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「東海道五十三対」展の総論は昨日書いたが、キャプションには説明ではなく、詞書をそのまま引き写したものが多かった。苦労しながらユックリ読んで、自分なりに消化してメモしてきた。ご参考になれば幸いです。拡大画像は国会図書館の貴重書画像データベースでみられます。
1.国芳《日本橋》: もちろん日本橋の背景には富士山。「手遊びもふり出す槍のにほんばし なまこえりさえ見ゆる魚市」(梅屋)がチョット難解。手に持つ奴人形の「槍を振る」と「ふりだし」、角ばった「なまこ」襟と「魚河岸」とかけている。 2.国芳《品川》: 雲助にゆすられる白井権八。右端に小塚原刑場の供養塔がみえる。 ![]() 3.国芳《川崎》: 新田義興の主従13人は、多摩川の矢口渡で竹沢右京亮江戸遠江守らによって謀殺された。 4.国貞《神奈川の駅》: 浦島太郎の物語。女性はエビを釣り上げている。 ![]() 5.国芳《保土ヶ谷》: 足利基氏と竹沢右京亮らによる新田義興の謀殺を由良兵庫に報ずる篠塚八郎。 6.広重《戸塚》: 富士山と忠臣蔵の「おかる」と思われる女性。「白雲によう似た花へ舞ふ蝶も とまりとまりの枝の夕霧」(重の屋光雄) ![]() 7.国芳《藤沢》:小栗判官小次郎助重が元気になったところを照手姫にみせている。 8.広重《平塚》: 稲毛三郎が催した相模川の橋供養。参加した頼朝の馬が雷に驚き水死。このため相模川が馬入川と呼ばれるようになった。 ![]() 9.国芳《大磯》: 曽我十郎と大磯の虎御前。 10.国芳《小田原の駅》: 伊豆の流人だった頼朝が北条政子に会いにくるところ。 ![]() 11.国芳《箱根》: 幼時の曽我五郎。箱王丸。 12.広重《三嶋》: 正月六日の三嶋の祭。 ![]() 13.国芳《沼津》: 荒木又右衛門の仇討物語より。この場の話は複雑。荷担ぎの「河津の平作」が偶然荷物を持った息子の呉服屋十兵衛から仇である沢井股五郎の居場所を聞きだす。「水にせぬふかき恩義もふみこんだ 沼津にあしのぬけぬ旅人」(梅屋) 14.広重《原》: 竹取物語。求愛する帝に不死の薬と一封の手紙を置いて昇天。 ![]() 15.国芳《吉原 冨士川水鳥》: 富士川の戦い。水鳥の音を頼朝が攻めてくる音と勘違いして逃げ出す平維盛の軍。 16.国芳《蒲原の駅 六本松の古事》: 矢矧の浄瑠璃姫が義経を恋い慕ってここまで来たが 疲れて終に死んだ。 里人憐んて葬り、塚のそばに松を六本植えた。その後、小野お通が十二段の浄瑠璃姫の物語を書き、薩摩という傀儡師に教えて節をつけて語らせた。このため小野お通は浄瑠璃の中祖といわれている。 ![]() 17.国芳《由井》: 汐を汲み、鮑をとって生業とする賎の女。 18.広重《興津 田子の浦風景》: 「田子の浦に打出て見れば白妙のふしの高根に雪はふりつつ」という山辺赤人の和歌が記されている。 ![]() 19.広重《江尻 三保の浦羽衣の由来》: 羽衣を手に昇天する天女。足が松の葉。 20.広重《府中》: 二人の茶摘女。「駿河路や花橘も茶の匂い」(芭蕉) ![]() 21.広重《丸子 手越の古駅》: 鎌倉に送られる平重衡。頼朝のはからいで伽をする「千寿の前」。 22.国芳《岡部》: 老女に化けた老山猫。人に害をなし、死後霊石(猫石)となる。 ![]() 23.国芳《藤枝》: 出家して蓮生となった熊谷直実が宿の主人に十念をかたに借金。池に蓮華が十茎咲いた。返金時念仏一遍で一茎ずつ花が消えていくので、念仏一遍をやめてもらった。「蓮生寺」の起こり。 24.国貞《島田の駅》: 輦台に乗って大井川を渡る相撲取り。「河霧や 百万石を 浪の上 (湘夕) ![]() 25.広重《金谷》: 駕籠ごと縄で縛り付けた輦台を渡る島田髷の女。「大井川無事に越しと嶋田髷 文のかなやに告るふる郷」(梅屋) 26.国芳《日坂》: 煙の中に現れた妻の亡霊が赤子を旅から帰って来た夫に渡す。沓掛松原石の辺りでの話。 ![]() 27.国芳《掛川》: 福岡宗吉といふ名匠が帝の命を受けて作った刀。帝が新刀を水に浸すと、上流から流れてきた藁が逆行したという伝説を持つ名刀「下逆(しもさか)」。行方不明となっていたこの刀を福岡貢が二見が浦で発見。 28.国貞《袋井 桜が池の由来》: 桜が池に入って龍となった女性の鱗に虫がわいて痒くてたまらなかったところ、法然上人が称名念仏を唱えると治ってしまった。 ![]() 29.国芳《見付 金札鶴》: 頼朝が鶴に金札をつけて放したという伝承。 30.国芳《浜松の駅》: 鎌倉に送られる平重衡と池田の宿で伽に出る熊野侍従。 ![]() 31.国芳《舞阪の駅》: 海賊あるいは密貿易者といわれる毛剃九右衛門が羅針盤の前に坐る。浜名湖との関係は不詳。「沖遠く白帆の蝶もまひ坂に うち寄るなみの花をこそ見れ」(梅屋) 32.国貞《あら井》: 旅日記を持つ女。橋本の松原で。「夕暮はみれともみことしらすぎの いり海かけてかすむ松原」(宗良親王) ![]() 33.広重《白須賀 女谷之伝》: 頼朝寵愛の遊女。頼朝が死に際し尼となる。その名は「妙相」、寺は橋本の教恩寺。 34.広重《二川》: 膝栗毛の弥二さん、北八さん。干物を幽霊と思った「二川」のところを読む。 ![]() 35.国貞《吉田》: 二階から旅人を招く宿の女。「うちそよき霰の鹿の子によろこひを まねくよし田の二階穂の稲」(梅屋) 36.国芳《御油 山本勘助草盧》: 武田勝頼が三顧の礼を尽くして軍師山本勘助を迎える。 ![]() 37.広重《赤坂》: 太政大臣・師長が弾く琵琶にあわせて唄う美女。水神という鬼が琵琶の音に惹かれて姿を現している。 38.国芳《藤川》: 磯貝兵太夫に闇討ちにあった藤川水右衛門の長男・兵助は目が悪いため返り討ちにあう。その後弟が仇を討つ。「藤川」という地名の起こり。 ![]() 39.広重《岡崎 矢矧の宿》: 牛若丸と愛しあった浄瑠璃姫。矢矧の長者の娘である。詞書によると「姫が生前に十二段の物語に音節をつけたのが浄瑠璃の初めである」となっている。 40.国芳《池鯉鮒》: 伊勢物語。業平が八つ橋で詠んだ歌は「カキツバタ」の頭文字をとっている。「から衣着つつなれ西つましあれば はるばるきつる旅うぃしぞおもう」 ![]() 41.国貞《鳴海》: この地の名物は木綿を絞って紅と藍とに染めわけたもので、「有松絞」という。 42.国貞《宮の駅 反魂塚》: 反魂の法を使う名僧・東岸居士。煙の中に死んだ妻「藤」の姿が見える。 ![]() 43.国芳《桑名 船のり徳蔵の伝》: 嵐の中の船の前に現れた化物にたじろなかった船乗り・桑名徳蔵。 44.国貞《四日市 那古海蜃楼》: 此浦から春夏の間に立つ蜃気楼。 ![]() 45.国芳《石薬師》: 源範頼が平家討伐に際し、石薬師寺を訪れ戦勝祈願をしている。その際名馬「いけずき」の生地はここならんと感じ、鞭代わりにしていた桜の枝を逆さにさしたところ、それが根付き蒲桜が育った。地元では「逆さ桜」とも呼ばれており、詞書には名前は「義経逆桜」となっているが、これは「範頼逆桜」とすべきであろう。 46.広重《庄野》: 此駅の東の植野村で名馬「いけずき」が生まれた。これは頼朝に献上され、後に佐々木高綱が宇治川の先陣の際に乗った名馬。 ![]() 47.広重《亀山》: お松が見た夢の中に夫・源の丞が現れたが、これは逆夢で夫は返り討ちにあっていた。 48.広重《関》: 地蔵の開眼を頼まれた一休は自分の褌を地蔵の首に掛けた。女の名は「地獄」 ![]() 49.広重《坂の下 すずか山鈴鹿の神社の由来》: 天智天皇の皇弟皇子、後の天武天皇と翁の娘。鈴鹿の神社はこの翁を祭る。 50.国芳《土山》: 奥州の安部高丸を追討する田村将軍を導く清水観音。 ![]() 51.国芳《水口》: 大力の女。水争いの結果、水の入口に大石を置いた。 52.国芳《石部》: 歯をみがくお半(十三歳)。長谷衛門(四十五歳)とともに桂川へ投身。浄瑠璃「桂川連理柵」より。「いせもとりならふ枕の二見潟 かたき石部てとらる合宿」(梅屋) ![]() 53.国芳《草津》: 龍女に三上山の百足退治を頼まれた秀郷は、 その功により龍宮へ招かれた。 54.国芳・広重《大津》: 吃りの絵師・浮世又平。手水鉢に傾城反魂香の絵を描くと、鉢の向こうにこの絵が出てきた。この部分は国芳の作。大津絵は広重の作。二人の分業である。「大津絵の草のはじめは何佛」(芭蕉) ![]() 55.広重《京》: 三条大橋。母は傘を、子供は人形を持つ。「綾にしき織れるみやこはたてぬきに ゆきかふ人もしけき大橋」(梅喜) ![]() 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2010-03-11 09:59
| 浮世絵
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