記事ランキング
ブログパーツ
最新のトラックバック
外部リンク
以前の記事
2021年 01月 2020年 11月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 more... カテゴリ
全体
国外アート 西洋中世美術 ルネサンス バロック 印象派 印象派後期 現代アート(国外) 東洋アート 仏像 国内アート 江戸絵画(浮世絵以外) 浮世絵 近代日本美術 戦争画 現代アート(国内) アート一般 書籍 音楽 映画・写真 講演会 北海道の鈴 東北の鈴 関東の鈴 中部の鈴 関西の鈴 中四国の鈴 九州の鈴 ヨーロッパのベル アジアのベル アメリカのベル オーストラリアのベル 未分類 フォロー中のブログ
検索
その他のジャンル
ファン
ブログジャンル
画像一覧
|
フランス北東部のリールは、フランス・フランドル両文化圏の接点であるため、素晴らしい絵画が揃ったフランス第2の美術館があるという。このような美術館に自分で出かける機会はまず絶対にこないであろう。
ということで池袋に出かけたのであるが、充実した作品に圧倒され、本当のリール市美術館はすごいところだなということが、十分に推察できた。 1)のバロック前史には、ティントレット、エル・グレコ、アンニバーレ・カラッチなどがある。 2)のフランドルのバロックには、ルーベンス、ヨルダーンス、ダイク、テニールス、シベレヒツ、セーヘルスなどの立派な作品が並んでいた。特に、ルーベンスの「十字架降下」は高さが4メートルを超す大作で、リールのカプチン修道院の主祭壇に置くために描かれたそうである。「フランダースの犬」の少年が死ぬ前になって一目だけ見られた絵画もルーベンスの十字架降下を含む三連祭壇画であったのであろう。この絵をじっくりと眺めると、既に灰色になったイエスの右胸や両手・両足から生々しい血がほとばしり出ており、梯子で登り、キリストの左手と身体に巻いた白布を持ちながら、あるいはこれを下からも支えながら、ゆっくりと遺体を降ろす4人の弟子、そしてキリストの左手にすがりつく聖母マリアとマグダラのマリア、これを見上げる若い女性と老婆が一体化しており、そして何故か梯子をそっと降りている赤い帽子を被った男の姿も描かれている。 3)のオランダのバロックでは、ハルス、ファン・デル・ヘルスト、ヤン・ステーン、ウィッテ、デ・ホーホ、ベイエレン、オスターデ、ロイスダールなどの名品が競うように並んでいる。 4)のイタリアのバロックには、リス、リベーラ、グエルチーノ、ダ・コルトーナ、5)のフランスのバロックには、シャンパーニュの「降誕」、ミニヤール、ル・シュール、プッサンなどのきらびやかな絵画が展示されている。 そして6)のロココでは、ラルジェリエール、ウードリー、コワペル、ロベール、カナレット、グアルディ、ヴァトー、ランクレがあり、さらにゴヤの「老女たち」と「若い女たち」という対立した同じ大きさの油彩画が並置されていた。 本当に、西洋美術史の一部を切り取ってきた展覧会であった。(1993.5a) HP 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2001-03-10 16:54
| バロック
|
ファン申請 |
||