メモをとっている人もいたとのことである。 この展示会のタイトル"The Sound of One Hand"とは有名な公案『隻手音声(せきしゅのおんじょう)』のことで、《布袋隻手図》については、「両手をたたくと音がするが、片手の音はどうじゃ」と問いかけている図」と説明されていたとのことである。 自分では、2008年に永青文庫の「白隠とその弟子たち」展、2009年に「妙心寺展」を見たぐらい(記事は①と②)だったので、このニューヨークの展覧会の図録を取り寄せて読んでみた。 前文の中で、永青文庫のことにも触れられており、「作品の貸し出しは断られたが、図版の使用の許可はとれた」と皮肉交じりに書かれている。 続く序文は日本の禅宗と白隠のアウトラインで、これにひき続き、 1. LIFE IN ART, ART IN LIFE- Biological Influences in Hakuin’s Paintings and Calligraphy 2. BUDDHIST, SHINTO, AND FORK DEITIES 3. OLD DRAGONS, NEW DRAGONS: Hakin’s Zen Subjects 4. DAILY LIFE AND LIVING CREATURES 5. CONFUCIAN THEMES AND PAINTING-CALLIGRAPHY INTERACTIONS 6. HOTEI AS EVERYMAN 7. HAKUIN’S FOLLOWERS となっており、最後にエピローグで締められている。 沢山の図版が載せられており、説明も丁寧である。しかしなにせ禅の言葉である。英語も聞きなれない単語が多く、100%理解しようとするとちょっと疲れる。 しかし、日本語でも読みにくい白隠の賛の意味が英語では易しく解説されており、中には日本語がそのままローマ字で解読されているところもある。こうなるとどちらが日本人なのかよく分からない。 日本からのものとしては、龍澤寺・寶林寺・龍雲寺・金台寺・正宗寺・開善寺・永青文庫はなんとか漢字に直せた。 この展覧会はいずれ里帰り展覧会として日本国内で開かれるような気がする。日本の美術関係者が放っておかないだろう。もちろんそれまでに原発の問題が終息すればの話だが・・・。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2011-05-24 21:09
| 江戸絵画(浮世絵以外)
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