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英文の展覧会名は The Macchiaioli - Itarian Masters of Realism であるが、日本語の題名には「イタリアの印象派」という紛らわしいキャッチコピーが付けられている。
イタリアは15~17世紀にはルネサンス・マニエリスム・バロックと世界の美術界をリードしており、20世紀には未来派・形而上絵画などの新しい息吹をもたらしたが、その間の18~19世紀には影を潜めていた。 そのイタリアが国家統一を図る時期にフィレンツェ周辺に集まったリアリズム画家の集団がマッキアイオーリあるいはマッキア派と呼ばれている。マッキアとは斑点であるが、印象派がこれを色彩の表現法として採用しているのに対し、マッキア派ではこれを光の表現法としているようである。すなわち色のブロック毎に明暗を捉えていくのである。 日本では珍しい展覧会なので出かけてみた。 リアリスム絵画の対象としては、風景、戦争、家庭、肖像が並んでいたが、全体を通してみると強い光と影のコントラストの強い画が多かった。これには、トスカーナという光に満ちた草原や海と、バルビゾンのようなやや暗い森との差であるような気がした。 展覧会自体は、時代順に ①カフェ・ミケランジェロのマッキアイオーリ、②マッキア(斑点)とリアリズム、③光の画家たち、④1870年以後のマッキアイオーリ、⑤トスカーナの自然主義者たち に分類され、展示されていたが、その分類はあまりシャープではなく、美術史の研究者の発表会としては良いが、一般の鑑賞者には分かりにくいものであった。 むしろここではこの芸術活動に関わった主要画家の遍歴を追った展覧会にしたほうが良かったと思う。 そういう意味で4人の画家の作品を中心に「おきにいり記事」を書くことにする。合計63点の展示作品のうち、ファットーリ13点、シニョリーニ10点、レーガ8点、アッパーティ7点と、この4人だけで合計38点と60%を占めていた。 1.ジョヴァンニ・ファットーリ(1835-1908): カフェ・ミケランジェロの常連となったのは1850年と早い。最初は古典的な画を描いている。↓はその一つ、《自画像》。1867年の《荷車をひく白い牛》にはマッキアと明暗が、1872年の《歩哨》↓↓にはマッキアを通り越した極端な明暗法を見ることができる。 ポストカードもないので、重い図録を買う羽目になったが、その内容がまた難解である。 結局のところ、マッキア派に属する多くの画家にそれぞれ個性があり、これをひとくくりにすることには限界があったのだろう。同様な不消化感は、「印象派展」と名付けられた展覧会を見たときにも感じることである。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2010-02-22 09:02
| 印象派
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