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「松下電工汐留ミュージアム」が「パナソニック電工汐留ミュージアム」と改名した。これは本年4月から松下電工がパナソニックの傘下に入ったためである。会社のリストラクチャリングで決して景気の良い話ではない。超贅沢なこの美術館も決して安閑としていられないであろう。
今回の展覧会は、美術館・博物館向けの「個別調光機能内蔵スポットライト」など自社LED照明器具のショールームとして利用されているが、このことについては観客側も前述の観点から容認していくだけの寛容性が求められる。 直前の東日本大震災でフランスからの出品が7点中止されたが、フランスのジョルジュ・ルオー財団の協力でこの展覧会が中止に追い込まれることはなかった。 日本人のルオー好きはつとに有名で、汐留ミュージアムの他に、出光美術館や清春白樺美術館などにも立派なルオーのコレクションがある。私自身、戦後間もない1953年に東博で開かれた「ルオー展」に父親に連れていってもらったという記憶とともに、ルオーの画は特別の存在となっている。 展示の内容はHPに詳しい。 第1章:巨匠に倣いてー古典主義的風景画 ![]() 《人物のいる風景》↑は月明かりに照らされた森と水辺の幻想的風景を描いた作品で、コローやロランを思わせる古典的な風景画。 第2章:生きた芸術へー自然・田園の風景 ルオーの風景画は、自然の美と悲劇性という二つの対立する世界観に裏打ちされているという。《風景 乗馬》↓は1911年のステンドグラス的作品で面白い。 ![]() ![]() ![]() ここには、ルオーの育ったゲットーともいうべき「孤独者通り」の淋しい作品が並んでいた。ブリヂストン美術館蔵の《郊外のキリスト》↓はおなじみの作品だが、おなかをすかした子供たちが、キリストに伴われて門口を回っている悲しい状景である。満月の光と3人の影が心に沁みる。 ![]() ![]() 「ユビュおやじの再生」は、フランスからの植民者のユーモラスな物語。「ミセレーレ」は悲劇的な物語。「伝説的風景」になってようやく聖書の状景が登場してくる。「受難」は完全に聖書の悲しい場面ばかりであるが、カラーなので救われる。↓はその一つ、《キリストと貧者たち》。 ![]() この章がハイライト。ルオーの淋しい風景画は聖書の情景と合体して、苦悩の世界を救う愛の美しい姿に昇華してくる。この最終章の画には以前に使われたモチーフが利用され、再登場している。 ポーラ美術館蔵の《夕暮れ》↓の白い満月、《キリストと漁夫たち》↓↓の太陽と青、《秋の終りⅡ》↓↓↓の黄色い太陽と黄緑、《聖書風景―我の所に子供を来させよ》↓↓↓↓の光の乱舞などはこういった歓喜のヴィジョンの象徴である。ルオーの死後に出てきた美しい小品たちもこの流れに沿ったものだった。 ![]() ![]() ![]() ![]() 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2011-05-23 00:07
| 国外アート
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