記事ランキング
ブログパーツ
最新のトラックバック
外部リンク
以前の記事
2021年 01月 2020年 11月 2019年 02月 2019年 01月 2018年 12月 2018年 11月 2018年 10月 2018年 09月 2018年 08月 2018年 07月 more... カテゴリ
全体
国外アート 西洋中世美術 ルネサンス バロック 印象派 印象派後期 現代アート(国外) 東洋アート 仏像 国内アート 江戸絵画(浮世絵以外) 浮世絵 近代日本美術 戦争画 現代アート(国内) アート一般 書籍 音楽 映画・写真 講演会 北海道の鈴 東北の鈴 関東の鈴 中部の鈴 関西の鈴 中四国の鈴 九州の鈴 ヨーロッパのベル アジアのベル アメリカのベル オーストラリアのベル 未分類 フォロー中のブログ
検索
その他のジャンル
ファン
ブログジャンル
画像一覧
|
そこで今度は雨のウィークデイのお昼前に出かけた。森美は寒いことで有名なので、まず中村屋のとんかつカレーでカロリー補給。 待ち時間ゼロ。内部の混雑も十分に許容範囲。例によってリストがない。特異な六本木商法。「●●美術館展」の図録は買わないことにしているので、メモする手が疲れる。 前置きが長くなってしまったが、チラシには「名画のフルコースをどうぞ」となっている。コース料理は順番に出てくる。第1章は「多彩なる肖像画」。料理ならばまずは「食前酒」というところだろうか。 ティントレット《男の肖像》: 正装した精悍な顔つきの男性。額や頬の皺からその性格が読み取れる。 同じ画家の《青年の肖像》: 大きな目の青年。明るい色彩の服装が美しい。遠景が望まれる。 モローニ《男性と少年の肖像》: ルネサンス時代の肖像画スペシャリスト。モデルはアルボルゲッティ伯爵とその息子とされている。16世紀にこのような家族的な肖像画があったのである。 ベラスケス《ルイス・デ・ゴンゴラ・イ・アルゴテ》↓: ゴンゴラはスペインの宮廷詩人。この肖像画はベラスケスの初期の宮廷画であり、詩人の厳しい表情がそのまま表現されている。 ヴァン・ダイク《チャールズ1世の娘、メアリー王女》: この画はメアリーとオレンジ公ウィリアム2世との結婚話が進行中に描かれたもの。メアリーはまだ少女だったのに、成人の服装をさせられ、適齢期であることを示そうとしている。しかし体つきはまだまだ少女で、顔だけが大人っぽく描かれているので、違和感を覚える。彼女の父チャールス1世の宮廷画家だったヴァン・ダイクの苦心の作である。「すまじきものは宮仕え!」 ハルス《男の肖像》: ハルス晩期の作。自由闊達な筆致が表情、髪の毛、服装を生き生きとしたものにしている。オランダの肖像画家としては特異な大胆さが心地よい。 ゲインズバラ《エドマンド・モートン・プレイデル夫人》↓: これは美人ですね。すばらしい衣装。薄い青と白とのコントラストが見事である。手に持つブーケはバラだろうか。視線は斜め。男性は刺されないようにご用心。 トマ・クチュール《寡婦》: まだまだ若い女性が喪服のような黒い服、黒の肩掛けを身につけている。黒い毛髪、背景の暗い蔦などもこの画に淋しい感じを与えている。しかし女性の立ち直りは早い。こんな美人はすぐに新しい人生を見つけたのだろう。 ボナ《メアリー・シアーズ》↓: シアーズ家はボストン有数の名家である。この画は、1878年に国際的に有名だったBonnat に依頼され、作品はパリのサロンに出展された。名前は女性だが、中性的なヤンキー娘。ベストの前の花だけが女性であることを示しているようだ。 ロートレック《画家のアトリエのカルマン・ゴーダン》: この画家のお得意の赤毛の女性が、彼のアトリエで腰掛けている。ザラザラとした独特な質感の画。アトリエには沢山の作品が並んでいる。これはお気に入りの一つ。 ベルナール《画家の祖母》: 白髪と顔の皺の表現が写実的で、この老女の自信が巧く描出されている。服や椅子の茶色と黒に対する髪と顔の白の対照も印象的だった。 ピカソ《女性の肖像》: この分析的キュビスムの作品では、人物は背景に融合はしているものの、決して一体化していない。よく見ると、上部の髪の毛、長めの顔、大き目の腰など女性らしき姿が浮かんでくる。 このように、16ー20世紀にわたる大勢の画家による贅沢な「食前酒」だった。これだけでホンノリ酔った気がする。 記事は第2章に続きます。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2010-05-12 11:38
| 国外アート
|
ファン申請 |
||