オルセー美術館展ーパリのアール・ヌーボー ＠世田谷美術館

　昨日の講演会への招待状と展覧会招待券2枚を新聞社からいただいた。Ｔａｋさんのお世話である。あいにく昨日は都合が悪かったので、今日会場を覗いて来た。
　出品作品リストによると全体で102点であるが、国内美術館のものが11点含まれているので、オルセーのものは91点である。そのうちデザインが20点も含まれているので、比較的軽い展覧会である。1時間あれば十分に見て回れる。

　しかし、内容はナカナカ。以下、同行した家内のお勧めを中心に感想を書くことにする。章は、１．サロン、２．ダイニングルーム、３．書斎、４．エクトル・ギマール、５．貴婦人の部屋、６．サラ・ベルナール、７．パリの高級産業に大別されている。

　チラシ↑下部の《インク壷》は、「書斎の章」に展示されているモーリス・ブヴァルの金メッキブロンズ作品。オフィーリアが蓮の花に頬を寄せ、蓋の取っ手はなんと蝿である。

　チラシ↑上部の《天井灯》は、「エクトル・ギマール」の天井ランプシェード。金メッキブロンズ、ガラス、ビーズなどで作られた派手な作品。

　「貴婦人の部屋」が素晴らしかった。ガレの《婦人用机”オンベリュル”》は↓、数段に分かれた寄木象嵌。最下段の蛙の行列が面白い。中央のパネルには蝶々。　ラリックの《飾りピン”芥子"》↓や《髪留め”はなうど”1対》↓↓は見事としかいえない。
　ジョルジュ・バスタールの螺鈿《扇子"孔雀"》↓は2羽の孔雀の羽が一体となって光り輝いている。　「パリの高級産業」の章にも素晴らしいものが多かった。”アルマン・ポワン　シャルル・ヴィリオン　オート＝クレール組合工房”で作られた七宝《蛇形脚付き小櫃》↓の脚は蛇、中央に梟、蓋にトカゲ。　フェルナン＝テスマールの七宝《カップ》↓のいろいろな植物も美しい。　クレマン・マシエの《大皿》はファイアンス陶器であるが、虹色に輝くラスター彩が素晴らしかった。　気楽に鑑賞できる楽しい展覧会だった。

美術散歩　管理人　とら