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展覧会の副題は「日本・ギリシャ修好110周年記念特別展」と「ギリシャに眠る日本美術~マノスコレクションより」の二つ。後者はギリシャの外交官グレゴリオス・マノス(1850-1928)が集めたアジア美術コレクション。それを収蔵しているコルフ島のギリシャ国立コルフ・アジア美術館に眠っていた写楽の肉筆画が2008年7月に発見され、わずか1年で東京で見ることができるのは幸運である。
最初に博物館の学芸員の我妻直美さんより30分のレクチャーを受け、その後仲間のブロガーと一緒に自由鑑賞。初日から結構の人の入りである。 第一章 日本絵画 ・狩野克信・興信《狩野探幽筆 野馬図屏風模本》↓・・・江戸城本丸御殿にあった狩野探幽の馬と水牛の屏風を模したもの。粉本主義の狩野派ならではの作品である。 第三章 中期版画 ・鈴木春信《見立菊慈童》・・・いよいよ錦絵登場。扇面や短冊模様絵を散らした振袖の意匠が文学的である。ピンクの菊には空摺されていることが見てとれる。 ・鈴木春重(司馬江漢)《碁》・・・極端な遠近法で描かれたシュールな建物。向かい合う男女が碁盤の角に座しているのが一興。畳の明るい緑が美しい。 ・喜多川歌麿《歌撰恋之部 深く忍恋》↓・・・背景の紅雲母が素晴らしい。紫の色彩も鮮やかである。歌麿の大首絵の代表作にこのように素晴らしい紫色が残っていることに感謝! ・東洲斎写楽《四代目松本幸四郎の加古川本蔵と松本米三郎の小浪》↓・・・今回の「幻の肉筆画」。迫力ある役者大首絵と対照的な細い輪郭線でデリケートな色。扇として使われていたようで、剥がした跡がある。竹紙に描かれているため、細かな線が見え、角度を変えると金色に近く見える。四代目というのは五代目の誤りで、後世書かれたもの。類似の扇面図が三重県津市の「石水博物館」にあるとのことで、会場にパネル表示されていた。これは扇面のままであるが、これも写楽の作品なのだろうか。数年後にはわれわれの眼にも触れるとのことである。 ・魚屋北渓《扇絵より立ち昇る龍》↓・・・御殿女中が描いた龍が扇から抜け出て天に立ち上る。箱には金が、着物には銀が載せてある。 ・歌川国芳「汐干五番内 其三↓、四、五」。波や着物の描線に銀が載せられており、輝いている。 ・歌川豊国《新吉原桜之景色 五枚つゞき」》・・・大門内の桜並木と、下の道をその周りを行き交う人々と上から見下ろす客の華やかな景色。 ・菊川英山《風流夕涼三美人》↓・・・生活感の溢れる影絵。 近年、国外から保存状態の良い浮世絵が押し寄せてきているので、それと対抗するのはなかなか難しい。目玉の写楽を加えて技あり合わせて一本の展覧会というべきなのだろう。 むしろフランス、イギリス、アメリカ、ベルギー、オランダ以外にもこのように浮世絵が保存されていたことに驚き、先見の明があったグレゴリオス・マノスに感謝したい。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2009-07-05 18:56
| 浮世絵
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