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38歳で夭折した画家の没後25年回顧展。
描かれている人物が特徴的である。頭部が比較的小さく、猪首、肩が張って、腰がすこぶる大きい。そして手足は比較的小さい。有元の画にはこのような人物が繰り返し出てくる。 女性なのだろうか、男性なのだろうか、それも定かではない。 この人物が舞台のようなところから天に向かってかけられた梯子を上っていく。この梯子はカーテンの陰に透けて見える。舞台の背景は低い緑の山並み。その上には青い空と不思議な形の雲。 色彩は全体に薄く、フレスコ画のようでもある。ひどく平面的な画でロマネスク調。梯子の影も描かれているが、これは舞台の端で切れている。 題名は画家の好んだバロック音楽に由来するものだろうが、画と結びつけて考えることはできない。 一言でいえば、シュールな画である。画家の脳裏に浮かんだままに描かれ、画家の思いつくままにタイトルがつけられたのではあるまいか。 このように一人だけの不思議な人物が繰り返し出てくる。2年前にこの美術館に棲み付いた舟越桂の怪人たち(記事はこちら)が、画となって再訪してきたかのようである。 なるほど、夏の庭園美術館は、このような怪奇な人物にピッタリの風格を備えている。 人物が舞台から階段を下りていく画や彫刻もあった。カーテンの中から手が出てくる画もあった。空と雲が切り取られて画中画として再現されている作品もあった。こういった点はマグリットの画を想起させる。 《室内楽》↓では、そのような空と雲の画が室内に取り込まれている。この人物は乳房が大きいが本当に女性なのだろうか。顔つきは中性的でもある。 「見ているうちにどこからともなくチェンバロの調べが聞こえてくるような、そこに音楽が漂っているような場面を作りたい」という有元の言葉が記されていた。この画から音楽が聞こえてこないのは、私のバロック音楽の素養が足りないからなのであろうか。 あるいは、有元の脳が特殊で、彼の後頭葉にはこのような人物が棲み付き、側頭葉にはこのような音楽が刷り込まれていて、作品の中で共振しあうのだろうか。 いずれにせよ、暑い夏の邸宅にふさわしい不思議な企画だった。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2010-08-01 21:36
| 現代アート(国内)
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