中国の画冊と画巻 ＠根津美術館

　これは「南宋の青磁」展との同時開催で、いわば刺身のツマであるが、なかなか面白かったので記事として残しておきたい。

○《聴颿楼集宋元画冊》　元～清時代：　アルバムに書画を貼りこんだ「画冊」。素晴らしい画が並んでいるが、ほとんど説明がないのは真に残念。大分変色してきているので、単眼鏡を持参すると良い。

　この中では、まず伝徐熙の《秋荷図》。この画像はチラシに載っている↓。荷＝蓮。そういえば、この蓮はちょっと元気がないかな。右下には、魚が一匹。　実は、この手前の画が素晴らしかった。蛙が左下でひっくり返ってお腹を突き出している。作者・年代については「妄自尊大圖見辛丑銷夏記」という自賛註から推定できそうであるが、詳細不明。お分かりの方はご教示ください（下記コメント多謝、参照文献）。また画像がないのがいかにも残念。

○《回乾進宝図巻》　清時代：　国外からの朝貢を描く「職貢図」は、中国の勢威を示す中華思想の体現。回乾（ウィグル）人ということになっているが、確証はない。この図巻を詳しく見ると面白い↓。上図右から、王様と后、護衛官、朝貢品をささげ持つ人々が描かれている。下図には、珊瑚を頭上に持つ異形の者、武人、青獅子・黄獅子を引っ張る者たち、最後に国旗と太鼓を持った軍楽隊などが見てとれる。○仇英印《竹林七賢図》　清時代：　これは上手い絵で、記憶に残っている。

美術散歩　管理人　とら