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最近、青磁が気になっている。そのきっかけは台北で汝窯青磁、龍泉窯青磁、高麗青磁をまとめてみたことである。
そこで東博東洋館の青磁を見直し、ギャラリートークも聞いた。 その後も焼物の展覧会をみる機会↓があるたびに、青磁に注目してきた。 ・板谷波山をめぐる近代陶磁 @泉屋博古館分館 ・第3回菊池ビエンナーレ展 @菊池寛実記念 智美術館 ・日本の”美術”の愛し方 @徳川美術館 最近の「学士会会報No877(2009-Ⅳ)ー特集『芸術』」に、東洋陶磁美術館名誉館長兼学芸顧問である伊藤郁太郎氏の「中国宋代の青磁 雑考」掲載されていた。この論考をよむことによって自分の頭の中にかかっていた雲の一部が晴れたような気がしたので、そのメモをここに残しておきたい。 汝窯: 1.作品数が少ない。 2.宮中の禁焼とされてきた。 3.釉薬の中に瑪瑙の粉末を混ぜた。 4.清の乾隆帝すら、汝窯がいかなるものであるかつかんでいなかった。 5.1937年、英国のP・デヴィット卿が「汝窯考」という論文で汝窯の青磁を提示した。 6.P・デヴィッドも偽作をもとに「北宋官窯」で「汝窯」が生み出されたとの結論に達したが、この両者は別物である。 7.2000年になって初めて河南省の発掘調査で「汝窯遺跡」が発掘された。 8.結局「汝窯」は官窯ではなく、優秀品を貢納する民間の窯だった。 青磁の釉色: 1.汝窯: 天青色。失透性をもち、淡い空色を帯び、深く沈み込んでいくような神韻縹渺たる色。雨過天青の色。どちらかというとブルーイッシュ。↓は台北故宮の《北宋 汝窯 天青無文楕円水仙盆》 4.耀州窯(北宋代): オリーブ・グリーンで、グリーニッシュ。 5.中国と日本の研究者の色の表現が違うことに注意しなければならない。 まとめ: 五代北宋代の青磁のほとんどがグリーニッシュであったのに、ひとり孤高を守るように汝窯がブルーイッシュの青磁を生産したのかなどについてはいまだに謎に包まれている。古陶磁研究を志して半世紀以上経過した今なお、学ぶべきことあまりに多く、日暮れて道遠しの感を深くするのである。 附記: 2009/12/5-2010/3/28 大阪東洋当陶磁美術館で「河南省文物考古研究所出品ー北宋汝窯青磁―考古発掘成果展」が開かれる予定であるとのことである。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2009-07-23 18:28
| 東洋アート
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