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今回の展覧会は、今まであまり注目されてこなかったアカデミズム絵画に焦点を当て、その後の革新的絵画へと繋いでいる。 1.アカデミスムの基盤 〜 新古典主義の確立: 18世紀における古代遺跡発掘などの影響を受けて、古代ギリシャに普遍的な美の規範を置く新古典主義が、19世紀フランス・アカデミスムの基盤を形成していった。「歴史画」を第一義とし、普遍的な理想美を追求する様式を打ち立てたのである。ダヴィッドがその総帥で、グロ、ジロデ、ジェラール、アングルに継承されていく。 ・ドロリング《アキレウスの怒り》・・・「ホメロスの詩」に基づいている。ギリシャの総大将のアガメムノンが部下のアキレウスの内妻を奪おうとしたため、アガメムノンを殺そうとしてているアキレスをアテナが止めている。 こういったストーリーがキャプションに書かれているので、時間がかかる。画を見に来ているのか、キャプションを読みに来ているのか分からなくなりそうだ。描かれている人物も多すぎる。 ・ダヴィッド《男性裸体習作》↓は、ローマのフランス・アカデミーで学生習作用に作成したもの。肩に当たる光のほかに赤い敷物から臀部に反射する光が印象的。 ・グロ《レフカス島のサッフォー》は、月明りの暗い海に身を投げる女詩人サッフォー。右奥の塔の火が気にかかる。これは今回のマイベスト。ポストカード↓を買ってきた。 この画は現在もオータン聖ラザール大聖堂礼拝堂に掛ってものの小型ヴァージョンであるが、なかなか良い。 2.ロマン主義の台頭とアカデミスム第一世代: 個人の感性を重視し、美の多様性を追求たロマン主義が1820-1830年代に台頭してくる。その代表がドラクロワである。ロマン主義と新古典主義を折衷していった中庸派(ジュスト・ミリュー)と呼ばれる画家たちが、アカデミスム第一世代を形成した。彼らは歴史的風俗画ともいうべき特有の絵画様式を生み出した。 ・ジルー《メルアグレアスの狩》・・・ローマ賞に輝いた初の「歴史風景画」ということである。狩人メレアグロスが、乙女アタランテの助けを借りて、大猪カリュドンをやつけるところ。 大猪はものすごいが、そのほかの人物は古典的な風景の中に埋没している。 ・テュルパン・ド・クリッセ《バッコスとアドリアデの結婚》・・・有名な場面だが人物たちは小さく描かれている。 これに対してナクソス島の秋の風景が見事に描かれている。「歴史画」に名を借りた「風景画」であるといっても良いかもしれない。 ここで村内美術館のコローが2点出ていた。《少年と山羊》と《刈り入れ時》である。それぞれ1848年と1850-55年の作品なので、この章に出てくるのは早すぎるのはないかという気がした。 次は、ロマン派の巨匠ドラクロアの《シュビレと黄金の小枝》↓。父に会うため冥界を訪れようとするアイアネスに、冥界の女王プロセルピーナな捧げる供物として「黄金の小枝」が良いと指ししめているクーマイの巫女シュビレ。画の中の登場人物は彼女だけである。 老妻サラにイサクが生れたからといって、若い妾ハガルとその子イシュマエルを追い出すハガルの冷たい顔と涙ぐむハガルの顔が対照的。 ・シェフールの《糸巻きのマルガレーテ》・・・ゲーテの「ファウスト」より。悪魔メフィストフェレスの誘惑により若返ったファウストの子を産み、嬰児殺しの罪で首を刎ねられるマルガレーテ。 糸巻きをまわさず、祈祷書も読まず、物思いにふけっている。 ・同じ画家の《聖アウグスチヌスと聖モニカ》・・・これもスッキリとした画である。「聖アウグスチヌスの告白」より。放蕩息子を改宗させた母、まもなく死ぬ聖モニカが並んで上を見上げている。場所はオスティア。 この画はレプリカだが、オリジナルの聖モニカの顔は画家の母の顔であるとのこと。 ドラロシュの《クロムウェルとチャールズ1世》↓は凄い。清教徒革命で斬首されたチャールズ1世の棺桶を開けるイギリス共和国初代護国卿のクロムウェル。首の傷がはっきりと見てとれる。 エンネルの《アベルの死体を見つけたアダムとエヴァ》↓ カインに殺害されたアベル。それをアダムとエヴァが見ているところは聖書にはないそうだが、エンネルの独特な想像図である。 お気に入り多数。まずは島根県美蔵のコルモンの《海を見る少女》↓。 美術散歩 管理人 とら
by cardiacsurgery
| 2009-06-28 14:59
| 国外アート
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