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江戸時代の庶民の絵画といえばなんといっても浮世絵。絵馬や幟旗となるとまとめてみる機会は非常に少ない。実際今回の幟旗展はわが国で最初のものらしい。 「幟」という字は、「巾=布」+「認識」ということで、「目立つ旗」という意味らしい。戦国時代の武者の「旗指物」などは、敵味方の認識だけでなく、自分の武功を認識してもらって恩賞に与ろうという「実用性」を有するものだったのだが、平和で豊かな江戸時代になると、端午の節句や神社の祭りの際の「装飾」となっていったものである。 こういう幟旗にもコレクターがいるとは驚きである。今回の展覧会は北村勝史、鈴木忠男、林直輝の500に達するコレクションから、ちょうど100本の幟旗を選んで展示されている。なにせ長大なものである。地下の第一展示室は吊り下げられた幟旗の森となっていた。2階の第二展示室にも作品が並んでおり、奥の小部屋には内幟のほかに、下絵のような参考作品も並べられていた。1階のロビーから見た第一展示室の景色はまさに壮観であった。 1.無地、幾何学文: 《三色旗》、《紅色旗》、《市松》など単純なデザインのもの。 2.波: 《破軍星》の上部には北斗七星、下部には海。なかなかの作品である。《波に兎》↓も素晴らしい。 4.登龍門: 《登竜門》が5点も出ていた。これは明治時代以降に鯉のぼりの源となった絵柄であるが、江戸時代までは端午の節句にこのような幟旗を揚げることが一般的だった。鯉のぼりも当初は幟旗に描かれたように一匹の鯉のみだったとのこと。 5.鍾馗: 鍾馗は科挙の試験に落第して、絶望して死んだ男なのに、このように幟に飾られているのは皮肉なものである。 6.金太郎と桃太郎: 金太郎の幟は多いが、桃太郎のは少なかった。後者には登場者が多いからとの説明だったが、本当かな?↓は《鯉と金太郎》、略して《鯉金》。 9.説話: 《民の竈》↓という仁徳天皇の恩情をモチーフにした幟が面白かった。古代の天皇と江戸時代の農民の取り合わせがユーモラス。《玉取姫》も2点出ていた。 11.童子: 《郭君子》はチラシ↑の左側の中国の童子たち。 12.動物: 《十二支》の動物が、団扇や扇子に描かれた素晴らしい幟があったが、残念ながら6匹だけ。対の幟は発見されていないらしい。 《桐に鳳凰》↓が美しかった。 14.文字: チラシ↑の右側の《八幡宮》のような立派な文字は、霊性を帯びている。 15.内幟: 屋内に飾られたもののため小さいが、色が良く残っていた。なかでは《碁盤忠信》、すなわち碁盤を持って奮戦する佐藤忠信の姿が印象的だった。 良い展覧会を見ることができた。これは9月13日まで。お見逃しなきように。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2009-09-01 20:47
| 江戸絵画(浮世絵以外)
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