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これは待っていた展覧会。ファルネーゼ家が収集したルネサンス・バロック美術の作品とブルボン家が収集したナポリ・バロック美術の作品がやってきた。ファルネーゼ家が中心になった以前の「パルマ展」(記事はこちらとこちら)の続きのような展覧会のような気さえする。前売券を買って、初日に行ってきた。
いつもは借りない「音声ガイド」だが、今回のは「タッチ式ボイスリーダーペン U-SPEAK」を使う方式なので借りてみた。↓のアイコン画像にペンを当てるだけで、説明が聞こえてくる。40分もの大作。内容も明快。時間のある方にはお勧めしたい。 (その1.ルネサンス) ・マンテーニャ《ルドヴィコ・ゴンザーガの肖像》: 横顔の肖像画はマンテーニャには珍しいそうだが、コインなどには良く見られるので奇異には感じない。全体にソフトな色彩である。 ・ルイーニ《聖母子》: レオナルドの弟子らしく、スフマートが利いている。背景の右上にマリアのアトリビュートの百合が描きこまれている。これは絵葉書を買ってきた。 ・ヴォルテッラ《若者の肖像》: 石版に油彩で描かれた珍しい作品。装飾模様で縁取られている。未完成かもしれないとのことだが、記憶に残る名品である。 ・ティツィアーノ《マグダラのマリア》: 同じ構図の作品はピッティやエルミタージュのものを見ているが、今回のものが一番迫力があった。 ・アンニバレ・カラッチ《聖エウスタキウスの幻視》: 聖人の視線の先の岩の上に鹿。その角の間に磔刑のキリストが描かれている。同名のデューラーの版画を見たことを思い出した。その時にはこの磔刑像を見逃して恥ずかしい思いをした(記事はこちら)が、今回の図録には「十字架が見える」とだけ書いてある。これは間違いではないが不正確な表現なので、学芸員を呼んで注意しておいた。 ・アンニバレ・カラッチ《リナルドとアミーダ》: タッソ「開放されたエルサレム」より。第一次十字軍騎士リナルドは魔女アルミーダに骨抜きにされ、彼女の目を見つめ、鏡を差し出している。陰から心配する二人の騎士が様子をのぞいている。 ・スケドーニ《キューピッド》: 「パルマ展」で感心した画家。とくに《キリストの墓の前のマリアたち》が良かった。今回のこの画でも背景との明暗の対照が鋭い。もうひとつ出ていた同じ画家の《エッケ・ホモ》は3人の人物の大きさが不揃いでいただけない。 (その3. ファルネーゼ家と工芸): 素晴らしい彫刻、ランプ、陶器、杯、小箱、容器、時計が並んでいた。これぞ目の保養。詳細は見てのお楽しみ。 Ⅱ.素描: ポントルモ、パルミジャニーノ、ティントレット、レーニ、ランフランコ、リベーラ、ジョルダーノなど有名画家の作品が並んでいた。 Ⅲ.ナポリのバロック絵画: 2度ナポリに滞在したカラヴァッジョの影響が大きい。 ・カラッチョロ《カルヴァリオの丘への道行き》: マリアとヨハネを伴い、首に縄をかけられ、十字架とともに進むキリストの姿は暗い。 ・フセペ・デ・リベーラ《改悛するマグダラのマリア》(アイコン画像 2段目の左から5枚目): ナポリで活躍したスペイン画家。明暗がはっきりしている。 ・羊飼いのお告げの画家《放蕩息子》: これは巧い!!! ・アルテミジア・ジェンテレスキ《ユディットとホロフェルネス》: 先輩画家に犯された悲劇の女性画家は、このように激しい作品を残している。敵将の刀で敵将の首を斬るところ。血の流れがすざましい。通常女中は首を持つだけだか、ここでは殺人に関与している。 ・グアリーノ《聖アガタ》(イコン画像 2段目 一番右): 切断された両乳房からの出血を押えるアガタ。いったんは聖ペテロが軟膏を付けて乳房は再生するが、結局殉教する。 ・カヴァッリーノ《歌手》: 陶酔状態の歌手。手の表情が巧い。 ・マッティア・プレーティ《聖ニクラウス》(アイコン画像 最下段 左から4番目): アトリビュートの3つの黄金の玉。 ・ジョルダーノ《眠るヴィーナスとサチュロス》(アイコン画像 最下段 右から2番目): 白いヴーナすの肌が青い布で強調される。 めったに見られないナポリからの名品。お勧めの展覧会です。 美術散歩 管理人 とら (おまけ) 企画展で2点の聖ニクラウスや1点の聖マルガリータの画を見てから、常設展会場に足を踏み入れると、ボッティチーニの《聖ニコラウスと聖カタリナ、聖ルチア、聖マルゲリータ、聖アポロニア》が目に入ったので写真を撮った(最近整備された西美の画像パーマリンクはこちら)。 ・一番左のアレキサンドリアの聖カタリナの持物=博士たちの議論でも信仰を捨てぬ彼女に怒った皇帝が車裂きにかけたが、天使が車輪を粉砕した。学問教育の守護聖人。 ・左から二番目の聖ルチアの持物=両眼。自分の恋人が彼女の目のあまりの美しさに絶命しかかったので、自ら両眼をえぐった。男がキリスト教徒になったら、眼はもとに戻った。眼病の守護聖人。 ・右から二番目のアンティオキアの聖マルガリータの持物=龍。悪魔が龍の姿で現れて、彼女を呑み込むが、彼女は手にした十字架で龍の腹を切り裂いて出てきた。産婦の守護聖人。 ・一番右の聖アポローニアの持物=抜歯用のやっとこ。殉教の際に歯を抜かれた。歯痛患者・歯科医の守護聖人。
by cardiacsurgery
| 2010-06-26 21:32
| ルネサンス
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