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私は,1969-72年にボルチモアに留学した。同じ町であるので当然見に行っているのであるが、覚えているのはボルチモア美術館の前にロダンの「考える人」が置いてあったことと、そこでゴッホの企画展が催された時に、万障繰り上げて観に行ったこと、そして「ラクローの収穫」の中に富士山らしき山をみつけて多少望郷の念に駆られたこと以外ほとんど覚えていない。
という次第で、このように世界的に有名なコーン姉妹のマチスのコレクションを観ていたことは、まったく覚えていない。まさに豚に真珠といったところである。特にマチスは高校生か中学生の時に上京してきた叔父と父に連れられて、戦後間もなくルオー展やマチス展を観に行っているのであるから赤面の至りである。ボルチモアでは二人の子供を育てたので、美術鑑賞も急ぎ足ということにならざるをえなかったためかもしれない。留学中には、ボルチモア美術館のほかに、市内のウォーターアートギャラリー、ワシントンのナショナルギャラリー、フィラデルフィア美術館、ボストン美術館を訪れているのであるから、そのころ既に美術鑑賞の芽は出ていたのであるが、とても今の状態ではない。 コーン姉妹の選んだマチスの画はどれも優しく、流石に女性の目で選ばれたものである。「横たわる女」という裸体画は何回も何回も描きなおされて現在の姿になったものであることが、よく分かるように構成されていることに感心した。(1996.10a) HP 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2001-06-13 20:24
| 国外アート
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