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長谷川潾(りん)二郎という画家の名前を久しぶりで聞いた。1992年、宮城県美術館で「洲之内コレクション」を見た際に、この難しい名前の画家の《猫》を見ている。その時に買った薄い50点の図録に、この画像が載っており、さらに図録の裏面↓にも使われている。巻末のリストを見ると、洲之内徹は《猫》の他に、《道(巴里郊外)》、《バラ》、《早春の岬(伊東付近)》も所蔵していたから結構な入れ込み方である。
いい加減猫当たりしたところだが、チケットも《猫と毛糸》↓。この画は会場に入ってすぐのところに展示されていた。もちろん違う猫だが、その毛描きの精密さ、毛糸の表現の正確さなどには思わずたじろぐ。 長谷川潾二郎(1904-88)は戦前から戦後にかけて長く制作を続け、独自の写実表現を開拓た。いわゆる画壇的な世界には属さず、また時々の美術の流行にも超然たる態度をとり、結果として日本の近代美術史上極めて特異な位置を占めている。平明かつ温厚な写実表現でありながら、神秘的な幻想性を帯びたその作品は、みる者に忘れがたい印象を残す。何年もかけ、納得いくまで観察しないと描かない寡作、孤高ともいえる制作態度、江戸川乱歩にも称賛された探偵小説作家としての一面、家庭環境(父・淑夫 ジャーナリストの先駆け、兄・林不忘『丹下左膳』作者、弟二人は文学者)など画家潾二郎を取り巻くエピソードも多い。しかし、作品発表の場が少なく、一部の識者に高い評価を受けながらも、その画業の全体像はいまだ明確にされていない。公立美術館として初めての回顧展となる本展は、初期から晩年の作品を網羅し、そのきわめて独創的な絵画世界を検証する。最初は「初期の画業」としてまとめられている。この中では《ハリスト正教会への道》の構図や《ハリスト正教会》の背景の明るい青が目立ったが、なんといっても良かったのは《窓とカマキリ》↓である。窓で風景を切り取った単純な構図の画であるが、窓枠にとまった一匹のカマキリによって象徴的な絵画となっている。 そのうち、対象が次第に相互に独立して無関係なものとなり、超現実性を帯びてくるような画が沢山描かれるようになった。現場主義のリアリズムを貫きながら、幻想性をかもし出すという矛盾した二つの要素が一つの画から出てくるようになったのである。このことは《芭蕉の庭》↓、《玩具と絵本》↓↓、《アイスクリーム》↓↓↓などを見れば明らかであるが、このようなマグリットを思わせるシュールな画をもって長谷川の到達点とすべきなのではないかと思った。 「新収蔵品展」には、海老原喜之助の《曲馬》↓が出ていた。熊本県立美術館所蔵の海老原喜之助《曲馬》↓↓の前段階のものとのことである。後者は昨年「日本の美術館名品展」で見た「お気に入り」のエビハラ・ブルー。今日は海老原喜之助と何回も遭遇した。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2010-05-21 19:59
| 国内アート
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