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前期(記事はこちら)が良かったので、後期は家内連れ。1人の時は電車ー電車ーバスだが、二人だと車。行きの甲州街道は混んでいたが、帰りはスイスイ。肝心の展覧会場は、観客が少なく、監視員とほぼ同数。そのためかやけに寒い。でも内容は凄い。
入ってすぐの「等身大」のセクションは、豪快な曽我蕭白《寒山拾得図》↓のド迫力。手や足の伸びた爪に圧倒される。横向きの拾得は何に向かって指差しているのだろうか。正面向きの寒山はこちらに笑いかけてくる。両者の白黒の対比は計算によるものだろう。 ![]() ![]() しかし、女性は落ち着いている。目は舟の方を見ている。舟にはだれか乗っているに違いない。右手に煙管を持っているのは余裕。左手に持つ岡持ちの正面には「あかしや」という店名。女性はそこの従業員らしい。食べ物を届けにきたこの女性が、舟の中の若いハンサムボーイに見とれているのかもしれない。 ![]() この展覧会で、はからずも島田元旦の《妓女図》(↓左)にお目にかかった。以前、鳥取で開かれたこの画家の展覧会を見逃して「行けなかった展覧会ー楊谷と元旦」という記事を書いたことがある。島田元旦は谷文晁の弟であるが、鳥取藩士となっていたのである。笹紅をさした唇や厳しい目つきはリアル。孔雀模様の帯は華やかで、南蘋派の花鳥画を得意とする元旦の真骨頂である。 ![]() 小泉斐の作品が2点出ていた。1点はこの美人画コーナーの《唐美人図》(↓左)で、優雅な女性の髪飾りが美しい。女性の羽織る薄衣や従者の持つ団扇の透過描写が見事である。「人という営み」のセクションの《月下弾琴図》(↓右)は空間表現が巧みで、文人の視線の先の月をあえて描かず、水面に映る月だけを描いているのもニクイ。 ![]() ![]() ![]() ![]() このセクションの月僊《仙人図押絵貼屏風》、曽我蕭白《琴高仙人図》、「海の向こうの不思議とロマン」のセクションの狩野栄信《劉備・孔明・五虎将》、佐竹曙山《蝦蟇仙人図》、曽我蕭白《仙人図》、「人という営み」のセクションの英一蝶《屋根葺図》、東東洋《夕日人影長》、若冲《布袋図》、仙厓《髑髏図》、「かわいい」のセクションの仙厓《指月布袋図》、狩野探幽《唐子遊戯図屏風》などお気に入りが沢山あったが、記事が長くなってきたので名前を挙げるに留める。 伊藤若冲の《付喪神図》(→)は、2007年に埼玉近美で開かれた「澁澤龍彦―幻想美術館」以来の再見(記事はこちら)。実にヘンな絵である。 今回の展覧会にはプロの目を通した素晴らしい作品だけが展示されていた。江戸絵画になじみが少ない方にも目の肥えた方にもお勧めできる企画だと思う。 最近、重い図録は、手に持って帰ってくるのがいやなので、なるべく買わないようにしているが、今回は車だったので思わず買ってしまった。しかし読み応え十分の内容で、拡大図が多く、図と文章が同一ページに載せられていてとても読みやすかった。 美術散歩 管理人 とら 追記: 「ばれたんの屏風工房」の今回の作品は↓ 前期の作品に彩色・文字入れしたものは↓↓ お笑いください。 ![]() ![]()
by cardiacsurgery
| 2011-04-22 10:32
| 江戸絵画(浮世絵以外)
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